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2026/08/13
旧耐震の戸建て売却|改修の費用対効果
旧耐震の戸建て売却|改修の費用対効果
「旧耐震の戸建てを売りたいが、耐震改修してから売るべきか迷っている」というご相談が増えています。改修には150〜300万円の費用がかかりますが、売却価格がどれだけ上がるかは物件ごとに異なります。
この記事では、耐震改修の費用対効果を3パターンの損益シミュレーションで比較し、札幌の寒冷地特有のコスト事情や補助金活用法まで具体的に解説します。改修すべきか、そのまま売却か、買取に出すか。お客様の判断材料としてお役立てください。
旧耐震基準と新耐震基準の違いが売却に与える影響
旧耐震と新耐震の境目は1981年6月1日です。この日以降に建築確認を受けた建物が新耐震基準に該当します。
1981年を境にした基準の違い
旧耐震基準は「震度5程度の地震で倒壊しない」ことを想定した設計です。一方、新耐震基準は「震度6強〜7でも倒壊しない」水準に引き上げられました。
2026年現在、旧耐震の戸建ては築45年以上が経過しており、建物の経年劣化も相まって市場での評価が大きく下がる傾向にあります。
旧耐震が売却で不利になる3つの理由
- 買主の住宅ローン審査が通りにくい:多くの金融機関が旧耐震の物件に対して融資条件を厳格化しており、フラット35では耐震基準適合証明書がないと利用できません
- 住宅ローン減税が使えない:買主が税制優遇を受けられないため、購入希望者の数が大幅に減少します
- 地震保険料が割高になる:耐震等級による割引が適用されず、買主の維持費負担が増えることが敬遠される原因になります
特に深刻なのが住宅ローンの問題です。買主がローンを組めなければ、現金購入できる層に限定されるため、売却価格は相場の2〜4割安になるケースも少なくありません。売主としては「自分の家の耐震性能」だけでなく「買主の資金調達環境」まで考慮する必要があります。
耐震改修工事の費用相場と工事内容
耐震改修にかかる費用は、建物の規模や劣化状況によって大きく変わります。ここでは木造戸建ての一般的な費用相場を解説します。
木造戸建ての改修費用の目安
一般的な木造戸建て(延床面積80〜120㎡)の耐震改修費用は、全国平均で約150〜300万円が目安です。工事内容によって金額は次のように変動します。
- 耐震診断費用:約5〜15万円(自治体の補助で無料〜数千円になる場合あり)
- 筋交い・金物補強:約80〜150万円(壁を開けて補強材を追加)
- 基礎補強工事:約50〜120万円(ひび割れ補修・炭素繊維シート貼り)
- 屋根軽量化:約80〜150万円(瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替え)
複数の工事を組み合わせると総額が300万円を超えることもありますが、部分的な補強だけであれば150万円以内に収まるケースもあります。
札幌の寒冷地特有の費用加算要因
札幌など道内の積雪寒冷地では、本州と比べて改修費用が1.2〜1.5倍になることがあります。その主な要因は以下の通りです。
- 基礎凍結深度の問題:札幌の凍結深度は約60〜80cmと深く、基礎補強工事で掘削範囲が広がるため工事費が上がります
- 積雪荷重への対応:屋根の積雪荷重を考慮した構造補強が追加で必要になる場合があります
- 冬季の工期制約:11月〜3月は外部工事が難しく、工期が延びることでコストが増加します
そのため、札幌で旧耐震の戸建てを改修する場合、本州の相場に30〜80万円程度を上乗せして考える方が現実的です。費用の詳細については売却にかかる費用の詳細もあわせてご確認ください。
改修して売る vs そのまま売る vs 買取|損益シミュレーション
耐震改修の費用対効果を判断するために、3つの売却パターンで手取り額を比較します。以下は札幌市街地エリアの築48年・木造戸建て(土地80坪・建物30坪)を想定した試算です。
3パターンの手取り額を比較表で試算
売却想定価格を1,500万円(新耐震同等の場合)として、各パターンの概算を示します。
