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2026/07/16
相続登記義務化で不動産売却はどう変わる?
相続登記義務化で不動産売却はどう変わる?
2024年4月から相続登記が義務化され、不動産の売却についても大きな影響が出ています。「相続した実家を売りたいが、登記はまだ済んでいない」というご相談が、当社にも増えています。
この記事では、相続登記義務化の要点を整理したうえで、不動産売却への具体的な影響と、登記から売却までの実務フローを札幌の事情を交えて解説します。
相続登記義務化とは?制度の要点を整理
まず、2024年4月1日に施行された相続登記義務化の基本を確認しましょう。
義務化の背景と3年以内ルール
全国で所有者不明の土地は約24%にのぼり、公共事業や災害復興の大きな障害となっていました。この問題を解消するため、不動産登記法が改正されています。
改正により、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務が課されました。これは2024年4月1日より前に発生した相続にもさかのぼって適用され、その場合は2027年3月31日が期限となります。
違反した場合の過料について
正当な理由なく期限内に登記を行わなかった場合、10万円以下の過料の対象になります。ただし、施行から2年以上が経過した2026年現在、いきなり過料が科されたケースは多くありません。
法務局はまず自主的な申請を促す方針をとっています。しかし、今後は運用が厳格化される見通しであり、「まだ大丈夫」と放置するのはリスクが高まっている状況です。
相続登記義務化が不動産売却に与える3つの影響
制度の変更は、売却の現場にも直接的な影響を及ぼしています。特に次の3つが重要です。
登記未了物件は買主・金融機関から敬遠される
不動産売却では、売主の登記名義が正しく整っていることが前提です。登記が被相続人(亡くなった方)のままでは、買主は所有権の移転を受けられません。
さらに、買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関は登記の整合性を厳しくチェックします。義務化以降、審査で登記未了を理由に融資が否認される事例も報告されています。
つまり、登記が済んでいない物件は購入希望者の選択肢から外れやすく、売却の機会そのものが失われるリスクがあります。
売却タイミングの遅れが価格下落リスクに直結する
相続登記に時間がかかると、その分だけ売却の開始が遅れます。不動産市場は常に変動しており、1年の遅れで売却価格が5〜10%下落することも珍しくありません。
特に札幌の市街地エリアでは、2026年現在も需給のバランスが変化しつつあります。地価の上昇が続いていたエリアでも、売り時を逃すと価格が頭打ちになる可能性があります。
登記の遅れは、そのまま経済的な損失につながることを認識しておく必要があります。売却の方法と費用の詳細はこちらもあわせてご確認ください。
遺産分割未了のまま放置された不動産はどうなるか
義務化後に増えているのが、遺産分割が決まらないまま不動産が塩漬けになるケースです。
実務で起きているトラブル事例
当社が相談を受けた中にも、次のような事例があります。
- 相続人が道外に散らばっている:兄弟3人のうち2人が本州在住で、話し合いが進まず2年以上放置されていた
- 二次相続が発生:父の相続登記をしないうちに母も亡くなり、相続人が孫世代まで8人に増えた
- 連絡が取れない相続人がいる:数十年前に分籍した親族と音信不通になり、全員の合意が取れない
こうしたケースでは、不在者財産管理人の選任など家庭裁判所の手続きが必要になり、解決までに1年以上かかることもあります。
相続人が複数いる場合の合意形成の進め方
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。まずは戸籍を収集して相続人を確定させることが第一歩です。
話し合いが難航する場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を活用する方法もあります。調停では、調停委員が間に入って合意を促してくれるため、感情的な対立を避けやすくなります。
相続物件の売却について詳しく見るページもご参考にしてください。
相続登記と売却を同時並行で進める具体的フロー
登記が終わってから売却活動を始めるのではなく、並行して進めることで時間を大幅に短縮できます。
司法書士・不動産会社の連携手順
当社では、以下の流れでお客様の相続登記と売却を同時に進めるサポートを行っています。
- ステップ1:無料査定と相続状況のヒアリング:不動産会社に売却相談をしながら、登記の現状を確認する
- ステップ2:司法書士の紹介と登記書類の準備:不動産会社と提携する司法書士が戸籍収集・遺産分割協議書の作成を開始する
- ステップ3:売却活動の先行開始:登記手続きと並行して、物件の販売活動(広告掲載・内見対応)を進める
- ステップ4:登記完了と売買契約の締結:登記が完了次第、買主との売買契約を締結する
- ステップ5:決済・引き渡し:所有権移転登記と代金決済を同日に行う
この方法であれば、登記完了を待ってから動くよりも約2〜3か月の短縮が見込めます。
必要書類の準備と期間の目安
相続登記に必要な主な書類は以下のとおりです。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式
- 相続人全員の戸籍謄本と住民票
