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2026/07/05

コラム

不動産の売却・贈与・相続どちらが得か徹底比較

不動産の売却・贈与・相続どちらが得か徹底比較

「親から不動産を受け継ぐなら、売却・贈与・相続のどれが一番得なのか」。札幌で不動産の承継についてお悩みのお客様から、当社にも多くのご相談が寄せられます。

 

 

結論から申し上げると、不動産の評価額・所有期間・エリアの地価動向によって最適な選択肢は変わります。本記事では、評価額2,000万円の具体的な税額シミュレーションと2026年時点の最新法改正を踏まえ、どちらが得かを徹底的に比較します。

 

 

 

売却・贈与・相続の違いを整理する

 

まずは3つの選択肢の基本的な仕組みと、それぞれで発生する税金の種類を把握しましょう。

 

 

 

3つの選択肢の基本的な仕組み

 

不動産の承継方法は大きく分けて3パターンあります。それぞれの特徴を正確に理解することが、損をしない判断の第一歩です。

  • 売却:不動産を第三者に売り、現金化する方法。売主に譲渡所得税が課税される
  • 贈与:生前に家族へ無償で名義を移す方法。受け取った側に贈与税が課税される
  • 相続:所有者が亡くなった後に法定相続人が引き継ぐ方法。相続人に相続税が課税される

 

 

 

それぞれで発生する税金の種類

 

3つの方法で課税される税金は以下のように異なります。税率・控除額の違いが「どちらが得か」を左右する最大のポイントです。

  • 売却時:譲渡所得税(所得税+住民税)。所有期間5年超なら税率約20.315%、5年以下なら約39.63%
  • 贈与時:贈与税。基礎控除は年間110万円のみ。税率は10%〜55%の累進課税
  • 相続時:相続税。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人数。税率は10%〜55%

一般的に、基礎控除が大きい相続のほうが税負担は軽くなるケースが多いとされています。ただし、不動産の評価額や相続財産の総額によって結果は大きく変わります。

 

 

 

評価額2,000万円で比較する税額シミュレーション

 

ここからは、評価額2,000万円の不動産を例に、3パターンの税額を具体的に試算します。

 

 

 

売却した場合の譲渡所得税の試算

 

取得費が1,000万円、譲渡費用(仲介手数料等)が約72万円、所有期間が5年超と仮定します。

 

 

譲渡所得は「2,000万円−1,000万円−72万円=928万円」です。長期譲渡所得の税率20.315%を掛けると、税額は約188万円となります。

 

 

ただし、マイホームの売却であれば3,000万円特別控除が適用され、この例では税額がゼロになる可能性もあります。居住用かどうかで結果が大きく変わる点にご注意ください。

 

 

売却にかかる費用の詳細はこちら

 

 

 

贈与した場合の贈与税の試算

 

不動産を生前贈与する場合、路線価による評価額が課税基準となります。仮に路線価評価額が1,600万円とすると、基礎控除110万円を差し引いた1,490万円が課税対象です。

 

 

一般贈与の税率表に当てはめると、税額は約450万円前後になります。贈与税は3つの中で最も税率が高く、まとまった不動産を一括で贈与すると負担が重くなりがちです。

 

 

なお、相続時精算課税制度を選択すれば累計2,500万円まで贈与税が非課税になりますが、相続発生時に精算されるため、実質的には相続税の前払いに近い仕組みです。

 

 

 

相続した場合の相続税の試算

 

相続の場合、不動産は路線価で評価され、さらに小規模宅地等の特例が適用されると評価額が最大80%減額されます。

 

 

仮に路線価評価額1,600万円に特例が適用されると、課税評価額は320万円まで圧縮されます。法定相続人が1人でも基礎控除は3,600万円あるため、この不動産だけであれば相続税はゼロになるケースが多いです。

 

 

このシミュレーションから、一般的には「相続>売却>贈与」の順に税負担が軽い傾向が見て取れます。ただし、相続財産の総額が基礎控除を大幅に超える場合や、早期の現金化が必要な場合は、売却が最適解となることもあります。

 

 

 

2024年以降の法改正が判断に与える影響

 

近年の法改正は、不動産の承継判断に大きな影響を及ぼしています。2026年現在の最新制度を正確に押さえておきましょう。

 

 

