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2026/05/21

コラム

不動産売却の登記費用を完全解説|内訳と計算方法

不動産売却の登記費用を完全解説|内訳と計算方法

不動産売却では、売買代金のほかに「登記費用」が必ず発生します。この費用を事前に把握していないと、決済日に想定外の出費となるケースがあります。

 

 

本記事では、登記の種類・費用の内訳・登録免許税の自己計算ステップ・司法書士選定の実務ポイントまでを一気通貫で解説します。読み終えると、お客様ご自身で概算見積もりが立てられる内容です。

 

 

 

不動産売却で発生する登記の種類と役割

 

不動産売却には複数の登記手続きが伴います。それぞれ発生するタイミングが異なるため、売却フェーズ別に整理しておくことが重要です。

 

 

 

抵当権抹消・所有権移転・住所変更登記の違い

 

売却に関わる主な登記は3種類あります。それぞれの役割を確認しましょう。

  • 抵当権抹消登記:住宅ローン残債を完済した後、金融機関が設定していた担保(抵当権)を消す手続きです。売主負担が慣行です。
  • 所有権移転登記:売主から買主へ所有権を移す手続きです。費用は買主負担が一般的ですが、実務では交渉の余地があります。
  • 住所変更登記:登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。売主が引越し後に手続きを怠っていると別途費用が発生します。

これら3種類を混同すると「誰がいくら払うのか」が曖昧になります。契約前に不動産会社や司法書士と内訳を確認しておきましょう。

 

 

 

売却フェーズ別:どの登記をいつ行うか

 

登記は「一度にまとめて行う」ものではなく、売却の進行に合わせて段階的に発生します。以下のフローで把握してください。

  • 契約前(事前準備):住所変更登記の要否を確認。登記簿謄本と現住所が一致しているかチェックします。
  • 決済日当日:抵当権抹消登記と所有権移転登記を同日に申請するのが通常の流れです。司法書士が金融機関・売主・買主の書類を一括で確認した上で申請します。
  • 申請後1〜2週間:法務局での審査を経て登記が完了します。登記識別情報(権利証に相当する書類)が買主に交付されます。

決済日に複数の登記が集中するため、司法書士への委任と費用の事前確認が欠かせません。売却の方法と費用についても合わせてご確認ください。

 

 

 

登記費用の内訳:登録免許税と司法書士報酬

 

登記費用は大きく「登録免許税(国に納める税金)」と「司法書士報酬(手続き代行の手数料)」の2種類に分かれます。この2つを混同すると見積もりが不正確になります。

 

 

 

登録免許税の種類別税率一覧

 

登録免許税は登記の種類ごとに税率が定められています。

  • 抵当権抹消登記:不動産1筆(ひとふで)につき1,000円。土地と建物が別々の場合は合計2,000円。
  • 所有権移転登記(売買):固定資産税評価額の2.0%(2026年3月31日時点の税率)。
  • 住所変更登記:不動産1筆につき1,000円(2025年4月以降の改正後税率)。

抵当権抹消は定額なのに対し、所有権移転は評価額に連動するため物件価格によって大きく変わります。

 

 

 

司法書士報酬の相場と変動要因

 

司法書士報酬は自由報酬制であり、事務所ごとに設定が異なります。札幌市内の相場感として参考にしてください。

  • 抵当権抹消登記1〜2万円前後(件数・複雑さによる)
  • 所有権移転登記5〜10万円前後(評価額・物件種別による)
  • 住所変更登記1〜2万円前後

複数の登記を一度に依頼すると合算で割引になるケースもあります。決済時に複数手続きをまとめて依頼する場合は、事前に見積もりを取ることをお勧めします。

 

 

 

登録免許税を自分で計算する手順

 

固定資産税評価額が分かれば、登録免許税は自分で試算できます。固定資産税の納税通知書または役所で取得できる「固定資産評価証明書」に記載されている評価額を使います。

 

 

 

固定資産税評価額から税額を求めるステップ

  • ステップ1:固定資産税評価証明書または納税通知書を用意し、土地・建物それぞれの「価格(評価額)」を確認します。
  • ステップ2:所有権移転登記の場合は「土地の評価額+建物の評価額」を合算します。
  • ステップ3:合算した評価額に2.0%を掛けると登録免許税額が算出されます。
  • ステップ4:抵当権抹消は筆数×1,000円を別途加算します。

