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空き家を放置するとどうなるか|固定資産税・落雪の責任・下がる価格

相続した実家を、とりあえずそのままにしている。使う予定はないけれど、決められないまま何年か過ぎている。札幌ではとくに多いご相談です。

結論から言うと、空き家は置いておくほど損が積み上がります。固定資産税が上がる可能性があり、建物は毎年傷み、売れる価格は下がり、落雪や倒壊で人に被害が出れば責任を問われます。何もしないことが、いちばん費用のかかる選択です。

固定資産税が上がることがある

住宅用地の特例

住宅が建っている土地は、固定資産税の計算で課税標準が最大6分の1に軽くなる特例があります。これがあるために、「建物を残しておくほうが税金が安い」と言われてきました。

勧告を受けると特例から外れる

ところが、倒壊のおそれがある、衛生上有害である、著しく景観を損なっているといった状態の空き家(特定空家)は、勧告を受けると住宅用地の特例から外れます。そうなると土地の税額は大きく上がります。

「そこまでひどくない」空き家も対象になった

法律が改正され、放っておけばそうなるおそれのある状態(管理不全空家)も、勧告を受ければ特例から外れるようになりました。窓が割れている、屋根や外壁が傷んでいる、草木が繁茂している。この程度でも対象になり得ます。

「建物を残しておけば税金が安い」は、もう当てにできません。管理できないまま持ち続けることのほうが、リスクになりました。

建物は毎年傷む

人が住まない家は早く傷む

換気されない家は、湿気と結露で内部から傷みます。給排水管も、水が流れないことで劣化が進みます。住んでいれば気づく小さな不具合が、誰も見ていないあいだに広がります。

札幌では雪が追い打ちをかける

傷んだ分だけ価格が下がる

買主は、直すのにいくらかかるかを見て価格を判断します。放置していた年数は、そのまま価格の差になって返ってきます。「もう少し様子を見よう」と待っているあいだに、下がっていきます。

人に被害が出たときの責任

所有者が責任を負う

建物や工作物の設置・管理に問題があって他人に損害を与えた場合、その所有者が賠償の責任を負います。空き家だから、住んでいないから、という理由で免れることはできません。

札幌でとくに多いのが落雪

屋根から落ちた雪が、隣家の物置やカーポートを壊す。歩いていた人に当たる。実際に起きている事故です。遠方にお住まいで、冬のあいだ一度も見ていないという状態が、いちばん危険です。

倒壊・飛散

傷んだ屋根材やトタンが強風で飛ぶ、ブロック塀が倒れる。これも所有者の責任です。火災保険で対応できる場合もありますが、空き家は契約の条件が変わることがあるため、保険の内容を確認しておいてください。

名義の問題も残っている

相続した空き家で名義が変わっていない場合、相続登記は義務化されており、期限内に手続きをしないと過料の対象になります。放置している年数が長いほど、次の相続が起きて相続人が増え、話をまとめるのが難しくなります。

とれる選択肢

1. そのまま売る

もっとも早く負担がなくなります。建物の状態が悪くても、土地としての価値は残ります。家財が残ったままでも買い取れる場合があります。

2. 解体して土地として売る

買い手が広がることがあります。ただし解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が上がります。解体してから売れるまでの期間が長引くほど負担が増えるため、時期は買主の見通しと合わせて決めてください。

3. 貸す

収入にはなりますが、貸せる状態にするための修繕費がかかります。また、相続後に空き家の3,000万円特別控除を使う予定があるなら、貸した時点で使えなくなります。

4. 管理しながら持ち続ける

選ぶなら、冬の水抜き、屋根の雪下ろし、除雪、年に数回の換気を誰が行うかを決めてください。遠方にお住まいなら管理を業者に頼むことになり、毎年の費用が発生します。

どれを選ぶにしても、まず「いま売ったらいくらか」を知らないと比べられません。修繕費、解体費、毎年の管理費と税金。これらを売却額と並べて初めて、損得が見えます。

いまからやること

  1. 名義を確認する/相続登記が済んでいなければ、まずそこから
  2. 建てられた時期を確認する/昭和56年5月31日以前なら、空き家の3,000万円特別控除の対象になり得ます
  3. 相続の日を確認する/控除の期限は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです
  4. 冬の手当てをする/水抜きと閉栓、屋根の雪下ろしと除雪の手配
  5. いくらで売れるかを確かめる/ここから判断が始まります

3の期限は、過ぎてしまうと取り返せません。相続からの年数を、いますぐ数えてみてください。

売り出す時期

札幌で買い手の動きが強くなるのは、転勤と進学が重なる2〜3月と、雪が降る前の9〜10月です。その時期に売り出すなら、ひと月前から準備を始めてください。片付けと写真の撮影は、雪のない時期のほうがうまくいきます。

よくあるご質問

建物を残しておいたほうが固定資産税は安いと聞きました。

以前はそう言われていましたが、いまは当てになりません。倒壊のおそれがある空き家や、放っておけばそうなる状態の空き家は、勧告を受けると住宅用地の特例から外れ、土地の税額が大きく上がります。

解体してから売ったほうがよいですか。

一概には言えません。解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が上がります。売れるまでの期間が長引くほど負担が増えるため、買主の見通しと合わせて決めてください。

空き家から落ちた雪で隣の物置を壊しました。責任はありますか。

所有者が賠償の責任を負います。空き家であること、住んでいないことは理由になりません。冬のあいだ一度も見ていない状態がいちばん危険です。

遠方に住んでいて管理できません。

管理を業者に頼むか、売却するかになります。頼む場合は、冬の水抜き、屋根の雪下ろし、除雪、年に数回の換気を含めた内容で毎年の費用がかかります。その費用と売却額を並べて比べてください。

貸すという選択はどうですか。

収入にはなりますが、貸せる状態にするための修繕費がかかります。また、相続後に空き家の3,000万円特別控除を使う予定があるなら、貸した時点で使えなくなります。

何年も放置していますが、いまからでも売れますか。

売れます。建物の状態が悪くても土地としての価値は残ります。家財が残ったままでも買い取れる場合があります。ただし放置していた年数は価格の差になって返ってきますので、早いほど有利です。

名義が親のままです。どうすればよいですか。

相続登記が必要です。義務化されており、期限内に手続きをしないと過料の対象になります。放置するほど次の相続で相続人が増え、まとめるのが難しくなります。

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