 

相続登記義務化で変わったこと

 

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料の対象となります。

 

 

これまで「いずれ売却するから」と登記を後回しにしていたケースも多くありましたが、売却する場合でも先に相続登記を完了させる必要があります。登記費用として登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)や司法書士報酬(一般的に5万〜10万円程度)がかかる点も考慮が必要です。

 

 

 

生前贈与加算の7年延長と暦年贈与の注意点

 

2024年1月以降の贈与から、相続開始前の生前贈与加算期間が従来の3年から7年に延長されました。

 

 

つまり、相続発生前7年以内に贈与した財産は相続財産に持ち戻され、相続税の対象になります。「節税のために早めに贈与しておこう」という従来の対策は、より早い段階から計画的に進める必要が出てきました。

 

 

暦年贈与の基礎控除110万円は引き続き有効ですが、不動産のように高額な資産を一括で贈与する場面では効果が限定的です。相続時精算課税制度には2024年から年間110万円の基礎控除が新設されており、制度選択は慎重に行うことをおすすめします。

 

 

 

売却が有利なケース・相続が有利なケース

 

ここでは、お客様ご自身の状況に当てはめて判断できるフレームワークをご紹介します。

 

 

 

今すぐ売却を検討すべき状況

 

以下のような状況に当てはまる場合は、売却が有利になるケースが多いです。

  • 相続人が複数いて分割が難しい:不動産は現物分割が困難なため、売却して現金化し均等に分けるほうがトラブルを防げる
  • 空き家の維持費が負担:固定資産税・管理費・修繕費が年間30万〜50万円かかるケースもあり、早期売却で損失を止められる
  • 地価が上昇しているエリア:売却益を確定できるタイミングを逃すと、将来の下落リスクを抱えることになる
  • 居住用財産の3,000万円特別控除が使える:マイホームであれば譲渡所得税が大幅に軽減される

 

 

 

相続まで保有したほうが得になる状況

 

一方、以下のケースでは急いで売却せず相続を待つ判断が合理的です。

  • 相続財産の総額が基礎控除内に収まる:相続税がゼロとなり、最もコストを抑えられる
  • 小規模宅地等の特例が適用できる:評価額が最大80%減額され、税負担が大幅に下がる
  • 賃貸収入を得ている:安定したキャッシュフローがある物件は保有し続ける経済合理性がある
  • 取得費が不明で譲渡所得税が高額になる:取得費不明の場合、売却額の5%しか取得費として認められず税負担が重い

相続物件の売却についてはこちら

 

 

 

札幌の地価動向から考える最適なタイミング

 

札幌の不動産市場は、エリアによって価格トレンドが大きく異なります。地価動向を踏まえた判断が、損得を分ける重要な要素です。

 

 

 

地下鉄沿線と郊外で異なる価格トレンド

 

北海道の2026年地価公示では、札幌市の住宅地は全体として上昇傾向が続いています。特に地下鉄沿線や市街地エリアでは、前年比3〜5%の上昇が見られるエリアもあります。

 

 

一方、JR沿線の郊外エリアや市街地から離れた住宅地では横ばい、あるいは微減となっている地域もあります。道内全体で見ると、札幌への人口集中が続く中で、郊外の住宅需要は伸び悩んでいるのが実情です。

 

 

 

地価上昇エリアなら売却、下落エリアなら相続保有の考え方

 

地下鉄沿線など地価上昇エリアに不動産をお持ちの場合、今の高値で売却して現金化するメリットがあります。今後の金利動向や景気変動による下落リスクを考えると、上昇局面での売却は合理的な選択肢です。

 

 

逆に、郊外で地価が横ばい〜下落傾向のエリアでは、売却しても十分な利益が見込めない場合があります。このようなケースでは相続まで保有し、小規模宅地等の特例を活用して税負担を抑えるほうが得になることが多いです。

 

 

札幌の地価動向は毎年変化するため、北海道の最新の地価公示データを確認したうえで判断されることをおすすめします。

 

 

 

手続きの流れと必要書類の比較

 

3つの方法は手続きの流れや必要書類も異なります。事前に把握しておくことで、スムーズに進められます。

 

 

 