評価額は時価(売買価格)とは異なります。一般的に評価額は時価の60〜70%程度とされていますが、物件や地域によって異なります。

 

 

 

実例:評価額2,000万円のマンションで試算

 

具体的な数字で確認してみましょう。

  • 物件:地下鉄沿線の中古マンション(土地評価額800万円+建物評価額1,200万円=合計2,000万円)
  • 所有権移転登記の登録免許税:2,000万円×2.0%=40万円
  • 抵当権抹消登記の登録免許税:土地1筆・建物1筆の場合=2,000円
  • 司法書士報酬(目安):抹消1.5万円+移転7万円=約8.5万円
  • 合計概算約48〜50万円

この試算はあくまで目安です。実際の評価額・筆数・司法書士報酬によって変動します。マンション売却の詳細はこちらでも費用の目安を紹介しています。

 

 

 

売主・買主の費用負担の区分

 

「どの登記費用を誰が払うのか」は慣行と交渉の両面があります。実務上のルールを正確に理解しておきましょう。

 

 

 

売主が必ず負担する費用

 

以下の費用は売主が負担するのが実務上の慣行です。

  • 抵当権抹消登記費用(登録免許税+司法書士報酬):住宅ローンが残っている場合、ローン完済後に金融機関から「抹消書類」を受け取り、司法書士に委任して申請します。費用は売主が全額負担します。
  • 住所変更登記費用:登記上の住所が現住所と異なる場合、売主側の問題であるため売主負担が原則です。

抵当権抹消のタイミングは決済日当日が一般的です。ローン残高の確認と抹消書類の準備は、売却活動と並行して早めに金融機関へ問い合わせておくことをお勧めします。

 

 

 

買主負担が慣行の費用と交渉可能な費用

  • 所有権移転登記費用:買主負担が慣行です。しかし市場環境によっては売主負担で折り合う交渉ケースもあります。
  • 買主側の抵当権設定登記:買主が住宅ローンを利用する場合、銀行が抵当権を設定する登記費用は買主負担です。この部分は売主に関係しません。

交渉の余地があるとはいえ、慣行から外れた負担を求めると買主が離れるリスクもあります。不動産会社と相談しながら条件を整えることが大切です。

 

 

 

司法書士に依頼する場合とセルフ登記の比較

 

登記申請は法律上、本人が行うことも可能です。しかし実務上は「セルフ登記で対応できる場面」と「必ず司法書士に委任しなければならない場面」が明確に分かれています。

 

 

 

司法書士委任のメリットとコスト

  • 書類作成・申請を一括代行:決済日当日に金融機関・売主・買主の書類確認から申請まで司法書士がまとめて対応します。
  • リスク管理:記載ミスによる登記却下や二重売買リスクを防ぎます。不動産売却はほぼ例外なく司法書士が関与します。
  • コスト感:抵当権抹消+所有権移転をまとめて依頼した場合、合計8〜15万円が札幌市内の目安です。

 

 

 

セルフ登記の手順・難易度と現実的なリスク

 

法務局への登記申請は本人申請が可能ですが、実務上は以下の制約があります。

  • 買主がローンを利用する場合は委任が必須:金融機関は融資の条件として「指定司法書士による登記」を求めます。現金購入のケースを除き、セルフ登記は現実的ではありません。
  • 書類の複雑さ:登記原因証明情報・登記識別情報・印鑑証明書など多数の書類を正確に準備する必要があり、誤りがあると却下されます。
  • 法務局への出頭負担:平日昼間に札幌法務局(本局・支局)へ出向く必要があります。

費用節約のためにセルフ登記を検討される場合は、買主のローン利用有無を必ず確認してください。無料査定・お問い合わせで個別状況の相談も受け付けています。

 

 

 

札幌で不動産売却する際の登記費用の実態

 

札幌・道内の不動産売却には、他の地域と異なる費用増加要因があります。特に相続物件や空き家案件では登記費用が想定より膨らむケースがあります。

 

 

 

札幌法務局への申請窓口と手続きの流れ

 

北海道内の不動産登記は、物件所在地を管轄する法務局に申請します。札幌市内の物件は主に以下を利用します。

  • 札幌法務局(本局):市街地エリアの物件を管轄。窓口受付は平日8:30〜17:15です。
  • 支局・出張所:JR沿線郊外エリアの物件は管轄が異なる場合があります。事前に管轄確認が必要です。
  • オンライン申請:司法書士はオンライン申請システムを利用するため、本局への出頭が不要なケースも増えています。

