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2026/08/12
マンション売却の媒介契約解除と違約金の条件
マンション売却の媒介契約解除と違約金の条件
マンションの売却を依頼したものの、不動産会社の対応に不満がある。媒介契約を解除したいが、違約金が発生するのか不安――。このようなお悩みを抱える方は少なくありません。
本記事では、媒介契約の解除条件や違約金の発生パターンを宅建業法の根拠条文とともに整理し、解除通知書の書き方から別会社への切り替え手順まで一気通貫で解説します。
札幌圏で売却活動中の方が、正しい知識をもとに冷静に判断できるよう、北海道宅建協会の無料相談窓口の活用法もあわせてご紹介します。
媒介契約の3種類と解除しやすさの違い
マンション売却で不動産会社と結ぶ媒介契約には3つの種類があり、それぞれ解除のしやすさが大きく異なります。まずは違いを正確に把握しましょう。
一般・専任・専属専任の比較
- 一般媒介契約:複数の不動産会社に同時依頼が可能。契約期間の法的上限はなく、いつでも他社へ切り替えられるため、解除のハードルは最も低いです。
- 専任媒介契約:依頼先は1社のみですが、売主自身が買主を見つける「自己発見取引」は認められています。契約期間の上限は3ヶ月で、期間満了時に更新しなければ自動的に終了します。
- 専属専任媒介契約:依頼先は1社のみで、自己発見取引も制限されます。契約期間の上限は同じく3ヶ月ですが、拘束力が最も強いため、途中解除には正当な事由が求められるケースが多くなります。
契約種別ごとの解除条件の差
一般媒介は他社にも依頼できるため、実質的に「解除」ではなく依頼先の変更で対応できます。一方、専任・専属専任は1社独占契約のため、途中解除には後述する宅建業法上の根拠や正当事由の有無が重要になります。
国土交通省の調査によると、不動産売却で利用される媒介契約の約60%が専任媒介、約25%が一般媒介、約15%が専属専任媒介とされています。最も利用頻度の高い専任媒介の解除条件を正しく理解しておくことが重要です。
媒介契約を正当に解除できる条件と宅建業法の根拠
「媒介契約を解除したいが、違約金を請求されるのでは」と不安に思う方は多いですが、正当な事由があれば違約金なしで解除できるケースが一般的です。その根拠となる法律を確認しましょう。
宅建業法第34条の2に基づく解除事由
宅建業法第34条の2では、媒介契約に関する不動産会社の義務が定められています。専任媒介の場合、不動産会社には以下の義務があります。
- 契約締結日から7営業日以内にレインズ(指定流通機構)へ物件情報を登録する
- 2週間に1回以上の頻度で売主へ業務報告を行う(専属専任は1週間に1回以上)
- 媒介契約書を遅滞なく売主に交付する
- 正当な理由なく契約の更新を拒否しない
これらの義務に違反した場合、売主側からの解除は正当な事由として認められます。つまり、違約金を支払う必要がないケースに該当します。
不動産会社の義務違反で解除できるケース
実務上、以下のような状況は義務違反に該当し、正当な解除事由となり得ます。
- レインズへの登録を怠っている、または登録後に無断で削除した
- 業務報告が規定回数に満たない、または形式的で内容が伴わない
- 売主の意向を無視した大幅な値下げ交渉を一方的に進めている
- 内覧の調整や広告活動をほとんど行っていない
- 囲い込み(他社からの問い合わせを意図的にブロックする行為)をしている
2026年現在、囲い込みに対する行政の監視は年々強化されています。レインズの登録状況は売主自身でも「レインズ確認ステータス」から確認できますので、不審に感じたら必ずチェックしてください。
媒介契約解除時の違約金・費用の相場と発生条件
媒介契約の解除で最も気になるのが、違約金や費用の問題です。発生するケースとしないケースを正確に整理します。
違約金が発生するケース・しないケース
違約金が発生しないケースは以下のとおりです。
- 契約期間(最長3ヶ月)の満了による終了