- パターンA:耐震改修して仲介売却:改修費250万円+仲介手数料約56万円を差し引き、売却価格1,400万円の場合、手取り額は約1,094万円
- パターンB:改修せず仲介売却:仲介手数料約40万円を差し引き、売却価格1,050万円(3割減)の場合、手取り額は約1,010万円
- パターンC:改修せず買取:仲介手数料なし、買取価格900万円(4割減)の場合、手取り額は約900万円
パターンAとBの差額は約84万円です。改修費250万円をかけても、売却価格の上昇幅が350万円であれば費用対効果はプラスになります。
費用対効果がプラスになる条件
改修して売ることが有利になるのは、次のような条件を満たす場合です。
- 地下鉄沿線やJR沿線など需要の高い立地で、改修後に買主のローン利用が見込める
- 建物の状態が比較的良く、改修費が200万円以下に収まる見通しがある
- 札幌市の補助金を活用し、実質負担を100〜150万円に抑えられる
一方、立地の需要が低い場合や建物の劣化が著しい場合は、改修費を回収できない可能性が高まります。そうしたケースでは、改修せずに買取に出す方が時間的・金銭的なリスクを抑えられます。
札幌市の耐震改修補助金と断熱同時施工の活用法
札幌市では旧耐震の住宅に対して耐震改修の補助金制度を設けています。売却前の改修でも活用できる場合がありますので、条件を確認しましょう。
補助金の対象条件と申請手順
札幌市の耐震改修補助金は、上限100万円(改修費用の23%以内)が支給される制度です。主な対象条件は次の通りです。
- 1981年5月31日以前に建築確認を受けた木造戸建て住宅であること
- 耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満と判定されていること
- 改修後の上部構造評点が1.0以上になる工事計画であること
- 所有者本人が申請すること(売却予定でも所有者であれば申請可能)
申請の流れは、まず市の窓口で耐震診断の補助を申請し、診断結果に基づいて改修計画を作成します。その後、改修補助金の交付申請を行い、交付決定後に工事着手という順序です。申請から交付決定まで約1〜2か月かかるため、売却スケジュールには余裕をもたせてください。
断熱改修との同時施工でコストを抑える方法
北海道の戸建てでは、耐震改修と断熱改修を同時に行うことで工事費の総額を抑えられる場合があります。壁を開ける工事が共通するため、別々に施工するより15〜20%のコスト削減が期待できます。
断熱性能の向上は買主へのアピールポイントにもなります。道内では冬の暖房費が月3〜5万円かかる住宅もあり、断熱等級が高い物件は市場での評価が上がりやすい傾向です。
耐震と断熱を合わせて改修する場合、総額は350〜500万円が目安ですが、補助金を活用すれば実質250〜400万円程度に抑えられるケースもあります。
旧耐震の戸建てを改修せず売却する方法
改修費をかけずに売却する方法も複数あります。お客様の状況に応じて最適な方法を選びましょう。
仲介売却で売る場合の注意点
改修せず仲介で売る場合、以下の点に注意が必要です。
- 売却価格の設定:耐震性の不足を織り込んだ価格設定が求められ、相場より2〜4割低くなることが一般的です
- 買主の資金計画:住宅ローンが使えない可能性があるため、現金購入者やリフォーム前提の買主がターゲットになります
- 売却期間の長期化:ターゲット層が狭まるため、売却まで6か月〜1年以上かかるケースもあります
戸建ての売却全般の流れについては戸建て売却の詳しい流れをご覧ください。
不動産買取を選ぶメリット
改修費用をかけたくない場合や、早期に売却したい場合は、不動産買取が有力な選択肢です。
- 現状のまま売却可能:耐震改修・リフォーム不要で、建物の状態を問わず査定してもらえます
- 最短1〜2週間で現金化:仲介と異なり買主を探す期間が不要です
- 仲介手数料がかからない:買取業者に直接売却するため、手数料約3%+6万円が不要になります
- 契約不適合責任が免除されるケースが多い:売却後のトラブルリスクを大幅に軽減できます
買取価格は仲介相場の6〜7割程度になることが多いですが、改修費用・仲介手数料・売却期間中の維持費を差し引くと、手取り額の差は縮まります。旧耐震のようなワケあり物件の売却はワケあり物件の売却についてはこちらでも詳しく解説しています。
