「相続した札幌の実家が事故物件かもしれない」「安い物件を見つけたが事故物件だった」——このどちらの立場でも、最初に知りたいのは何が事故物件にあたるのかとどこまで伝える義務があるのかの2点だと思います。
結論から言うと、「事故物件」という法律用語はありません。不動産の取引で使われるのは「瑕疵(かし)」という言葉で、その中の「心理的瑕疵」にあたるものが、一般に事故物件と呼ばれています。そして告知が必要かどうかは、国が2021年に出した指針で線引きが示されています。
この記事では、事故物件の定義、札幌で見られる2つのタイプ、告知義務の範囲、売るときと買うときの判断を順番に説明します。
不動産の広告や契約書に「事故物件」と書かれることはありません。使われるのは瑕疵(かし)、つまり「その不動産が本来あるべき状態を欠いていること」を指す言葉です。
売主には、知っている瑕疵を買主に伝える義務があります。伝えずに売って後から発覚すると、契約を解除されたり、修理費や損害の賠償を求められたりします。これを契約不適合責任といいます。
「事故物件」と一言で言っても、実際にはこの4つのどれにあたるかで、告知の必要も価格への影響もまったく変わります。
現場で相談を受けるものは、大きく2つに分かれます。
札幌の場合、冬に発見が遅れるケースが本州より起きやすい傾向があります。人の出入りが少なくなり、訪問も減るためです。発見までの期間が長いと特殊清掃やリフォームが必要になり、そのことが告知の対象になります。
こちらは調べれば分かるものが多く、修繕できるかどうか、いくらかかるかで価格が決まります。心理的瑕疵と違って、直せば解消するものも多くあります。
ここが一番よく聞かれるところです。2021年10月に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を出し、それまで曖昧だった線引きが示されました。
これらは、どこの家でも起こりうることとして、原則は告知の対象になりません。
ただし例外があります。自然死であっても、発見が遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが必要になった場合は、告知が必要です。「亡くなった原因」ではなく「その後どうなったか」で判断が変わる、という点に注意してください。
売買に期限がないのは、賃貸と違って「一度買ったら住み続ける」ことが前提だからです。売るときに「もう何年も前のことだから」という理由で伏せるのは通りません。
ガイドラインでも、買主・借主から質問された場合は答えることとされています。「聞かれなければ言わなくていい」という話ではありません。
一律の相場はありません。何があったか、いつのことか、室内かどうか、建物を解体するかどうかで変わります。同じ建物でも、該当する部屋を含めて解体して土地として売る場合と、そのまま売る場合では金額が変わります。
マンションの一室であれば、その部屋が対象になります。戸建てであれば、建物を解体して更地にしたうえで土地として出すという選択肢もあります。どれが一番高く売れるかは、実際に両方の金額を出して比べます。
あとから分かった場合、契約を解除されたり、損害賠償を求められたりします。値引きして済む話ではなくなります。
先に伝えて、その事情を分かったうえで買う方を探すほうが、結果として早く、高く売れます。事情を承知で買う層は確実に存在するからです。
広告を出さずに進める方法もあります。近所に知られたくない、というご希望は最初にお伝えください。
亡くなった方の名義のままでは売れません。先に相続登記を済ませる必要があります(2024年4月から義務になりました)。荷物が残っていても、そのままの状態で査定できます。詳しくは相続した不動産の売却をご覧ください。
使う予定がないまま置いておくと、札幌では冬の凍結と雪で建物の傷みが早く進みます。空き家の売却もあわせてご確認ください。
同じ立地・同じ広さの物件より安く手に入ります。気にしないという方にとっては、条件のいい場所に安く住める機会になります。投資用として買い、賃貸に回す方もいます。
心理的瑕疵があること自体を理由に、住宅ローンが使えなくなるわけではありません。金融機関が見るのは担保としての価値です。ただし、再建築ができない土地や、建物に重大な不具合がある場合は、評価が下がって借りにくくなることがあります。
買ったあと自分が売る番になったとき、同じように伝える義務が残ります。売買には期間の定めがないためです。安く買えた分は、売るときにも同じように効いてくる、と考えておいてください。
重要事項説明書に記載されているかどうかを必ず確認し、記載がなければその場で質問してください。
自然死は原則として告知の対象になりません。ただし発見が遅れて特殊清掃が入った場合は告知が必要です。状況をお聞かせいただければ判断します。
売買には期間の定めがありません。何年経っていても、知っていれば伝えます。賃貸はおおむね3年が目安とされています。
一律の相場はありません。何があったか、いつか、室内かどうか、解体するかどうかで変わります。そのまま売る場合と解体して土地にする場合の両方の金額を出してお見せします。
広告を出さずに進める方法があります。弊社での買取であれば内覧も広告もありません。ご希望を最初にお伝えください。
同じ建物でも、別の部屋であれば通常はその部屋自体の告知対象にはなりません。ただし買主から質問された場合は答えます。
無料です。売ると決めていなくても構いません。
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