- 遺産分割協議書(相続人全員の実印・印鑑証明書が必要)
- 対象不動産の固定資産評価証明書
- 登記申請書
戸籍の収集だけで2〜4週間、遺産分割協議にさらに1〜2か月程度かかるのが一般的です。司法書士への報酬は5万〜15万円が相場で、不動産の数や相続関係の複雑さによって変動します。
札幌で相続登記が問題になりやすいケースと対策
北海道、特に札幌周辺には、相続登記が複雑化しやすい土地事情があります。
広大な土地・共有名義の山林が抱える登記の壁
道内には、先祖代々受け継がれた数千坪規模の山林や原野が少なくありません。こうした土地は数世代にわたって登記が放置され、共有者が数十人に及ぶケースもあります。
山林や原野の場合、農地転用許可は不要ですが、利用目的を変更する際には地目変更登記が必要になります。まずは法務局で登記簿を取得し、現在の名義人と共有持分を確認することが重要です。
札幌法務局では、相続登記に関する相談窓口を設けていますが、義務化以降は予約が取りにくい状況が続いています。予約は2〜3週間先まで埋まっていることが多く、早めの行動が求められます。
積雪寒冷地の空き家放置リスクと固定資産税負担増
札幌は積雪寒冷地であるため、空き家を放置すると屋根の雪下ろしや凍結による水道管破裂など、維持管理の費用が年間20万〜50万円かかることもあります。
さらに、2015年施行の空家等対策特別措置法により、管理不全の空き家は「特定空家」に指定される可能性があります。指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍に増加します。
相続した不動産を売却する予定があるなら、登記と売却を早期に進めることが、こうした負担を避ける最善策です。空き家・空き地の売却はこちらもご覧ください。
相続登記から売却完了までの流れとスケジュール
全体像を把握しておくと、計画的に進めやすくなります。
全体の所要期間と各ステップの目安
- 相続人調査・戸籍収集:2〜4週間
- 遺産分割協議:1〜2か月(相続人間の合意次第)
- 相続登記の申請・完了:申請から約1〜2週間
- 売却活動(広告・内見):1〜3か月
- 売買契約・決済・引き渡し:契約から約1か月
スムーズに進んだ場合は約3〜4か月、遺産分割に時間がかかるケースでは6か月〜1年程度が目安です。
スムーズに進めるためのチェックリスト
- 対象不動産の登記簿謄本を法務局で取得済みか
- 相続人が全員把握できているか(戸籍で確認)
- 遺言書の有無を確認したか(公正証書遺言は公証役場で検索可能)
- 固定資産税の納税通知書が手元にあるか
- 信頼できる司法書士と不動産会社に相談済みか
一つでも未確認の項目があれば、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
登記未了の不動産を放置しないために今やるべきこと
「いつかやろう」と先延ばしにすると、状況は複雑になる一方です。
まず確認すべき3つのポイント
- 登記簿の名義人は誰か:法務局またはオンラインで登記情報を取得し、現在の名義を確認する(取得費用は1通334円〜600円)
- 相続人は何人いるか:戸籍をたどり、法定相続人を確定させる
- 物件の現在価値はいくらか:不動産会社の無料査定を利用して、売却した場合の概算金額を把握する
この3つが分かるだけで、次に取るべき行動が明確になります。
専門家への相談と無料査定の活用
相続登記は司法書士、不動産の売却は不動産会社と、それぞれの専門家に相談するのが確実です。当社では、相続物件の売却に関する無料査定を承っております。
JR沿線や地下鉄沿線の物件はもちろん、道内の遠方にある土地や建物についてもご相談いただけます。登記の状況が分からなくても、まずはお気軽にお問い合わせください。
無料査定・お問い合わせはこちらから、お電話またはフォームでご連絡いただけます。
よくある質問
Q: 相続登記をしないまま不動産を売却することはできますか?
A: 原則としてできません。不動産の売買では、売主が登記名義人であることが前提となります。
登記が被相続人のままでは所有権移転登記ができないため、売却前に相続登記を完了させる必要があります。
Q: 相続登記の義務化で過料が科されるのはどのようなケースですか?
A: 相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に、正当な理由なく登記を申請しなかった場合に10万円以下の過料の対象となります。
正当な理由としては、相続人が多数で戸籍収集に時間がかかる場合や、遺産分割調停中である場合などが認められる可能性があります。
Q: 相続人が複数いて遺産分割が決まらない場合、売却はどう進めればよいですか?
A: まず「相続人申告登記」を行うことで、義務化の期限内に対応できます。これは遺産分割が未了でも、相続人であることを法務局に申し出る制度です。
その後、遺産分割協議や家庭裁判所の調停を経て合意が成立すれば、改めて正式な相続登記を行い、売却に進むことができます。
Q: 相続登記から売却完了までどのくらいの期間がかかりますか?
A: 一般的には3〜6か月が目安です。相続人が少なく協議がスムーズに進む場合は3か月程度で完了することもあります。
一方、相続人が多い場合や遠方に住んでいる場合は6か月〜1年程度かかるケースもあります。早めに動くことが、期間短縮の最大のポイントです。
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