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2026/08/20

コラム

不動産売却の固定資産税精算方法を解説

不動産売却の固定資産税精算方法を解説

不動産を売却すると、固定資産税の精算が必要になります。しかし「いくら負担するのか」「いつ受け取れるのか」が分からず、不安を感じる売主様は少なくありません。

 

 

この記事では、札幌で多くの売却をお手伝いしてきた当社が、固定資産税精算の方法を具体的な計算例とともに解説します。起算日の地域差や税務処理など、競合サイトでは触れられていない実務情報もお伝えします。

 

 

 

固定資産税の基本と売却時に精算が必要な理由

 

まず、固定資産税と精算の全体像を押さえましょう。

 

 

 

固定資産税・都市計画税の仕組み

 

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課される地方税です。税額は「固定資産税評価額×税率」で算出されます。

 

 

標準税率は全国一律で1.4%です。札幌市もこの標準税率を採用しています。

 

 

さらに、市街化区域内の不動産には都市計画税も課されます。札幌市の都市計画税率は0.3%で、固定資産税と合わせて合計1.7%が課税されます。不動産売却時の精算では、この都市計画税も同時に按分計算するのが一般的です。

 

 

 

なぜ売主と買主で精算するのか

 

固定資産税は1月1日時点の所有者が1年分を納付する義務を負います。しかし年の途中で売却した場合、売主が1年分を全額負担するのは公平ではありません。

 

 

そこで、売買契約時に売主と買主の負担割合を日割り計算で決め、買主の負担分を売主に支払うのが不動産取引の商慣習です。この精算は法律上の義務ではなく、あくまで当事者間の取り決めですが、実務上はほぼすべての取引で行われています。

 

 

 

起算日の地域差と北海道の商慣習

 

固定資産税の精算で最も注意すべきポイントが「起算日」です。実は、この起算日は全国統一ではありません。

 

 

 

関東方式(1月1日)と関西方式(4月1日)の違い

 

固定資産税精算の起算日には、大きく分けて2つの方式があります。

  • 関東方式(1月1日起算):1月1日から12月31日までを1年として日割り計算する
  • 関西方式(4月1日起算):4月1日から翌年3月31日までを1年として日割り計算する

どちらの方式を採用するかで、売主・買主それぞれの負担額が変わります。同じ日に売却しても、起算日が異なるだけで数万円の差が生じるケースもあります。

 

 

 

札幌では関東方式が主流である理由

 

北海道では関東方式(1月1日起算)が主流です。これは、北海道の不動産取引慣行が歴史的に関東圏の影響を強く受けてきたことに由来します。

 

 

道内の不動産会社が使用する売買契約書のひな型でも、1月1日起算を前提とした精算条項が採用されています。当社でも1月1日起算で精算を行っています。

 

 

ただし、売買契約書に起算日が明記されていない場合はトラブルの原因になります。契約前に必ず確認しましょう。

 

 

 

売主・買主の負担割合と計算シミュレーション

 

ここでは、実際の計算方法を具体的な数字で解説します。

 

 

 

日割り計算の具体的な手順

 

固定資産税精算の計算手順は以下の通りです。

  • 年間の税額を確認する:納税通知書に記載された固定資産税+都市計画税の合計を使う
  • 起算日から決済日までの日数を数える:売主負担分の日数になる
  • 決済日から年末までの日数を数える:買主負担分の日数になる
  • 日割り計算する:年間税額÷365日×それぞれの日数

うるう年の場合は366日で計算します。また、決済日当日分は買主負担とするのが一般的です。

 

 

 

売却月別の精算額シミュレーション例

 

以下は、札幌市内のマンション(固定資産税評価額2,000万円)を売却した場合のシミュレーションです。固定資産税+都市計画税の年間合計は約34万円(税率1.7%)と想定します。

  • 3月15日に決済:売主負担 約6.9万円 / 買主負担 約27.1万円
  • 6月30日に決済:売主負担 約16.8万円 / 買主負担 約17.2万円
  • 9月30日に決済:売主負担 約25.3万円 / 買主負担 約8.7万円
  • 11月30日に決済:売主負担 約30.6万円 / 買主負担 約3.4万円

このように、年の早い時期に売却するほど買主からの精算金が多くなり、手元に残る金額に影響します。売却時期を検討する際の参考にしてください。

 

 

売却にかかる費用の全体像はこちら

 

 

 

精算金の税務処理と確定申告の注意点

 

固定資産税の精算金には、見落としやすい税務上の注意点があります。

 

 

 

精算金は譲渡所得に含まれる理由

 

固定資産税の精算金は、税務上「固定資産税の返還」ではなく、売買代金の一部として扱われます。国税庁の見解では、精算金は不動産の「譲渡対価」に含まれるとされています。

 

 

つまり、買主から受け取る精算金は売却価格に上乗せして、譲渡所得の計算に算入する必要があります。これを知らずに確定申告すると、後から修正申告を求められるケースがあります。

 

 

 

譲渡所得への算入方法と計算例

 

具体的な計算例で見てみましょう。

  • 売買代金:2,500万円
  • 固定資産税精算金(買主から受領):17万円
  • 譲渡価額(税務上の売却額):2,500万円+17万円=2,517万円

この2,517万円から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得になります。所有期間が5年超の長期譲渡所得であれば税率は約20.315%、5年以下の短期譲渡所得であれば約39.63%が適用されます。

 

 

精算金の17万円分にかかる税額は、長期譲渡の場合で約3.5万円、短期譲渡の場合で約6.7万円です。金額としては大きくありませんが、正確な申告のために必ず含めるようにしましょう。

 

 

 

