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2026/05/28

コラム

空き家3000万円控除を完全解説|相続から確定申告まで

空き家3000万円控除を完全解説|相続から確定申告まで

相続した空き家を売却する際、最大3000万円の特別控除が受けられる制度をご存知でしょうか。

 

 

2023年の法改正によって適用要件が大幅に緩和され、以前より使いやすくなりました。しかし要件を満たしているかの確認や確定申告の手続きは複雑で、手続きミスによって控除を受けられないケースも少なくありません。

 

 

この記事では、空き家3000万円控除の概要から2023年改正の詳細、札幌・北海道固有の注意点、確定申告の書類まで一気通貫でご説明します。

 

 

 

空き家の3000万円特別控除とは何か

 

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」が正式名称です。相続した実家などを売却するときに、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける制度です。

 

 

 

制度の概要と通常の3000万円控除との違い

 

「マイホームを売ったときの3000万円控除」と混同されがちですが、この2つは別の制度です。

 

 

主な違いをまとめると以下の通りです。

  • マイホーム特例:自分が住んでいた家を売るときに使う。居住要件が必須
  • 空き家特例:相続した親の家(空き家)を売るときに使う。相続人が住んでいなくてもよい
  • 控除額の上限:どちらも最大3000万円(同一年の併用は不可)

相続した家をそのまま賃貸に出したり空き家のままにしていたりしても、売却時に一定要件を満たせばこの控除を活用できます。

 

 

 

2023年改正で何が変わったか

 

2023年(令和5年)の税制改正は、空き家特例を使いやすくする2つの大きな変更をもたらしました。

  • 耐震リフォームの不要化:旧耐震基準の建物でも、売主が耐震改修をしなくてよくなった(後述の買主取壊し要件を満たせば適用可)
  • 買主が取り壊す場合も適用対象に追加:売主が事前に解体しなくても、買主が購入後に取り壊した場合でも控除が受けられるようになった

改正前は「売却前に建物を取り壊すか耐震改修を済ませる」必要があり、費用負担が重いケースがありました。改正後はその負担が大幅に軽減されています。

 

 

また、適用期限が2027年12月31日まで延長されました。ただし期限が近づくと売却の集中が見込まれるため、余裕をもった売却スケジュールが重要です。

 

 

空き家・空き地の売却について詳しく見る

 

 

 

適用要件:5つの条件を全て満たしているか確認する

 

空き家3000万円控除は要件が複数あり、1つでも欠けると適用されません。以下の5つを必ず確認してください。

 

 

 

相続・被相続人・建物に関する3つの基本要件

  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること(例:2023年6月相続→2026年12月31日が期限)
  • 被相続人が亡くなる直前まで一人で居住していた家であること(同居人がいた場合は対象外となる場合あり)
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)であること。ただし買主が取壊す場合は建物の耐震性は問われない
  • 相続開始から売却まで、事業用・貸付用・居住用として使用していないこと
  • 売却価格が1億円以下であること

 

 

 

見落としやすい「居住用」判定と施設入所の扱い

 

「被相続人が施設(老人ホームなど)に入所していた場合は対象外では?」とご心配のお客様も多くいらっしゃいます。

 

 

実は2016年の改正で、要介護認定・要支援認定を受けて施設に入所していた場合も対象となりました。次の要件を確認してください。

  • 入所前まで被相続人が継続して居住していたこと
  • 要介護認定または要支援認定を受けていたこと(介護保険被保険者証で確認)
  • 入所後に他の人が居住していないこと(空き家状態を保持していること)

これらを満たしていれば、施設入所中に亡くなった親の家でも空き家3000万円控除の対象になります。

 

 

要件判定が不明な場合は、売却前に税理士や当社の無料相談をご活用ください。

 

 

相続物件の売却サポートはこちら

 

 

 

2023年改正の詳細:控除が使いやすくなった2つの変更点

 

2023年改正の最大のポイントは、売主の費用負担を軽減しながらも控除を受けられる道が広がったことです。

 

 

 

「買主が取り壊す」場合も適用可能になった仕組み

 

改正前の制度では、旧耐震基準の建物をそのまま売却するには、売主が事前に耐震改修(費用目安:100万〜300万円程度)を行う必要がありました。

 

 

改正後は、以下の条件を満たせば売主は何もしなくても控除が受けられます。

  • 売買契約において買主が取得後に建物を取り壊すことが明記されていること
  • 買主が売買契約の締結日の翌年2月15日までに建物を取り壊すこと
  • 売主は翌年の確定申告時に「取壊し完了証明書」を提出すること