売却の流れと必要書類

  • 査定依頼:不動産会社に査定を依頼し、売却価格の目安を把握する
  • 媒介契約:不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始する
  • 売買契約・決済:買主と売買契約を締結し、決済・引き渡しを行う
  • 確定申告:売却の翌年に譲渡所得の確定申告を行う

必要書類は、登記識別情報(権利証)・固定資産税納税通知書・本人確認書類・印鑑証明書などです。相続物件の場合は、事前に相続登記を済ませておく必要があります。

 

 

 

贈与・相続の名義変更手続き

 

贈与の場合は、贈与契約書を作成し、法務局で所有権移転登記を申請します。翌年の2月1日〜3月15日の間に贈与税の申告・納付が必要です。

 

 

相続の場合は、遺産分割協議書(または遺言書)をもとに相続登記を申請します。相続税の申告期限は、相続開始を知った日から10ヶ月以内です。

 

 

空き家の売却手続きについて

 

 

 

よくある失敗事例と後悔しないためのポイント

 

当社にご相談いただくお客様の中にも、判断を誤って後悔されたケースがあります。代表的な失敗事例を知っておくことで、同じ過ちを避けられます。

 

 

 

贈与と相続で見落としがちな落とし穴

  • 安易な生前贈与で高額な贈与税が発生:相続のほうが基礎控除が大きいにもかかわらず、「早めに渡しておきたい」と贈与し、数百万円の税金を払ったケース
  • 相続登記を放置して売却できなくなった:義務化を知らず登記を怠った結果、売却時に名義変更で時間と費用がかかり、買主を逃してしまったケース
  • 共有名義のまま相続して売却が困難に:相続人全員の合意が取れず、何年も売却できない状態が続くケース
  • 特例の適用要件を満たせなかった:小規模宅地等の特例の居住要件を知らず、引っ越し後に相続して減額を受けられなかったケース

 

 

 

専門家に相談すべきタイミング

 

不動産の売却・贈与・相続の判断は、税制・法律・不動産市場の3つの専門知識が必要です。特に相続財産が5,000万円を超える場合や、相続人が複数いる場合は、税理士・司法書士・不動産会社に早めに相談されることをおすすめします。

 

 

当社では札幌の不動産市場に精通したスタッフが、お客様の状況に合わせた最適な選択肢をご提案しております。売却すべきか、相続まで待つべきか迷われている方は、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

まずは無料査定でご相談ください

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 親から不動産を贈与されるのと相続するのでは税金はどちらが安くなりますか?

 

A: 一般的には相続のほうが有利です。相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人数と大きく、さらに小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減額できます。

 

 

一方、贈与税の基礎控除は年間110万円しかなく、不動産のような高額資産を一括で贈与すると税率が高くなります。ただし、相続財産の総額や家族構成によって結果は異なるため、個別の試算をおすすめします。

 

 

 

Q: 相続した不動産を売却する場合、相続税と譲渡所得税の二重課税になりませんか?

 

A: 相続税と譲渡所得税はそれぞれ別の課税ですが、二重課税を軽減する「相続税の取得費加算特例」があります。相続開始から3年10ヶ月以内に売却すれば、支払った相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得税を軽減できます。

 

 

この特例を活用すれば、実質的な税負担を抑えることが可能です。適用には期限があるため、売却を検討されている方は早めにご相談ください。

 

 

 

Q: 2024年から相続登記が義務化されましたが、売却予定でも登記は必要ですか?

 

A: はい、売却予定であっても相続登記は必要です。2024年4月の義務化により、相続を知った日から3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料の対象になります。

 

 

また、相続登記が完了していない不動産は売買契約を結ぶことができません。売却をお考えの場合は、まず相続登記を完了させてから売却手続きに進む流れになります。

 

 

 

Q: 札幌の不動産を生前贈与する場合、路線価と実勢価格のどちらで評価されますか?

 

A: 贈与税の算定では、原則として路線価(相続税路線価)が評価基準となります。路線価は一般的に実勢価格(時価)の約80%程度に設定されているため、実勢価格よりも低い評価額で計算されることが多いです。

 

 

ただし、札幌の地下鉄沿線など地価上昇が著しいエリアでは、路線価と実勢価格の乖離が大きくなる場合があります。極端な乖離がある場合は税務署から指摘を受ける可能性もあるため、事前に税理士へ確認されることをおすすめします。

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