「老後の資金を確保したいが、今のマンションを手放すべきか悩んでいる」というご相談が増えています。選択肢として挙がるのが、マンション売却とリバースモーゲージの2つです。
しかし、リバースモーゲージには「マンションでは利用できない」という大きな制約があることをご存じでしょうか。この記事では、両者の仕組みと違いを7つの項目で比較し、札幌エリアの成約データをもとに最適な判断ができるよう解説します。
まずはリバースモーゲージの基本的な仕組みを押さえておきましょう。制度を正しく理解することで、ご自身に合った選択かどうかを判断できます。
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして金融機関から毎月少額ずつ融資を受ける仕組みです。借入者が亡くなった後に自宅を売却して一括返済する点が、通常の住宅ローンとの大きな違いです。
契約者は自宅に住み続けながら生活資金を受け取れるため、高齢者の老後資金対策として注目されています。ただし、融資額は不動産評価額の50〜70%程度にとどまるのが一般的です。
さらに、変動金利が適用されるケースが多く、長期間の利用では利息負担が膨らむリスクもあります。契約時に想定していた融資枠を使い切る「長生きリスク」も見落とせないポイントです。
リバースモーゲージの最大の注意点は、多くの金融機関が戸建て住宅のみを対象としている点です。マンションが対象外となる理由は、土地の持分が少なく担保評価が低くなりやすいことにあります。
2026年現在、マンションを対象に含む金融機関は全国でも限られており、対象となる場合でも築年数や専有面積に厳しい条件が付きます。一般的には築20年以内・専有面積50㎡以上といった基準が設けられています。
つまり、マンションにお住まいの方がリバースモーゲージを検討しても、そもそも申し込みができないケースが大半なのです。この事実を知らずに検討を進めてしまうと、時間を無駄にしてしまう可能性があります。
マンション売却は、リバースモーゲージと比較して手続きが明確で、手元に残る金額も把握しやすい方法です。ここでは具体的な流れと資金面を整理します。
マンション売却は、以下のステップで進みます。札幌エリアでは査定依頼から成約まで平均3〜6か月が目安です。
当社では札幌市内のマンションについて、最短2週間での買取にも対応しています。急ぎの資金化が必要な場合は、仲介売却と買取の両方を比較検討されることをおすすめします。
売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。諸費用として売却価格の約4〜7%が差し引かれます。主な費用は以下の通りです。
例えば、2,000万円でマンションを売却した場合、諸費用を差し引いた手取り額は約1,860〜1,920万円程度になります。リバースモーゲージの融資上限額(評価額の50〜70%)と比較すると、売却の方が手元に残る金額が大きくなるケースがほとんどです。
費用の詳細は売却の方法と費用の詳細で解説しています。
両者の違いを一覧で整理しました。ご自身の状況に当てはめて確認してみてください。
| 比較項目 | マンション売却 | リバースモーゲージ |
|---|---|---|
| 対象物件 | 全てのマンション | 戸建てが中心(マンション不可が大半) |
| 資金の受取方法 | 一括で受取 | 毎月少額ずつ |
| 手元に残る金額 | 売却価格の93〜96% | 評価額の50〜70%(利息差引後はさらに減少) |
| 住み続けられるか | 退去が必要 | 住み続けられる |
| 住宅ローン残債 | 売却代金で完済可能 | 残債ありは原則利用不可 |
| 相続への影響 | 現金として相続できる | 死後に自宅売却で返済(相続人の負担) |
| 手続き期間 | 約3〜6か月 | 審査に1〜2か月+融資は長期継続 |
この比較から、マンションの場合はそもそもリバースモーゲージが利用できないため、売却が現実的な選択肢となることがわかります。
住宅ローンが残っている場合、リバースモーゲージへの切り替えは原則としてできません。まずローンを完済する必要があり、その資金がなければ申し込み自体が困難です。
一方、売却であれば売却代金でローンを完済し、残りを手元資金にすることが可能です。札幌市内の築20年マンションの場合、残債を差し引いても数百万円の手取りが見込めるケースが多くあります。
ここからは札幌・北海道に特化した情報をお伝えします。地域ごとの事情を把握することで、より具体的な判断が可能になります。
2026年時点で、道内でリバースモーゲージを取り扱う金融機関は数行程度に限られています。全国的にはメガバンクや一部地方銀行が提供していますが、北海道では対応する金融機関が少なく、選択肢が非常に限定的です。