- 不動産会社側の義務違反(レインズ未登録・報告義務違反など)を理由とする解除
- 一般媒介契約の解除(法律上の期間制限がないため)
違約金・費用が発生する可能性があるケースは以下のとおりです。
- 不動産会社に義務違反がない状態で、売主都合により専任・専属専任を途中解除する場合
- 不動産会社が既に支出した広告費・交通費などの実費が請求される場合
- 媒介契約書に特約として違約金条項が明記されている場合
実費精算の範囲と上限の目安
売主都合の途中解除で請求される費用は、一般的に不動産会社が実際に支出した「実費」に限られます。仲介手数料の満額を請求されることは、通常ありません。
実費として認められる主な費用項目と目安は以下のとおりです。
- ポータルサイト広告掲載費:1万〜5万円程度
- チラシ・DM作成費:数千円〜3万円程度
- 物件調査の交通費:数千円程度
- 写真撮影・間取り図作成費:1万〜3万円程度
合計すると5万〜15万円程度が一般的な上限です。ただし、これらはあくまで実際に支出した金額に限られ、不当に高額な請求は宅建業法に抵触する可能性があります。
なお、マンション売却の仲介手数料は「売却価格×3%+6万円+消費税」が法定上限です。たとえば2,500万円のマンションであれば約89万円が上限となり、この金額を途中解除で請求されることはまずありません。
解除通知書の書き方と手続きの流れ
媒介契約を解除する際は、口頭だけでなく書面で意思表示を行うことが重要です。後日のトラブルを防ぐため、通知書の作成方法を具体的にご説明します。
通知書に記載すべき項目と文例
解除通知書には以下の項目を漏れなく記載してください。
- 日付(通知書の作成日)
- 宛先(不動産会社の正式名称・代表者名)
- 差出人(売主の氏名・住所)
- 媒介契約の特定情報(契約締結日・対象物件の所在地)
- 解除の意思表示(「本書面をもって媒介契約を解除します」の明記)
- 解除理由(義務違反がある場合は具体的に記載)
- 解除の効力発生日
書面の形式に法律上の決まりはありませんが、配達証明付き内容証明郵便で送付すると、到達日時の証拠が残るため安心です。内容証明郵便の費用は1通あたり約1,500〜2,000円程度です。
解除の申し入れから完了までのステップ
実際の解除手続きは以下の流れで進めます。
- ステップ1:解除理由の整理と証拠の確保(業務報告の記録・レインズ登録状況の確認など)
- ステップ2:解除通知書の作成
- ステップ3:内容証明郵便または書留で通知書を送付
- ステップ4:不動産会社から受領の連絡を確認
- ステップ5:鍵や販売図面など預けた資料の返却を依頼
- ステップ6:実費精算がある場合は明細の提示を求めて内容を確認
通知書送付から解除完了までの期間は、多くの場合1〜2週間程度です。不動産会社が解除に応じない場合は、後述する北海道宅建協会の相談窓口に連絡することをおすすめします。
解除後に別の不動産会社へ切り替える際の注意点
媒介契約を解除した後は、新しい不動産会社を選んで売却活動を再開する必要があります。空白期間を最小限に抑え、スムーズに移行するためのポイントを押さえましょう。
切り替え時の空白期間を防ぐ方法
売却活動の空白期間が長引くと、物件の市場鮮度が落ちてしまいます。以下の手順で空白を最小限にできます。
- 解除を決断した時点で、次の候補となる不動産会社2〜3社に査定を依頼しておく
- 解除通知の送付と並行して、新しい会社との面談・契約条件の確認を進める
- 前の会社との解除が完了したら、速やかに新しい媒介契約を締結する
- 新しい会社にレインズ再登録を依頼し、ポータルサイトへの掲載も開始してもらう
理想的には空白期間を1週間以内に収めることを目指しましょう。札幌のマンション市場は道内で最も取引件数が多く、空白期間中に購入検討者を逃すリスクがあります。
新しい会社選びで確認すべきポイント
前の会社で不満を感じた経験を踏まえ、次の会社選びでは以下の点を必ず確認してください。
- レインズへの登録スケジュールと業務報告の頻度を契約前に明示してもらう