旧耐震戸建ての査定で見られるポイント
旧耐震の戸建てでは、耐震性だけでなく複数の要素が査定額に影響します。改修以外にも査定額を底上げできる対策があります。
耐震性以外に評価される要素
- 土地の立地・面積:札幌の市街地エリアやJR沿線では、建物の価値がゼロでも土地値で売れるケースがあります
- 接道状況:幅員4m以上の公道に2m以上接しているかどうかが重要です
- 建物の維持管理状態:雨漏りやシロアリ被害がなければ、築年数が古くても一定の評価がつきます
- ライフライン:上下水道・都市ガスの引き込み状況が査定に反映されます
査定額を上げるためにできること
大規模な改修をしなくても、以下の低コストな対策で査定額の底上げが期待できます。
- 室内外の清掃・整理整頓:費用ほぼゼロで第一印象が大きく変わります
- 水回りの軽微な修繕:蛇口の水漏れ・トイレの不具合は5〜10万円で対応可能です
- 建物状況調査(インスペクション)の実施:費用は約5〜7万円で、買主への安心材料になります
改修に数百万円をかける前に、まずはこうした対策を検討されることをおすすめします。
売却の流れと失敗しないための注意点
旧耐震の戸建てを売却する際は、通常の売却とは異なる注意点があります。特に契約不適合責任への備えが重要です。
売却完了までのステップ
- 耐震診断の実施:まず現状の耐震性能を把握します(費用約5〜15万円)
- 不動産会社への査定依頼:複数社に査定を依頼し、売却方法のアドバイスを受けます
- 売却方法の決定:改修して仲介か、現状で仲介か、買取かを判断します
- 媒介契約の締結:仲介の場合は不動産会社と媒介契約を結びます
- 売買契約・引き渡し:買主との条件交渉後、契約締結から引き渡しまで一般的に1〜3か月です
契約不適合責任への備え
旧耐震の戸建て売却で最も注意すべきは契約不適合責任です。2020年の民法改正により、売主は引き渡した物件が契約内容に適合しない場合、修繕費用や損害賠償を請求される可能性があります。
旧耐震であることを契約書や重要事項説明書に明記し、買主に告知することが不可欠です。耐震性能の不足、過去の修繕履歴、雨漏り・シロアリなどの瑕疵は漏れなく告知しましょう。
この点、不動産買取では契約不適合責任が免除される契約が一般的であり、売却後のリスクを回避したい場合は買取を検討する価値があります。無料査定のご相談はお問い合わせページからお気軽にどうぞ。
よくある質問
Q: 旧耐震基準の戸建てを耐震改修せずにそのまま売却できますか?
A: 耐震改修をしなくても売却は可能です。ただし、買主が住宅ローンを組めない場合が多く、現金購入者に限定されるため売却価格は相場の2〜4割安になる傾向があります。
売却期間も長引きやすいため、早期売却を希望される場合は不動産買取も選択肢としてご検討ください。
Q: 耐震改修の費用目安と売却価格の上昇幅はどのくらいですか?
A: 木造戸建ての耐震改修費用は一般的に150〜300万円が目安です。札幌の場合は寒冷地の割増で200〜350万円程度になることもあります。
売却価格の上昇幅は立地や建物の状態により異なりますが、地下鉄沿線などの需要が高いエリアでは改修費を上回る価格上昇が見込める場合もあります。
Q: 札幌市の耐震改修補助金は売却予定でも申請できますか?
A: 所有者本人が申請する場合は、売却予定の戸建てでも申請可能です。補助金額は改修費用の23%以内で上限100万円です。
ただし、申請から交付決定まで1〜2か月かかるため、売却スケジュールとの兼ね合いに注意が必要です。交付決定前に工事を着手すると補助対象外になる場合があります。
Q: 旧耐震の戸建ては買取と仲介のどちらが有利ですか?
A: スピードと手間を重視するなら買取が有利です。仲介手数料がかからず、最短1〜2週間で現金化でき、契約不適合責任も免除されるケースが多い点がメリットです。
一方、時間に余裕があり少しでも高く売りたい場合は仲介売却が選択肢になります。改修費用・売却期間中の維持費・仲介手数料を差し引いた手取り額で比較して判断されることをおすすめします。
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