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2026/09/04

コラム

不動産売却の媒介契約3種類の違いを解説

不動産売却の媒介契約3種類の違いを解説

不動産を売却する際、不動産会社と結ぶ「媒介契約」には3つの種類があります。それぞれ仕組みや制約が異なり、どれを選ぶかで売却活動の進め方が大きく変わります。

 

 

この記事では、媒介契約の基本から各種類の違い、さらに競合記事ではあまり触れられていないレインズ登録の確認方法・囲い込み防止策・途中解除の手順まで、売主目線で実務的に解説します。

 

 

札幌で不動産売却をお考えの方が、自分に合った契約を選び、安心して売却を進められるよう、判断基準を明確にお伝えします。

 

 

 

媒介契約とは?売主が知っておくべき基本の仕組み

 

媒介契約の基本を正しく理解することが、納得のいく売却の第一歩です。

 

 

 

媒介契約の役割と法的な位置づけ

 

媒介契約とは、不動産の売却を不動産会社に依頼する際に結ぶ契約です。宅地建物取引業法(宅建業法)第34条の2で、不動産会社は媒介契約の内容を書面で交付することが義務づけられています。

 

 

この契約によって、不動産会社は買主を探す義務を負い、売主は成約時に仲介手数料を支払います。仲介手数料の上限は売買価格の3%+6万円(税別)と法律で定められています。

 

 

たとえば2,000万円の物件なら、仲介手数料の上限は約72万6,000円(税込)です。媒介契約を結ばなければ、不動産会社は正式な売却活動を開始できません。

 

 

 

媒介契約を結ぶタイミングと流れ

 

一般的な流れは以下のとおりです。

  • 査定依頼:不動産会社に物件の査定を依頼し、売却価格の目安を把握する
  • 会社選び:査定結果や対応を比較し、依頼する不動産会社を決める
  • 媒介契約の締結:契約種類・売出価格・契約期間を決めて書面で契約する
  • 売却活動の開始:広告掲載・内覧対応など、買主探しが始まる

査定から媒介契約の締結まで、通常1〜2週間程度です。契約前に不動産会社の販売戦略や活動内容をしっかり確認しておきましょう。

 

 

売却の方法や費用の全体像については、売却の方法と費用の詳細はこちらもあわせてご覧ください。

 

 

 

媒介契約3種類の特徴と比較

 

媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。それぞれの違いを正確に把握しましょう。

 

 

 

専属専任・専任・一般媒介の違い一覧表

項目 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
依頼できる会社数 1社のみ 1社のみ 複数社OK
自己発見取引 不可 可能 可能
レインズ登録義務 5営業日以内 7営業日以内 義務なし
活動報告の頻度 1週間に1回以上 2週間に1回以上 義務なし
契約期間の上限 3ヶ月 3ヶ月 制限なし(通常3ヶ月)

「自己発見取引」とは、売主自身が親戚や知人など買主を見つけて直接取引することです。専属専任媒介ではこれが認められず、知人への売却でも仲介手数料が発生します。

 

 

 

それぞれのメリット・デメリット

 

専属専任媒介は、不動産会社にとって最も報酬を得やすい契約のため、広告費をかけた積極的な販売活動が期待できます。一方で、自分で買主を見つけても直接取引はできません。

 

 

専任媒介は、1社に任せつつ自己発見取引も可能なバランス型です。報告頻度は2週間に1回以上と専属専任より少ないものの、実務上は週1回程度報告してくれる会社が多い傾向にあります。

 

 

一般媒介は複数社に依頼できるため、より多くの買主候補にアプローチできます。ただし、不動産会社側からすると他社で成約する可能性があるため、販売活動の優先度が下がる場合もあります。

 

 

 

売却状況別・媒介契約の選び方ガイド

 

「結局どれを選べばいいのか」は、売主の状況によって異なります。ケース別に判断基準を整理します。

 

 

 

初めての売却・相続物件なら専任系が安心な理由

 

初めて不動産を売却する方は、専任媒介契約を選ぶケースが多く見られます。理由は次のとおりです。

  • 定期的な活動報告があるため、売却の進捗状況を把握しやすい
  • 1社が責任をもって対応するため、窓口が一本化され連絡の手間が少ない
  • 自己発見取引も可能なため、万が一知人に売却できる場合も対応できる

相続物件の場合、遺産分割協議や登記手続きと並行して売却を進めることも多く、複数社とのやり取りは負担になりがちです。信頼できる1社に専任で任せるほうが効率的です。

 

 

相続物件の売却について詳しくは、相続物件の売却についてはこちらをご確認ください。

 

 