ただし、買主が期限内に取り壊さなかった場合は控除が適用されないリスクがあります。売買契約書への明記と買主とのコミュニケーションが重要です。

 

 

 

2027年末までの期限延長と駆け込み売却の注意点

 

現行制度の適用期限は2027年12月31日です。2026年現在、残り約1年半となっています。

 

 

期限間際になると売却物件が集中し、買主が見つかりにくくなる可能性があります。また、相続開始から3年以内という売却期限も同時に存在するため、どちらの期限が先に来るかを必ず確認してください。

  • 相続から3年以内の期限:個別計算が必要(相続時期による)
  • 制度の期限:2027年12月31日まで
  • どちらか早い方が実質の期限になる

 

 

 

札幌の相続空き家で控除を使う際の注意点

 

空き家3000万円控除は全国共通の制度ですが、札幌・北海道ならではのコスト感や市場特性を理解したうえで売却を判断することが重要です。

 

 

 

郊外・地下鉄沿線エリアに多い空き家の現状と売却タイミング

 

道内では、地下鉄沿線やJR沿線の住宅地、さらに市街地エリア郊外に相続空き家が集中しています。

 

 

特に築30〜40年以上の木造住宅が多く、旧耐震基準に該当するケースが大半です。空き家特例の「旧耐震基準の建物」という要件に当てはまりやすく、制度を活用しやすい環境にあります。

 

 

一方で、北海道の空き家は放置期間が長くなるほど建物の劣化が急速に進みます。冬期の積雪・凍結・凍害により、本州の同年数の建物と比べて修繕費が1.5〜2倍程度かかるケースも珍しくありません。

 

 

 

北海道の寒冷地仕様解体費用の相場と控除後の手取り試算

 

空き家を売却するにあたり、建物を解体する場合の費用相場は地域によって大きく異なります。

 

 

北海道・札幌では寒冷地仕様の基礎(凍結深度対応の深い基礎)が一般的なため、解体費用が本州より割高になりがちです。

  • 木造一戸建て(100〜120㎡):解体費用の目安は150万〜250万円(本州比較で約1.3倍)
  • 雪の処理・養生費用:冬期解体の場合は別途10万〜30万円が加算されることがある
  • 廃棄物処理費:断熱材(グラスウール等)の処分費用が加算される場合あり

【手取り試算例】売却価格2000万円、取得費・経費計500万円の場合、譲渡所得は1500万円。空き家特例を適用すると課税所得はゼロ(控除枠3000万円以内)になります。解体費用を控除前に支出しても、税負担の軽減効果が上回るケースが多くあります。

 

 

更地にして売却する場合の費用と流れ

 

 

 

マイホーム特例と空き家特例は同じ年に使えるか

 

「自分のマイホームも売って、相続した空き家も同じ年に売却する」という状況は珍しくありません。この場合、2つの3000万円控除の扱いはどうなるのか解説します。

 

 

 

2つの3000万円控除の併用可否と優先順位の判断基準

 

結論からお伝えすると、同一年に両方の控除を使うことはできません。マイホーム特例と空き家特例はどちらか一方のみ選択適用となります。

 

 

ただし、年をまたいで売却すれば両方適用可能です。たとえば今年マイホームを売って来年相続空き家を売れば、それぞれの年にそれぞれの控除が使えます。

 

 

 

併用不可の場合どちらが有利かシミュレーション

 

同一年に売る必要がある場合は、どちらの控除を選ぶかを慎重に検討してください。

  • 譲渡益が大きい方に適用するのが基本。控除は譲渡益を上限に適用されるため、益の大きい売却に充てる方が節税効果が高い
  • マイホーム特例:居住期間・所有期間による長期・短期の税率(20.315%または39.63%)との兼ね合いも考慮
  • 空き家特例:相続から3年以内の期限があるため、期限優先で判断せざるを得ないケースもある

どちらを選ぶかは個別のケースによって異なります。税理士との事前相談が有効ですが、当社でも概算シミュレーションのご相談を承っております。

 

 

 

確定申告の手順と必要書類チェックリスト

 

空き家3000万円控除は自動的には適用されません。売却した翌年の2月16日〜3月15日の確定申告期間内に申告する必要があります。

 

 

 

申告期限・提出先・必要書類一覧

 

