結論を先に書きます。借地権付きの建物も売れます。ただし、地主の承諾が要ります。承諾なしに売ると契約違反になり、最悪の場合は借地契約を解除されます。実務では、地主に承諾料(名義書換料)を払って承諾をもらい、そのうえで買主に引き渡すのが通常の流れです。
価格は、同じ土地を所有している場合の6割から7割程度が目安です。住宅ローンも、借地であることを理由に使えない金融機関があります。だからこそ、売ると決めたらまず地主に話をして、承諾が得られるかどうかを確かめることが最初の一歩になります。
平成4年8月より前に設定された借地権です。契約期間が満了しても、地主に正当な事由がなければ更新されます。実質的に長く使えるため、借地権としては価値が高く、売りやすい部類に入ります。札幌の古い住宅地に多く残っています。
平成4年8月以降の借地借家法によるものです。こちらも更新できますが、旧法より地主側の立場がやや強くなっています。
期間が決まっていて、更新がありません。期間満了時には建物を取り壊して土地を返します。残り期間が短いほど価値は下がり、残り10年を切ると買い手を見つけるのが難しくなります。分譲マンションでも、定期借地権のものがあります。
自分の借地権がどれに当たるかは、借地契約書で確認します。契約書が見つからない場合は、地主に写しをもらうか、土地の登記簿に借地権の登記があるかを確認してください。建物の登記があれば、借地権を第三者に主張できます。
借地権を第三者に売ることへの承諾です。これがないと売買が成立しません。承諾料の相場は、借地権価格の10パーセント前後といわれます。
買主が建物を建て替えるつもりなら、その承諾も必要です。承諾料は更地価格の3パーセントから5パーセント程度が目安とされます。古い家が建っている借地では、買主は建て替え前提で考えるため、あわせて取っておくと売りやすくなります。
買主が住宅ローンを使う場合、借地権に抵当権を設定することへの承諾が必要になります。これを地主が嫌がると、買主の資金調達が成り立ちません。
木造から鉄骨造に変えるなど、建物の種類を変える場合に必要です。
4つの承諾は、まとめて一つの承諾書にすることが多くあります。売却の話を持ちかけるときは、譲渡だけでなく、建替えと抵当権設定も一緒にお願いしておくと、あとで二度手間になりません。
正当な理由なく承諾を拒まれた場合、借地非訟という裁判所の手続きで、承諾に代わる許可を得られます。裁判所が地主に支払うべき額を定め、その支払いを条件に許可を出す仕組みです。
時間も費用もかかるため、まずは話し合いで進めることをおすすめします。第三者が間に入ると、感情の話が金額の話に変わって進みやすくなります。
借地権は、地主にとってもっとも価値のある相手です。地主が借地権を買い取れば、土地は完全な所有権に戻り、価値が一気に上がるからです。第三者に売るより高く売れることがあります。
逆に、地主から底地を買い取って、所有権付きの土地建物として売る方法もあります。手元資金は要りますが、売却額は大きく上がります。どちらが得かは、底地の買取価格と、所有権になった場合の売却額を比べて判断します。
地主と借地人が話し合い、土地を分け合って、それぞれが完全な所有権を持つようにする方法もあります。等価交換といいます。広さのある借地では検討する価値があります。
借地権の価格は、その土地が所有権だった場合の価格に、借地権割合をかけて求めるのが基本です。相続税路線価図に、地域ごとの借地権割合が記号で示されています。
ただし実際の売買では、承諾料、地代の水準、更新料の有無、建物の状態、住宅ローンが使えるかどうかによって、この計算より下がることがあります。路線価の割合はあくまで税金の計算のためのもので、市場価格とは別だと考えてください。
とくに最後が大きな壁です。借地権付き建物に融資する金融機関は限られ、地主の承諾書の提出を条件にされます。買主が現金で買える方であれば、この壁はなくなります。
札幌では、中央区や豊平区の古い住宅地、寺社の周辺に借地が残っています。地代が近隣の相場より安いまま何十年も据え置かれているケースもあり、その場合は借地人にとって有利な条件です。契約書と直近の地代の領収書を必ず確認してください。
相続で借地権を引き継いだ場合、地主の承諾は不要です。相続は譲渡ではないためです。ただし、地主に名義が変わったことを通知しておく必要があります。通知せずに放置すると、その後の話し合いがこじれます。
そのうえで第三者に売るなら、改めて譲渡の承諾が必要になります。相続人が複数いる場合は、全員で共有している状態なので、全員の同意が要ります。
当社では、借地権付きの建物もそのまま買い取っています。地主との交渉は当社側で進めるため、売主が承諾料の話で気まずい思いをする必要はありません。まずは今の条件でいくらになるかをご確認ください。
借地契約の解釈や、承諾料の妥当性、借地非訟の手続きについては弁護士に、税金の扱いは税理士にご確認ください。ここでは売却実務での進め方を整理しています。
売れます。ただし地主の譲渡承諾が必要です。承諾なしに売ると契約違反になり、借地契約を解除される恐れがあります。まず地主に話をするところから始めてください。
借地権価格の10パーセント前後が目安といわれます。建替え承諾料は更地価格の3パーセントから5パーセント程度です。金額は地主との話し合いで決まります。
借地非訟という裁判所の手続きで、承諾に代わる許可を得られます。ただし半年から1年かかり、費用もかかります。まずは話し合いで進めることをおすすめします。
所有権の場合の6割から7割程度が目安です。札幌市内の住宅地では借地権割合が60から70パーセントの地域が多くなっています。承諾料や地代の水準でさらに変わります。
借地権付き建物に融資する金融機関は限られ、地主の承諾書の提出を条件にされます。買主が現金で買える方であれば、この問題はなくなります。
相続で引き継ぐこと自体に承諾は不要ですが、地主への通知はしておいてください。第三者に売るときは改めて譲渡承諾が必要です。相続人が複数なら全員の同意が要ります。
できます。地主にとって借地権はもっとも価値のある買い物です。土地が完全な所有権に戻るためで、第三者に売るより高く売れることがあります。
期間満了時に建物を取り壊して土地を返す前提なので、残り期間が短いほど価値が下がります。残り10年を切ると買い手を見つけるのが難しくなります。
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