 

複数社に依頼したい場合の一般媒介活用法

 

一般媒介が向いているのは、売却経験がある方や、人気エリアの物件を持つ方です。地下鉄沿線やJR沿線の駅徒歩10分以内のマンションなど、需要が高い物件であれば、複数社の競争が売却スピードの向上につながることがあります。

 

 

ただし、一般媒介では活動報告義務がないため、売主自身が各社の動きを管理する必要があります。2〜3社程度に絞り、定期的に状況を確認する運用が現実的です。

 

 

 

レインズ登録義務と売主が確認すべきチェックポイント

 

レインズ(REINS)は、全国の不動産会社が物件情報を共有するネットワークシステムです。ここへの登録が、売却成功の大きなカギを握ります。

 

 

 

契約種類ごとのレインズ登録期限の違い

  • 専属専任媒介:契約締結日から5営業日以内に登録義務あり
  • 専任媒介:契約締結日から7営業日以内に登録義務あり
  • 一般媒介:登録義務なし(任意で登録する会社もある)

レインズに登録されると、全国約13万社の不動産会社が物件情報を閲覧できるようになります。登録されなければ、依頼した会社の顧客にしか物件が紹介されません。

 

 

一般媒介でも「レインズに登録してください」と依頼することは可能です。契約時に登録の有無を確認しておきましょう。

 

 

 

登録証明書の見方と確認手順

 

専属専任・専任媒介の場合、不動産会社はレインズへの登録後、「登録証明書」を売主に交付する義務があります。この証明書には以下の情報が記載されています。

  • 登録番号(レインズ上の物件ID)
  • 登録日(期限内に登録されたか確認できる)
  • 物件情報(所在地・面積・価格などが正確か確認する)

登録証明書を受け取ったら、記載内容が実際の物件情報と一致しているか確認してください。価格や面積に誤りがあると、正しい買主に届かない可能性があります。

 

 

また、レインズの「売却依頼主向け確認システム」を使えば、売主自身がオンラインで登録状況や取引状況(「公開中」「書面による購入申し込みあり」など)を確認できます。登録証明書に記載されたIDとパスワードでログインできますので、定期的に確認することをおすすめします。

 

 

 

囲い込みを防ぐための媒介契約の選び方と対策

 

「囲い込み」とは、不動産会社が自社で買主も見つけて両手仲介(売主・買主双方から手数料を受領)を狙い、他社からの問い合わせを意図的に断る行為です。売主にとっては売却機会の損失につながります。

 

 

 

囲い込みが起きやすい契約パターン

 

囲い込みが発生しやすいのは、専属専任媒介や専任媒介で1社のみに依頼しているケースです。1社独占のため、他社経由の購入申し込みを受け付けなくても売主が気づきにくい構造があります。

 

 

一般媒介では複数社が物件情報を扱うため、特定の1社が情報を囲い込むことは構造上起きにくくなります。ただし、一般媒介でも各社がレインズに登録していなければ同様のリスクはあります。

 

 

 

売主ができる囲い込み防止の具体策

 

以下の方法で、囲い込みのリスクを減らすことができます。

  • レインズの取引状況を定期確認する:売却依頼主向け確認システムで「公開中」になっているか確認する
  • 他の不動産会社に問い合わせてもらう:知人や別の会社に「この物件を紹介してもらえるか」と確認を依頼する
  • 活動報告の内容を精査する:問い合わせ件数や内覧件数が極端に少ない場合は理由を確認する
  • 契約時に「囲い込みしない」旨を書面で確認する:口頭ではなく書面やメールで記録を残す

囲い込みは宅建業法に違反する行為であり、国土交通省も対策を強化しています。2025年以降、レインズのシステム改修により売主が取引状況を確認しやすくなっています。不安がある場合は遠慮なく担当者に確認しましょう。

 

 

 

媒介契約の途中解除・変更の手順と注意点

 

「契約したけれど対応に不満がある」「別の会社に変えたい」といったケースは実際に起こり得ます。途中解除や変更の手続きについて、正しく理解しておきましょう。

 

 

 

途中解除できるケースと違約金が発生するケース

 

専属専任・専任媒介契約には最長3ヶ月の契約期間が設定されています。原則として、契約期間中の一方的な解除には注意が必要です。

  • 違約金が発生しないケース:不動産会社が契約内容(レインズ登録・活動報告など)を履行していない場合は、債務不履行を理由に解除できます
  • 違約金が発生する可能性があるケース:不動産会社が適切に業務を遂行しているにもかかわらず、売主都合で一方的に解除する場合、それまでにかかった広告費や交通費などの実費を請求されることがあります