 

 

 

相続物件・空き家で増加する登記費用パターン

 

道内では相続物件や空き家の売却案件が年々増加しています。こうした物件では通常の売却より登記費用が増加します。

  • 相続登記(名義変更)費用:2024年4月から相続登記が義務化されました。未登記の相続物件は売却前に名義変更が必要で、5〜15万円程度の追加費用が発生します。
  • 数次相続案件:複数世代にわたって相続登記が未了の場合、手続きが複雑になり費用が20万円以上になることもあります。
  • 空き家の住所変更登記:長年放置した空き家は住所変更未了のケースが多く、売却前に別途対応が必要です。

道内の相続・空き家売却を検討されている場合は、早めに登記状況を確認することが費用を抑えるポイントです。相続物件の売却についてもご参照ください。

 

 

 

登記費用を抑えるための実践的なポイント

 

登録免許税は法定税率のため節約できませんが、司法書士報酬は事務所によって差があります。適切な選定と見積もり比較で費用を適正化できます。

 

 

 

司法書士を適切に選ぶ3つの確認事項

  • 不動産売却の実績件数:決済業務に慣れた事務所は手続きがスムーズです。年間50件以上の実績がある事務所を目安にしましょう。
  • 報酬の明細開示:「一式〇〇円」ではなく、登録免許税・報酬・その他実費を分けて提示してもらえる事務所が信頼できます。
  • 金融機関との連携実績:抵当権抹消は金融機関との連携が必要です。主要銀行との取引実績がある事務所だと手続きが円滑に進みます。

 

 

 

見積もり比較と費用交渉の進め方

 

司法書士報酬は交渉が可能な場合があります。ただし過度な値引き交渉は断られるケースもあるため、複数事務所の見積もりを比較した上で依頼先を決めるのが実務的な方法です。

  • 2〜3社から見積もりを取る:同条件(物件概要・筆数・手続き内容)を伝えて比較します。
  • 不動産会社の紹介を活用する:売却を依頼した不動産会社が提携司法書士を紹介してくれるケースがほとんどです。相場感のある事務所を紹介してもらえます。
  • まとめて依頼で割引確認:抵当権抹消・所有権移転・住所変更を一括で依頼すると、合算割引を提示してくれる事務所もあります。

弊社では売却のご相談と合わせて、信頼できる司法書士のご紹介も行っています。登記費用の見通しも含めてご相談ください。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 不動産売却で売主が必ず支払う登記費用はどれですか?

 

A: 売主が負担するのは抵当権抹消登記費用(登録免許税+司法書士報酬)と、登記上の住所が現住所と異なる場合の住所変更登記費用です。

 

 

所有権移転登記は買主負担が慣行ですが、交渉によって変わることがあります。事前に担当者と費用分担の確認をしておくと安心です。

 

 

 

Q: 抵当権抹消登記の費用は誰が払うのが一般的ですか?

 

A: 売主負担が実務上の慣行です。住宅ローンを完済した後、金融機関から抹消に必要な書類(解除証書・代理権限証書など)を受け取り、司法書士に委任して申請します。

 

 

費用の目安は登録免許税(筆数×1,000円)+司法書士報酬(1〜2万円程度)です。ローン完済のタイミングと書類準備は、売却活動と並行して早めに金融機関に確認しましょう。

 

 

 

Q: 登録免許税は固定資産税評価額のいくら分ですか?計算方法を教えてください。

 

A: 所有権移転登記(売買)の場合は固定資産税評価額の2.0%です。たとえば評価額が2,000万円なら登録免許税は40万円になります。

 

 

抵当権抹消登記は不動産1筆につき1,000円の定額です。固定資産税評価証明書または納税通知書の「価格」欄を確認し、計算式(評価額×2.0%)に当てはめることでお客様ご自身でも試算できます。

 

 

 

Q: 司法書士に頼まず自分で登記申請できますか?リスクはありますか?

 

A: 法律上は本人申請が可能ですが、買主が住宅ローンを利用する場合は金融機関指定の司法書士への委任が必須となるため、現実的にセルフ登記できるのは買主が現金購入のケースに限られます。

 

 

セルフ登記を試みる場合も、書類の不備による申請却下や手続きの遅延リスクがあります。決済日当日に登記が完了しないと買主・金融機関への影響が生じるため、専門家への委任を強くお勧めします。

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