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2026/08/31

コラム

不動産売却の譲渡所得 計算方法を徹底解説

不動産売却の譲渡所得 計算方法を徹底解説

不動産を売却して利益が出ると、譲渡所得として所得税・住民税が課税されます。しかし、計算の仕組みを正しく理解していれば、特別控除や損益通算を活用して税負担を大幅に軽減できる場合があります。

 

 

この記事では、札幌で不動産の売却を検討されているお客様に向けて、譲渡所得の計算方法を具体的な数値例付きで解説します。取得費の算出から減価償却、確定申告の進め方まで、実務に役立つ情報をまとめました。

 

 

 

譲渡所得とは?不動産売却で課税される仕組み

 

譲渡所得とは、不動産を売却した際に得られる利益のことです。売却価格そのものに課税されるのではなく、購入時の費用や売却にかかった経費を差し引いた「利益部分」に対して税金がかかります。

 

 

 

譲渡所得の基本的な考え方

 

譲渡所得の計算は、以下の3つの要素で構成されます。

  • 売却価格(譲渡収入):買主から受け取った売買代金の総額
  • 取得費:購入時の代金や仲介手数料、登記費用などの合計
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料、測量費、解体費用など

つまり「売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 = 譲渡所得」が基本の計算式です。この譲渡所得がプラスであれば課税対象となり、マイナスであれば原則として税金はかかりません。

 

 

 

短期譲渡と長期譲渡の税率の違い

 

譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間によって大きく異なります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30.63%+住民税9%=合計約39.63%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15.315%+住民税5%=合計約20.315%

ここで注意すべきは、所有期間の数え方です。売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判定されます。

 

 

例えば、2021年4月に購入した不動産を2026年6月に売却した場合、実際の所有期間は5年2か月です。しかし、2026年1月1日時点では4年9か月となるため、短期譲渡所得として約39.63%の税率が適用されます。売却のタイミングによって税額が大きく変わるため、事前の確認が重要です。

 

 

売却の方法と費用の詳細はこちら

 

 

 

譲渡所得の計算式と具体的な計算ステップ

 

ここからは、実際の計算ステップを札幌の売却相場をもとにした数値例で確認していきましょう。

 

 

 

売却価格−取得費−譲渡費用の3ステップ

 

譲渡所得の計算は、次の3ステップで進めます。

  • ステップ1:売却価格(譲渡収入金額)を確認する
  • ステップ2:取得費を算出する(購入価格+諸費用−減価償却費)
  • ステップ3:譲渡費用を合計する(仲介手数料+印紙税など)

この3つの金額がそろえば、「ステップ1 − ステップ2 − ステップ3」で譲渡所得が求められます。

 

 

 

数値例で見る譲渡所得シミュレーション

 

札幌の市街地エリアで築15年のマンションを売却したケースで計算してみましょう。

  • 売却価格:2,800万円
  • 購入価格:2,200万円(うち建物部分1,200万円、土地部分1,000万円)
  • 購入時の諸費用:150万円(仲介手数料・登記費用など)
  • 減価償却費:約283万円(後述の計算方法で算出)
  • 取得費:2,200万円+150万円−283万円=2,067万円
  • 譲渡費用:99万円(仲介手数料92.4万円+印紙税1万円+その他5.6万円)

譲渡所得=2,800万円−2,067万円−99万円=634万円

 

 

この場合、マイホームであれば3,000万円特別控除を適用でき、634万円は全額控除されるため、譲渡所得税は実質ゼロになります。特別控除が使えないケースでは、長期譲渡所得として634万円×約20.315%=約129万円の税負担となります。

 

 

 

取得費の算出方法と契約書を紛失した場合の対処法

 

取得費の正確な算出は、譲渡所得の計算で最も重要なポイントです。取得費を多く計上できるほど譲渡所得は小さくなり、税負担が軽減されます。

 

 

 

取得費に含められる費用一覧

 

取得費には、購入代金だけでなく以下の費用も含めることができます。

  • 不動産の購入代金(建物部分は減価償却後の金額)
  • 購入時の仲介手数料
  • 登録免許税・不動産取得税
  • 売買契約書の印紙税
  • 司法書士への報酬
  • ローン借入時の事務手数料
  • 購入後のリフォーム・増改築費用

これらの費用は、領収書や請求書が残っていれば取得費に加算できます。特に購入時の仲介手数料は高額になるため、書類を確認しておくことが大切です。

 

 

 

概算取得費5%ルールの注意点と代替手段

 

購入時の売買契約書を紛失してしまい、取得費が証明できないケースは少なくありません。この場合、税法上は売却価格の5%を取得費とする「概算取得費」が認められています。

 

 

しかし、この5%ルールには大きなデメリットがあります。例えば2,800万円で売却した場合、概算取得費はわずか140万円です。実際の購入価格が2,200万円であれば、本来の取得費との差額は約1,900万円にもなり、税負担が数百万円単位で増えてしまいます。

 

 