違約金の上限は仲介手数料の上限額と定められています。ただし実務上、多くの不動産会社は途中解除時に実費程度の請求にとどめるか、請求しないケースも少なくありません。

 

 

トラブルを避けるためには、解除前に書面で不満点を伝え、改善を求めるステップを踏むことが重要です。

 

 

 

契約種類の変更手続きの実際

 

「専任媒介から一般媒介に変えたい」という場合、最もスムーズなのは契約期間の満了を待って更新しない方法です。契約期間は最長3ヶ月で、自動更新はされません。

 

 

期間満了後であれば、同じ会社と異なる種類の契約を結び直すことも、別の会社に変更することも自由です。満了の1〜2週間前に「更新しない」旨を伝えておくとスムーズです。

 

 

売却活動や契約についてお悩みの方は、契約や売却のご相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

札幌で媒介契約を結ぶ際に知っておきたいポイント

 

札幌の不動産市場には、道内ならではの特徴があります。媒介契約を選ぶ際に、地域事情を踏まえた判断が大切です。

 

 

 

札幌の不動産会社の競争環境と契約選びの傾向

 

北海道内の宅地建物取引業者数は約6,800社(2025年時点)で、その多くが札幌市内に集中しています。大手から地域密着型まで選択肢が多いことは、売主にとってメリットです。

 

 

札幌では、地下鉄沿線やJR沿線の市街地エリアのマンションは需要が高く、一般媒介で複数社に依頼しても積極的に動いてもらえる傾向があります。一方、郊外エリアの戸建てや土地は買主候補が限られるため、専任媒介で1社に腰を据えて販売活動を任せるほうが成果につながりやすいといえます。

 

 

 

冬季の売却期間を見据えた契約期間の考え方

 

札幌の不動産売却では、季節要因を無視できません。12月〜3月の冬季は積雪や寒さの影響で内覧件数が減少し、売却活動が停滞しやすくなります。

 

 

そのため、以下のような契約期間の工夫が有効です。

  • 春〜秋(4月〜11月)に売り出す場合:3ヶ月の契約期間で十分な活動期間を確保できる
  • 冬季にかかる場合:契約期間の満了が冬場に重なると、成果が出にくい時期に判断を迫られる。秋口に売り出し、翌春まで視野に入れた計画が望ましい
  • 売却の平均期間:札幌のマンションで約3〜6ヶ月、戸建てで約6〜12ヶ月が目安

北海道では冬季の引っ越し需要も低下するため、買主が動きやすい4月〜10月に売却活動のピークを合わせることを意識しましょう。媒介契約の開始時期も、この季節サイクルを考慮して決めることが重要です。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 初めて不動産を売却する場合、媒介契約は3種類のうちどれを選ぶべきですか?

 

A: 初めての売却であれば、専任媒介契約がおすすめです。定期的な活動報告(2週間に1回以上)があるため売却の進み具合を把握しやすく、窓口が1社に絞られるので連絡の負担も軽減されます。

 

 

また、自己発見取引も可能なため、売却活動中に知人から購入希望があった場合にも柔軟に対応できます。

 

 

 

Q: 専任媒介契約を結んだ後に一般媒介契約へ変更することはできますか?

 

A: 変更は可能です。最もスムーズな方法は、現在の契約期間(最長3ヶ月)の満了を待ち、更新しないことです。契約は自動更新されないため、期間が満了すれば別の種類の契約を自由に選べます。

 

 

期間中の変更は、不動産会社との合意が必要です。不満がある場合はまず書面で改善を求め、それでも解決しなければ期間満了時に変更しましょう。

 

 

 

Q: 媒介契約を結んだ不動産会社が囲い込みをしていないか確認する方法はありますか?

 

A: 確認方法は主に2つあります。まず、レインズの「売却依頼主向け確認システム」にログインし、取引状況が「公開中」になっているか確認してください。登録証明書に記載されたIDとパスワードで利用できます。

 

 

さらに、知人や別の不動産会社に依頼して「この物件を紹介してもらえるか」と問い合わせてもらう方法も有効です。断られた場合は囲い込みの可能性があります。

 

 

 

Q: 媒介契約の期間が過ぎても売れなかった場合、契約はどうなりますか?

 

A: 媒介契約は自動更新されません。期間が満了した時点で契約は終了し、改めて契約を結び直す必要があります。

 

 

同じ会社と再契約するか、別の会社に変更するかは売主の自由です。判断基準として、活動報告の内容・問い合わせ件数・担当者の対応力を振り返り、改善が見込めるかどうかで決めるとよいでしょう。

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