さらに、道内で取り扱いがある場合でも、対象エリアが札幌市内の一部に限定されたり、評価額2,000万円以上の戸建てという条件が付くケースがほとんどです。マンションを対象に含む金融機関は、道内ではほぼ見当たりません。
こうした状況から、北海道にお住まいの方がリバースモーゲージを利用するハードルは全国平均よりもかなり高いのが現実です。
札幌市内のマンション成約価格は、築年数によって大きく異なります。2026年の市場動向を踏まえた目安は以下の通りです。
地下鉄沿線やJR沿線など交通利便性の高いエリアでは、築年数が古くても一定の需要があります。当社でも市街地エリアの築古マンションの買取実績が増加しています。
札幌のマンション売却について詳しくは札幌のマンション売却についてはこちらをご覧ください。
マンションを売却して賃貸住宅へ住み替えるケースが増えています。資金計画の具体例をもとに、現実的なシミュレーションを確認しましょう。
たとえば、築25年・札幌市内のマンションを1,200万円で売却した場合のシミュレーションです。
仮に月額6万円の賃貸に住んだ場合、年間の家賃は72万円です。手元の1,090万円だけでも約15年分の家賃をまかなえる計算になります。
リバースモーゲージで同じマンションを担保にした場合、そもそも対象外となる可能性が高く、仮に利用できたとしても融資上限は評価額の50%程度(約600万円)です。利息を差し引くと実質的に受け取れる金額はさらに少なくなります。
高齢のご家族がマンションにお住まいの場合、判断能力があるうちに家族で話し合っておくことが重要です。認知症が進行してからでは、売却手続きに成年後見制度の利用が必要となり、時間も費用もかかります。
札幌では春(3〜5月)が不動産の需要期にあたり、成約価格が高くなる傾向があります。冬季は内覧件数が減少するため、可能であれば雪解け後の時期を狙うのが有利です。
相続が発生してからの売却は、名義変更や遺産分割協議が必要となり手続きが複雑になります。早めの準備が結果的にご家族全体の負担を軽減します。相続物件の売却については相続物件の売却についてはこちらもご参照ください。
すべての方に売却が最適とは限りません。ご自身の状況に合わせて判断するための基準を整理します。
一方で、以下のような場合は売却以外の選択肢も視野に入れましょう。
判断に迷われる場合は、まず無料査定で現在の市場価格を把握されることをおすすめします。具体的な数字がわかることで、比較検討がしやすくなります。
マンション売却とリバースモーゲージの違いについて解説してきました。最後にポイントを整理します。
マンションにお住まいの方にとって、リバースモーゲージは選択肢として成立しにくいのが現状です。まずはお持ちのマンションがいくらで売れるのかを把握することが、最初の一歩になります。
当社では札幌市内のマンション査定を無料で承っております。お気軽に無料査定・お問い合わせはこちらからご相談ください。
A: 多くの金融機関では戸建て住宅のみを対象としており、マンションは対象外となるケースが大半です。マンションを対象に含む金融機関でも、築年数や専有面積に厳しい条件が設けられています。
特に北海道では取扱金融機関が限られており、マンションでリバースモーゲージを利用できる可能性は非常に低いのが現状です。
A: 一般的には売却の方が手元に残る金額が大きくなります。売却では売却価格の約93〜96%が手取りとなるのに対し、リバースモーゲージは評価額の50〜70%が融資上限で、さらに利息が差し引かれます。
たとえば評価額2,000万円のマンションの場合、売却なら約1,860〜1,920万円の手取りが見込めますが、リバースモーゲージでは総受取額が1,000〜1,400万円程度にとどまるのが一般的です。
A: 住宅ローンの残債がある場合、リバースモーゲージの利用は原則としてできません。金融機関は第一順位の抵当権を求めるため、既存のローンが残っていると審査の対象外となります。
ローン残債がある場合は、まず売却で完済してから次のステップを検討するのが現実的な流れです。
A: 最も重要なのは、ご本人の判断能力があるうちに家族で話し合いを始めることです。認知症が進行すると成年後見制度の利用が必要になり、手続きに時間と費用がかかります。
札幌では春(3〜5月)が不動産の需要期にあたり、冬季より成約価格が高くなる傾向があります。早めに準備を進め、需要期に合わせて売り出すのが有利です。
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