「定期借家契約の入居者がいるけれど、マンションを売却できるのだろうか」とお悩みではありませんか。
結論から申し上げると、定期借家契約中でもマンションの売却は可能です。ただし、契約の残存期間や売却方法によって手取り額が大きく変わります。
この記事では、定期借家付きマンションの売却方法について、残存期間別の価格影響やオーナーチェンジと空室売却の比較、投資家目線の利回り基準まで具体的な数値を交えて解説します。札幌で不動産売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
定期借家契約中のマンションでも、法律上は問題なく売却できます。まずは定期借家契約の基本と売却が可能な理由を確認しましょう。
定期借家契約と普通借家契約には、大きな違いがあります。以下の点を押さえておきましょう。
この「更新がない」という特徴が、売却時に大きなメリットとなります。契約満了後は入居者が退去するため、将来的に空室での売却も視野に入れられるのです。
不動産の所有権と賃借権は別の権利です。所有者が物件を売却しても、入居者の賃借権はそのまま買主に引き継がれます。
これは借地借家法に基づくルールであり、入居者の同意がなくても所有権の移転は可能です。売買契約において、賃貸借契約の地位承継を明記することで法的にも問題なく手続きが進みます。
つまり、入居者に退去を求める必要はなく、賃貸借契約が継続したまま売却する「オーナーチェンジ」という方法が取れるのです。
定期借家付きマンションの売却価格は、契約の残存期間によって大きく変動します。残存期間別の価格差イメージを具体的に見ていきましょう。
空室時の売却価格を100%とした場合、定期借家付きマンションの売却価格は一般的に以下のような目安になります。
たとえば空室時に2,500万円で売却できるマンションの場合、残存期間1年なら約2,250万〜2,375万円、残存期間5年なら約1,875万〜2,125万円が目安です。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、物件の立地や賃料水準によって差が出ます。
残存期間が1年以内の場合、実需層(自分で住みたい買主)も購入候補に入ってきます。これにより買主の間口が広がり、価格交渉が有利に進むケースが多くなります。
一方、残存期間が2年以上ある場合は、投資家が主な買主層となります。投資家は利回りを基準に価格を判断するため、賃料と物件価格のバランスが売却価格を左右します。
そのため、契約満了まで1年を切ったタイミングで売却活動を始めるのも有効な戦略の一つです。
定期借家付きマンションの売却では、「オーナーチェンジ」と「退去後の空室売却」のどちらを選ぶかが大きな判断ポイントです。それぞれの手取り額を比較してみましょう。
オーナーチェンジ売却とは、入居者がいる状態のまま物件を売却する方法です。主なメリットは以下の通りです。
売却にかかる仲介手数料や登記費用などの諸費用は、一般的に売却価格の約4〜6%が目安です。売却方法ごとの費用の詳細はこちらをご確認ください。
契約満了後に入居者が退去してから売却すると、実需層にも販売できるため価格が上がる傾向にあります。具体的なシミュレーションで比較してみましょう。
【想定条件】空室時の相場価格2,000万円、月額賃料7万円、残存期間2年のマンション
このように、退去後売却のほうが手取り額は高くなる傾向がありますが、退去までの期間コストや市場変動リスクも考慮する必要があります。残存期間が短い場合は退去を待つメリットが大きく、長い場合はオーナーチェンジが現実的な選択肢といえます。
定期借家付きマンションのオーナーチェンジ売却では、買主の多くが不動産投資家です。投資家がどのような基準で物件を判断するかを知ることで、売却戦略に活かせます。
投資家が物件を評価する際に重視するのが利回りです。2026年現在、札幌のマンション投資における利回りの目安は以下の通りです。
たとえば月額賃料7万円のマンションであれば、年間賃料84万円。表面利回り7%を基準にすると、投資家の想定購入価格は約1,200万円になります。
売却価格を設定する際は、このような投資家目線の計算を踏まえておくと、価格交渉がスムーズに進みます。収益物件の売却についてはこちらもあわせてご覧ください。
利回りの数字だけでなく、投資家は以下の賃貸条件も重視します。
これらの情報を売却時の資料として整理しておくと、投資家への訴求力が高まります。
札幌には北海道特有の賃貸需要の波があります。売却のタイミングを適切に選ぶことで、より有利な条件での売却が期待できます。
札幌の不動産投資市場では、地下鉄沿線やJR沿線の物件に安定した需要があります。
特に地下鉄東西線・南北線沿線の市街地エリアは、単身者やファミリー層の賃貸需要が高く、空室リスクが低い地域です。このようなエリアの定期借家付きマンションは、道内外の投資家から一定の引き合いがあります。
一方、JR沿線でも駅から徒歩10分圏内の物件は投資対象として人気があります。札幌の不動産市場は2026年現在も堅調に推移しており、利回りが確保できる物件には投資家の関心が集まっています。
北海道では、4月と10月が主な転勤シーズンです。この時期を意識した売却戦略が有効です。
売却活動から成約までは平均で3〜6ヶ月かかるため、目標の売却時期から逆算してスケジュールを組むことが重要です。
定期借家付きマンションの売却をスムーズに進めるために、事前に確認しておくべきポイントを整理しました。
これらの書類や情報を整理しておくことで、売却活動がスムーズに進み、買主への説明もスピーディに行えます。マンション売却の基本はこちらもご参照ください。
最後に、定期借家付きマンションの売却を査定から引き渡しまで時系列で整理します。
全体の期間は、売却活動開始から引き渡しまで約3〜6ヶ月が一般的な目安です。定期借家付き物件は買主層が限定されるため、通常の売却よりやや時間がかかる場合があります。
当社では札幌の定期借家付きマンションの売却についても、お客様の状況に合わせた最適な売却プランをご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。無料査定のお問い合わせはこちらからどうぞ。
A: はい、定期借家契約の途中でもマンションの売却は可能です。所有権の移転と賃借権は別の権利であるため、入居者の同意がなくても売買契約を進められます。
買主は既存の定期借家契約をそのまま引き継ぐ形になります。契約書に賃貸借契約の地位承継条項を明記することで、法的にも問題なく手続きが完了します。
A: 一般的には空室時の価格と比べて1〜2割程度低くなる傾向があります。ただし、残存期間が1年以内であれば下落幅は5〜10%程度に収まるケースもあります。
賃料水準や利回り、物件の立地条件によっても変動しますので、正確な価格は個別の査定で確認することをおすすめします。
A: 一般的には空室のほうが高値で売却できます。実需層(自分で住みたい方)も購入候補になるため、買主の間口が広がるからです。
ただし、退去までの待機期間中の管理費・修繕積立金や固定資産税などのコストも発生します。残存期間が長い場合は、オーナーチェンジで早期に売却したほうが、トータルの手取り額で有利になることもあります。
A: 利回りを重視する不動産投資家が中心です。すでに賃料収入がある状態で購入できるため、「即収益物件」として投資家には魅力的に映ります。
特に札幌の地下鉄沿線やJR沿線の物件は、道内外の投資家から安定した需要があります。賃料が相場並みで入居者の属性が良好であれば、売却活動もスムーズに進む傾向があります。