契約書がなくても、以下の代替資料で実額に近い取得費を証明できる可能性があります。

  • 住宅ローンの借入書類・返済履歴:金融機関に記録が残っている場合がある
  • 登記簿の抵当権設定額:借入額の推定根拠になり得る
  • 不動産取得税の課税通知書:都道府県税事務所に記録が残るケースがある
  • 購入当時の販売チラシ・パンフレット:分譲時の価格を証明する材料になる
  • 仲介会社への確認:売買記録が保管されている場合がある

これらの資料をもとに税務署や税理士に相談することで、概算取得費5%よりも有利な金額が認められた事例もあります。契約書の紛失に気づいた段階で、早めに代替資料を探すことをおすすめします。

 

 

 

減価償却費の計算方法を建物構造別に解説

 

建物は時間の経過とともに価値が減少するため、購入価格から減価償却費を差し引いた金額が取得費となります。北海道は木造住宅の比率が高く、構造によって償却率が大きく異なるため、正確な計算が欠かせません。

 

 

 

木造・RC造・鉄骨造の耐用年数と償却率

 

非事業用(マイホーム)の建物の減価償却に使用する耐用年数と償却率は以下のとおりです。

  • 木造:耐用年数33年・償却率0.031
  • 軽量鉄骨造(骨格材の肉厚3mm以下):耐用年数28年・償却率0.036
  • 重量鉄骨造:耐用年数51年・償却率0.020
  • RC造(鉄筋コンクリート造):耐用年数70年・償却率0.015

非事業用の場合、法定耐用年数を1.5倍にした年数を使う点に注意が必要です。上記の耐用年数はすでに1.5倍した数値です。

 

 

 

マンション売却時の減価償却の計算例

 

道内で多い木造戸建てとRC造マンションそれぞれの計算例を見てみましょう。

 

 

【例1】木造戸建て・建物取得費1,000万円・築20年の場合

 

 

減価償却費=1,000万円×0.9×0.031×20年=558万円

 

 

取得費に算入できる建物価格は1,000万円−558万円=442万円です。木造は償却が早く進むため、築年数が長いほど取得費が大きく目減りします。

 

 

【例2】RC造マンション・建物取得費1,200万円・築15年の場合

 

 

減価償却費=1,200万円×0.9×0.015×15年=約243万円

 

 

取得費に算入できる建物価格は1,200万円−243万円=957万円です。RC造は償却率が低いため、築年数が経っても取得費が比較的多く残ります。

 

 

札幌の市街地エリアではRC造マンションの取引が活発ですが、JR沿線や郊外では木造戸建ての売却も多くあります。建物構造の違いで税額が大きく変わるため、売却前に減価償却費を試算しておくことが重要です。

 

 

マンション売却についてはこちら

 

 

 

3,000万円特別控除と軽減税率の特例

 

マイホームを売却した場合、一定の条件を満たせば税負担を大幅に軽減できる特例があります。ここでは、多くの売主が活用する2つの特例を解説します。

 

 

 

3,000万円特別控除の適用条件と注意点

 

居住用財産(マイホーム)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。適用を受けるための主な条件は以下のとおりです。

  • 自分が住んでいた家屋、またはその敷地であること
  • 住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること
  • 売却相手が親子や夫婦など特別な関係者でないこと
  • 前年・前々年にこの特例の適用を受けていないこと

札幌では近年の地価上昇に伴い、購入時より高く売却できるケースが増えています。しかし、譲渡所得が3,000万円以下であれば、この特例によって実質的に税負担がゼロになる場合が多くあります。

 

 

 

10年超所有の軽減税率との併用方法

 

売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームの場合、3,000万円特別控除後の残額に対して軽減税率が適用されます。

  • 譲渡所得6,000万円以下の部分:所得税10.21%+住民税4%=合計14.21%
  • 譲渡所得6,000万円超の部分:所得税15.315%+住民税5%=合計20.315%

通常の長期譲渡所得税率20.315%と比べて約6%の軽減となります。この2つの特例は併用が可能なため、3,000万円を超える譲渡所得がある場合でも税負担を大きく抑えられます。

 

 

特例の適用を受けるには、譲渡所得がゼロまたはマイナスであっても確定申告が必要です。申告を忘れると特例が適用されないため注意しましょう。

 

 

 

譲渡損失が出た場合の損益通算と繰越控除

 

不動産の売却で譲渡所得がマイナス(譲渡損失)となった場合、一定の条件を満たせば他の所得と相殺して税負担を軽減できる制度があります。競合サイトではあまり取り上げられていませんが、実務上とても重要な制度です。

 

 

 

損益通算で所得税を減らす具体的手順

 

マイホームの売却で譲渡損失が出た場合、その年の給与所得や事業所得と損益通算(相殺)ができます。損益通算の手順は以下のとおりです。

  • 売却価格から取得費と譲渡費用を差し引き、譲渡損失の金額を確定する
  • その年の給与所得など他の所得から譲渡損失額を差し引く
  • 確定申告書で「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算」の適用を申請する