精算の流れとタイミング

 

売主様が最も気になる「いつ精算金を受け取れるのか」について、時系列で解説します。

 

 

 

精算金を受け取るタイミング

 

固定資産税の精算金は、決済日(残代金の支払日)当日に受け取るのが一般的です。売買契約の締結時ではありません。

 

 

売買契約時に精算の方法と起算日について合意し、決済日に確定した金額をやり取りする流れになります。

 

 

 

決済日当日の精算手続きの流れ

 

決済日当日は、以下の手順で精算が進みます。

  • 精算金額の最終確認:不動産会社が作成した精算書で売主・買主双方が金額を確認する
  • 残代金の受領:買主から売買代金の残額を受け取る
  • 精算金の受領:売買代金と合わせて精算金も受け取る(実務上は合算されることが多い)
  • 所有権移転登記の申請:司法書士が法務局に登記申請を行う
  • 鍵の引き渡し:物件の引き渡しを完了する

精算金は売買代金に含めて振り込まれるケースがほとんどです。別途振り込みになることはまれですので、精算書の内訳を確認しておきましょう。

 

 

マンション売却の流れを詳しく見る

 

 

 

札幌で売却する際の固定資産税精算の実務ポイント

 

札幌ならではの事情を踏まえた精算のポイントをお伝えします。

 

 

 

札幌市の税率と都市計画税の扱い

 

札幌市の固定資産税率は標準税率の1.4%、都市計画税率は0.3%です。市街化区域内の不動産であれば合計1.7%が課税されます。

 

 

札幌市の市街地エリアに位置する不動産は、ほとんどが市街化区域内にあるため、都市計画税も精算の対象になります。精算書に都市計画税が含まれているか、必ず確認してください。

 

 

 

積雪寒冷地の売却時期が精算額に与える影響

 

北海道の不動産市場には、季節による明確な繁閑差があります。一般的に、札幌では3月〜5月9月〜10月に取引が活発になります。

 

 

春先(3月〜4月)に売却する場合、1月1日起算では売主負担は年間税額の約25%程度にとどまり、残り約75%を買主から精算金として受け取れます。

 

 

一方、積雪期の11月〜2月は取引件数が減少し、売却が長引くと翌年にずれ込むことがあります。年をまたぐと、翌年の1月1日時点で再び所有者として課税されるため、1年分の固定資産税を改めて負担する必要があります。

 

 

道内では売却活動の開始時期を早めに設定し、雪が本格化する前に決済まで完了させることが実務上の鉄則です。

 

 

戸建て売却についてはこちら

 

 

 

固定資産税精算でよくあるトラブルと防止策

 

精算に関するトラブルは、事前の確認で防ぐことができます。当社が実務で経験した代表的なケースをご紹介します。

 

 

 

起算日の認識違いによるトラブル

 

最も多いトラブルが、起算日の認識のずれです。売主は1月1日起算だと思っていたのに、買主側の仲介会社が4月1日起算で計算していたというケースがあります。

 

 

起算日が異なると精算金額に差が生じるため、売買契約書に「固定資産税等の精算は1月1日を起算日とする」と明記されているか、必ず確認してください。

 

 

また、新築物件の場合は固定資産税の軽減措置が適用されていることがあります。売却によって軽減措置が終了し、翌年から税額が上がるケースでは、精算金額の根拠となる税額をどの年度のものにするか、事前に取り決めておく必要があります。

 

 

 

年度途中の売却で還付されない点の注意

 

年の途中で不動産を売却しても、固定資産税は売主に還付されません。1月1日時点の所有者に課税される仕組みのため、市区町村から返金される制度は存在しないのです。

 

 

そのため、売主が年間の固定資産税を全額納付した上で、買主負担分を売買代金と一緒に受け取る方法で調整します。固定資産税の納付が完了していない場合は、未納分の扱いについても決済時に確認しておくことが大切です。

 

 

また、固定資産税は通常年4回(6月・8月・10月・1月頃)に分けて納付します。決済日時点で未納の期がある場合、精算金から差し引いて調整する方法もあります。不動産会社に事前に相談しておきましょう。

 

 

精算について不安があればお気軽にご相談ください

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 不動産売却時の固定資産税精算金は確定申告で譲渡所得に含める必要がありますか?

 

A: はい、固定資産税の精算金は税務上「売買代金の一部」として扱われるため、譲渡所得に算入する必要があります。

 

 

精算金を含めずに申告すると、後日修正申告を求められる可能性があるため注意が必要です。確定申告の際は税理士への相談をおすすめします。

 

 

 

Q: 固定資産税の起算日は1月1日と4月1日のどちらですか?札幌ではどちらが一般的ですか?

 

A: 起算日は地域の商慣習によって異なり、関東では1月1日、関西では4月1日が一般的です。

 

 

札幌を含む北海道では1月1日起算が主流です。売買契約書に起算日が明記されているか、必ず確認してください。

 

 

 

Q: 年の途中で不動産を売却した場合、固定資産税は売主と買主でどう分担しますか?

 

A: 決済日を基準に日割り計算で按分します。1月1日から決済日前日までが売主負担、決済日から12月31日までが買主負担となるのが一般的です。

 

 

この精算金は売買代金と一緒に決済日当日に受け渡しされます。都市計画税がある場合は合算して精算します。

 

 

 

Q: 固定資産税の精算金額はいつ受け取れますか?

 

A: 精算金は決済日(残代金支払日)当日に、売買代金と合わせて受け取ります。売買契約の締結時ではありません。

 

 

多くの場合、精算金は売買代金に含めて振り込まれます。内訳は不動産会社が作成する精算書で確認できます。

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