住宅ローン控除を受けている途中で家を売ると、控除はどうなるのか。不安に感じているお客様は多いと思います。
この記事では、控除が止まる時期、これまでの控除を返す必要があるか、3,000万円特別控除とどちらを選ぶかを、計算例を使って結論から解説します。札幌で家の売却を検討している方に向けて、地域の事情もあわせてお伝えします。
先に結論をお伝えします。途中で売却したときの影響は、大きく分けて次の2点です。
住宅ローン控除には「その年の12月31日に住んでいること」という条件があります。これを年末居住要件といいます。
たとえば控除期間13年のうち6年目の夏に売却して引っ越した場合、6年目以降の控除は受けられません。残りの期間の控除がなくなる、という点が最大の影響です。
1年目〜5年目に受けた控除は、売却したからといって返す必要は一般的にありません。控除は各年の要件を満たしていたかで判断されるためです。
| 年 | 12月31日の居住 | 控除 |
|---|---|---|
| 1〜5年目 | 住んでいた | 受けられる(返還不要) |
| 6年目(途中で売却) | 住んでいない | 受けられない |
| 7年目以降 | 住んでいない | 受けられない |
同じ家を売る場合でも、引渡し日や転居日によって受けられる控除額が変わることがあります。売却の時期を決める前に確認しておきたいポイントです。
判断の基準になるのは、売買契約日ではなく「実際に住んでいたか」です。12月に契約しても、年明けに引渡し・転居するなら、その年の12月31日には住んでいることになります。
ただし、転居の実態や住民票の扱いによって判断が分かれる場合もあります。具体的なケースは税務署などで確認することをおすすめします。
年末のローン残高が3,000万円、控除率0.7%のケースで比べてみます。
実際の控除額は所得税・住民税の納税額が上限になります。買主の希望や住み替え先の入居時期とあわせて調整しましょう。売却の流れと費用は売却の方法と費用の全体像でまとめています。
買い替えのときに見落とされやすいのが、この2つの制度の関係です。一般的に、両方を同時に使うことはできません。
3,000万円特別控除は、自宅を売って出た利益(譲渡益)から最大3,000万円を差し引ける制度です。新居で住宅ローン控除を受けるなら、旧居でこの特例は使えないルールになっています。
対象になる期間は、新居に入居した年と、その前2年・後3年の合計6年間が一般的です。この期間内に旧居を売った場合が該当します。
先に新居で住宅ローン控除を受けていて、その後に旧居を売って3,000万円特別控除を使うと、受けた控除を取り消す修正申告が必要になる場合があります。
どちらが有利かは、旧居の譲渡益と新居の控除額を比べて考えます。次の例をご覧ください(所有5年超、税率は約20%で計算)。
| ケース | 3,000万円控除で減る税金 | 新居の控除(13年の目安) | 有利な方 |
|---|---|---|---|
| 譲渡益2,000万円 | 約406万円 | 約255万円 | 3,000万円控除 |
| 譲渡益500万円 | 約101万円 | 約255万円 | 住宅ローン控除 |
新居の控除は、平均残高2,800万円×0.7%×13年で試算しています。実際の金額は条件で大きく変わるため、税理士への確認をおすすめします。
家を買ったときより安く売れて損が出た場合でも、税負担を減らせる特例があります。こちらは新居の住宅ローン控除と併用できる点が特徴です。
自宅の売却損を給与所得などと相殺できる制度です。その年に引ききれない損失は、翌年以降最長3年間繰り越せます。
たとえば売却損が600万円で、年収から計算した所得が500万円なら、その年は所得税がほぼかからず、残りの100万円は翌年に繰り越せます。
主な条件は次のとおりです。手順として順番に確認していきましょう。
新居を買わない場合でも、ローン残高が売却価格を上回るときに使える別の特例があります。適用できるかは、多くの場合、書類をそろえて税務署で確認するのが確実です。
札幌は道内外への転勤が多い街です。転勤が決まったとき、売るか貸すかで住宅ローン控除への影響が変わります。
単身赴任で家族が住み続けるなら、控除は一般的に継続できます。家族ごと引っ越して家を貸す場合、貸している間は控除の対象外になります。
転勤から戻って再入居すると、残りの期間について控除を再び受けられる可能性があります。ただし再入居した年に賃貸していた場合は、その翌年からの適用になるのが一般的です。
札幌では12月〜2月は雪の影響で引越しや内覧が減る傾向があります。一方、3月前後は転勤シーズンで、購入希望者が増えやすい時期です。
秋に売り出して年明けに引渡しをすれば、その年の控除を受けつつ、春の需要にも間に合わせやすくなります。地下鉄沿線の中古マンションは、2016年頃と比べて2割〜4割程度上昇したエリアも見られ、売却を前向きに検討しやすい状況です。
価格は駅からの距離や築年数で差が出ます。札幌のマンション売却のページもあわせてご覧ください。
最後に、売却を決める前に整理しておきたい項目をチェックリストにまとめました。数字を一覧にすると、判断がしやすくなります。
本記事は一般的な制度の解説であり、個別の税務判断ではありません。実際の適用は、税理士や所轄の税務署にご確認ください。
当社では、札幌・道内の市場動向をもとに、売り出し時期や引渡し日の調整をご提案しています。売却時期の無料相談・査定からお気軽にご相談ください。
A: 一般的に、これまでに受けた控除を返す必要はありません。控除は各年の要件を満たしていたかで判断されます。
ただし、買い替えで旧居に3,000万円特別控除を使う場合は、新居の控除で修正申告が必要になることがあるため、税務署などでご確認ください。
A: 12月31日に住んでいることが条件のため、年の途中で引っ越した場合は、多くの場合その年から対象外になります。
引渡しと転居を翌年1月にずらせば、その年の控除を受けられる可能性があります。
A: 原則として併用はできません。新居に入居した年とその前2年・後3年の期間が対象になるのが一般的です。
譲渡益と控除額を比べて有利な方を選ぶ必要があるため、税理士への相談をおすすめします。
A: 家族ごと転居して貸している間は、一般的に控除の対象外になります。
転勤から戻って再入居すれば、条件次第で残りの期間の控除を再び受けられる可能性があります。
同じテーマの記事