例えば、札幌の地下鉄沿線で購入したマンションを3,000万円で購入し、2,200万円で売却した場合を考えます。取得費が2,700万円、譲渡費用が80万円であれば、譲渡損失は2,200万円−2,700万円−80万円=マイナス580万円です。

 

 

この580万円をその年の給与所得500万円と損益通算すると、課税所得が大幅に減り、所得税・住民税の還付を受けられます。

 

 

 

繰越控除を最大4年間活用する方法

 

損益通算をしても譲渡損失を引ききれなかった場合、翌年以降最大3年間にわたって繰越控除ができます。つまり、売却年を含めて合計4年間にわたり所得から差し引くことが可能です。

  • 適用条件:売却物件の所有期間が5年超であること
  • 買い換えの場合:新居を住宅ローンで購入していること
  • 買い換えない場合:売却物件に住宅ローンが残っていること
  • 申告:毎年の確定申告で繰越控除の適用を継続して受ける必要がある

繰越控除を活用すれば、年収500万円の方なら4年間で最大約2,000万円の所得圧縮効果が期待できます。不動産の売却で損失が出た場合でも、確定申告によって手取りを改善できる可能性があるため、諦めずに制度の活用を検討しましょう。

 

 

戸建て売却の詳細はこちら

 

 

 

札幌で不動産を売却した場合の確定申告の進め方

 

不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、確定申告を行う必要があります。札幌にお住まいのお客様が実際に申告する際の流れと準備すべき書類を整理しました。

 

 

 

確定申告に必要な書類一覧

 

譲渡所得の確定申告には、以下の書類を準備します。

  • 確定申告書B(第一表・第二表)
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
  • 売買契約書の写し(売却時・購入時の両方)
  • 仲介手数料などの領収書
  • 登記事項証明書(法務局で取得)
  • 本人確認書類
  • 特別控除を受ける場合は住民票の写しなど追加書類

書類の準備には時間がかかるため、売却が完了した段階で少しずつ整理しておくとスムーズです。

 

 

 

札幌圏の税務署窓口と申告会場の案内

 

札幌には複数の税務署があり、お住まいの住所によって管轄が異なります。一般的に、確定申告期間中は札幌市内の大規模会場として、札幌コンベンションセンターなどに臨時の確定申告会場が設けられます。

 

 

2026年の確定申告期間は2月16日から3月15日です。臨時会場は混雑するため、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用したe-Tax申告も便利です。

 

 

北海道では近年、地下鉄沿線やJR沿線の利便性の高いエリアを中心に地価が上昇傾向にあります。そのため、数年前に購入した不動産を売却すると、予想以上の譲渡所得が発生するケースも増えています。売却前に税理士や税務署の無料相談を活用し、おおよその税額を把握しておくと安心です。

 

 

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よくある質問

 

 

 

Q: 不動産の譲渡所得はいくらから税金がかかりますか?

 

A: 譲渡所得がプラス(1円以上)であれば、原則として所得税と住民税の課税対象になります。ただし、マイホームの売却であれば3,000万円特別控除が適用でき、譲渡所得が3,000万円以下なら税額が実質ゼロになるケースが多くあります。

 

 

特別控除の適用には確定申告が必要なため、譲渡所得がゼロになる場合でも忘れずに申告しましょう。

 

 

 

Q: マンション売却時の減価償却費はどうやって計算しますか?

 

A: マンションの場合、建物部分の取得費に0.9を掛け、さらにRC造の償却率0.015と経過年数を掛けて算出します。例えば、建物取得費1,200万円・築15年のRC造マンションなら、1,200万円×0.9×0.015×15年=約243万円が減価償却費です。

 

 

土地部分は減価償却の対象外です。売買契約書に建物と土地の内訳が記載されていない場合は、固定資産税評価額の比率で按分する方法が一般的です。

 

 

 

Q: 購入時の契約書がない場合、取得費はどう計算すればいいですか?

 

A: 契約書がない場合、売却価格の5%を概算取得費として使う方法があります。ただし、実際の購入価格が高額であった場合、概算取得費では税負担が大幅に増える可能性があります。

 

 

住宅ローンの借入書類、登記簿の抵当権設定額、不動産取得税の通知書、購入時のパンフレットなど代替資料で実額を証明できるケースもあるため、まずは手元の資料を確認しましょう。

 

 

 

Q: 3,000万円特別控除を使えば譲渡所得税がゼロになるのはどんな場合ですか?

 

A: マイホーム(居住用財産)を売却し、譲渡所得が3,000万円以下で、かつ適用条件を満たす場合に税額がゼロになります。札幌の一般的な住宅売却では、譲渡所得が3,000万円を超えるケースは多くないため、多くのお客様がこの特例で非課税となっています。

 

 

ただし、住まなくなってから3年後の年末までに売却する必要がある点や、前年・前々年に同じ特例を使っていないことなどの条件があるため、事前に確認することが大切です。

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