以下の書類を漏れなく準備してください。

  • 確定申告書(第一表・第二表):税務署または国税庁のe-Taxで取得
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書):売却物件の取得費・譲渡費用を記入
  • 登記事項証明書(全部事項証明書):法務局で取得(手数料1通600円
  • 被相続人の戸籍の附票の写し:死亡日前まで居住していたことの証明
  • 売買契約書のコピー:売却価格・売却日の確認用
  • 耐震基準適合証明書または建物滅失証明書(解体証明書):建物の耐震性または取壊し完了を証明
  • 要介護・要支援認定を受けていた場合:介護保険被保険者証のコピー

提出先は原則として売主の住所地を管轄する税務署です。e-Taxを利用するとオンラインで申告できます。

 

 

 

税務署で指摘されやすい書類不備と事前確認ポイント

 

確定申告で最もよく見られる不備は、居住実態の証明不足です。被相続人が実際に住んでいたことを証明する書類(住民票・公共料金の領収書など)が不足しているケースがあります。

  • 住民票の除票:死亡時の住所と物件住所が一致しているか確認
  • 固定資産税評価証明書:物件の課税状況を確認(居住用として課税されているか)
  • 買主が取壊す場合:翌年2月15日までの取壊し完了と証明書の入手を確認

書類の不備があると控除が認められないだけでなく、後日税務署から照会が入る場合もあります。売却後すぐに書類の整理を始めることをお勧めします。

 

 

売却にかかる費用と手続きの全体像

 

 

 

相続した空き家の売却を当社に相談するメリット

 

空き家3000万円控除を最大限に活用するためには、売却活動・解体手配・確定申告準備を並行して進める必要があります。

 

 

 

無料査定から控除適用確認まで一括サポートの流れ

 

当社では、相続空き家の売却に関して以下のサポートを提供しています。

  • 無料査定:地下鉄沿線・JR沿線・市街地エリアなど、札幌・道内の相場に精通した査定担当者が対応
  • 控除要件の事前確認:相続開始日・建物の建築年・居住実態などを一緒に確認し、控除が使えるかを事前に整理
  • 解体業者のご紹介:北海道の寒冷地仕様に対応した解体業者と連携しており、適正価格での見積りを取得できます
  • 確定申告書類の準備サポート:税理士との連携により、申告書類の不備を事前にチェック

相続から売却・確定申告まで、ワンストップでサポートします。まずはお気軽に無料査定をご利用ください。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 更地にしてから売った場合でも空き家の3000万円控除は使えますか?

 

A: 一般的には使えます。売主が建物を取り壊して更地にした後に売却する場合も、空き家3000万円控除の対象となります。

 

 

ただし、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を完了することが条件です。また、取壊し後に貸付用の駐車場などに利用すると対象外になる場合があるため、取壊し後は速やかに売却を進めることをお勧めします。

 

 

 

Q: 亡くなった親が老人ホームに入所していた場合も対象になりますか?

 

A: 一定の要件を満たせば対象になります。2016年の税制改正により、要介護認定または要支援認定を受けて施設(老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅等)に入所していた場合でも、入所前まで居住実態があれば空き家特例を適用できるようになりました。

 

 

確定申告時には、介護保険被保険者証のコピーや入所施設の入所日を確認できる書類が必要です。事前に書類が揃っているかを確認しておきましょう。

 

 

 

Q: マイホームを売ったときの3000万円控除と空き家の3000万円控除は同じ年に両方使えますか?

 

A: 同じ年に両方の控除を使うことはできません。マイホーム特例と空き家特例は同一年の重複適用が税法上禁止されており、どちらか一方を選択する必要があります。

 

 

ただし、売却年を1年ずらすことで両方の控除を使うことが可能です。たとえば自宅を今年売って相続空き家を来年売れば、それぞれの年に各控除を適用できます。相続から3年以内の期限と照らし合わせながら、売却タイミングを計画的に設定することをお勧めします。

 

 

 

Q: 空き家の3000万円控除を受けるために確定申告で必要な書類は何ですか?

 

A: 主に以下の書類が必要です。確定申告書(第一表・第二表)、譲渡所得の内訳書、登記事項証明書、被相続人の戸籍の附票の写し、売買契約書のコピーが基本となります。

 

 

建物の状態に応じて、耐震基準適合証明書(建物を残して売る場合)または建物滅失証明書(解体した場合)のいずれかも必要です。施設入所中に亡くなった場合は介護保険被保険者証のコピーも追加で求められます。書類の不備は控除不認定につながるため、税理士への事前確認をお勧めします。

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