- 広告戦略(ポータルサイト掲載数・写真撮影の質)を具体的に説明してもらう
- 過去1年間のマンション売却実績(件数・平均売却期間)を確認する
- 担当者の対応スピードや連絡の取りやすさを査定段階で見極める
札幌圏では全国大手と地場密着型の不動産会社が混在しており、それぞれ強みが異なります。大手は広告力とブランド力に優れる一方、地場業者は地域の相場観や地元ネットワークに強みを持つことが多いです。
札幌で媒介契約トラブルを防ぐための相談先と対策
媒介契約の解除に関して不安やトラブルを感じたら、一人で悩まず専門の相談窓口を活用しましょう。札幌圏には無料で相談できる公的な窓口があります。
北海道宅建協会の無料相談窓口の活用法
公益社団法人北海道宅地建物取引業協会では、不動産取引に関する無料相談を受け付けています。
- 相談形式:電話相談・来所相談(予約制)
- 相談内容:媒介契約に関するトラブル、違約金の妥当性、不動産会社の対応への不満など
- 費用:無料
- 対象:北海道内で不動産取引を行う一般消費者
また、国土交通省北海道地方整備局の「不動産業相談窓口」でも、宅建業法に基づく行政指導の相談が可能です。不動産会社の義務違反が疑われる場合は、これらの窓口に事実関係を伝えて助言を受けることをおすすめします。
札幌圏の大手と地場業者で異なる媒介慣行
札幌の不動産市場には、全国展開の大手仲介会社と地場密着型の業者が共存しています。媒介契約の運用にも違いがあることを知っておくと、トラブル予防に役立ちます。
- 大手は媒介契約書の書式が全国統一されており、解除手続きもマニュアル化されていることが多い
- 地場業者は柔軟な対応が可能な反面、契約条件が口頭ベースになりやすいケースもある
- 道内の不動産取引件数は年間約4万件(2025年実績)で、そのうち札幌圏が約65%を占める
どちらに依頼する場合でも、媒介契約書の内容を必ず書面で確認し、解除条件・違約金条項の有無を事前に把握しておくことが最善の対策です。
よくある質問
Q: 専任媒介契約は途中で解除できますか?違約金はかかりますか?
A: 専任媒介契約は途中でも解除が可能です。不動産会社にレインズ未登録や業務報告義務違反などの正当な解除事由がある場合、違約金は発生しないのが一般的です。
ただし、不動産会社に義務違反がなく売主都合で途中解除する場合は、広告費や交通費などの実費(目安として5万〜15万円程度)を請求される可能性があります。契約書の違約金条項を事前に確認しておくことが大切です。
Q: 媒介契約の3ヶ月の期間満了前に解除したい場合、どのような手続きが必要ですか?
A: 解除の意思を書面で不動産会社に通知する必要があります。解除通知書に契約日・対象物件・解除理由を記載し、配達証明付き内容証明郵便で送付すると、到達の証拠が残り安心です。
通知書送付から解除完了まで通常1〜2週間程度かかります。並行して次の不動産会社を検討しておくと、売却活動の空白期間を最小限に抑えられます。
Q: 不動産会社が売却活動を怠っている場合、媒介契約を正当に解除できますか?
A: はい、宅建業法第34条の2では、不動産会社にレインズへの登録義務や定期的な業務報告義務が定められています。これらの義務を果たしていない場合は、正当な解除事由として認められます。
具体的には、レインズ登録の怠慢、報告頻度の不足、囲い込み行為などが該当します。解除を申し出る前に、義務違反の証拠(報告メールの記録やレインズ確認ステータスなど)を確保しておくとスムーズです。
Q: 媒介契約を解除して別の不動産会社に変更する際、売却活動に空白期間は生じますか?
A: 事前準備をしっかり行えば、空白期間は1週間以内に抑えることが可能です。解除を決めた段階で次の候補会社2〜3社に査定を依頼し、並行して面談を進めておくことがポイントです。
札幌圏はマンションの取引件数が道内で最も多い市場です。空白期間中に購入検討者を逃さないよう、新しい会社には速やかにレインズ登録とポータルサイト掲載を依頼しましょう。
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