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2026/09/07
媒介契約3種類の違いと選び方
媒介契約3種類の違いと選び方
不動産を売却するとき、最初に直面するのが「どの媒介契約を選ぶか」という判断です。一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり、それぞれ売却活動の進め方が大きく変わります。
選び方を間違えると、売却期間が延びたり、希望価格を下回ったりするケースも少なくありません。
この記事では、札幌で年間200件以上の売却相談を受ける当社の実績データをもとに、3種類の違いと最適な選び方を実務者の視点で解説します。
媒介契約とは?売却前に知るべき基本の仕組み
媒介契約とは、不動産の売却を不動産会社に依頼する際に結ぶ契約のことです。宅地建物取引業法で定められており、口約束ではなく書面での締結が義務づけられています。
媒介契約の役割と法的な位置づけ
媒介契約を結ぶことで、不動産会社は売主の代わりに買主を探す活動を行います。契約期間は最長3ヶ月と法律で定められており、自動更新ではありません。
売主にとって重要なのは、この契約によって不動産会社がどこまでの義務を負うかが決まる点です。報告頻度やレインズ(不動産流通機構)への登録義務など、契約の種類によって不動産会社の動き方がまったく異なります。
媒介契約を結ぶタイミングと流れ
一般的な流れは以下のとおりです。
- 査定依頼:不動産会社に物件の査定を依頼する
- 査定結果の比較:複数社の査定額と提案内容を比べる
- 媒介契約の締結:信頼できる会社と契約を結ぶ
- 売却活動の開始:広告掲載・内覧対応がスタート
契約前に確認すべき実務チェックポイントとして、販売活動の具体的な内容、広告費の負担、報告の方法と頻度を書面で確認しておくことをおすすめします。売却の方法と費用の全体像については、売却の方法と費用の詳細はこちらをご覧ください。
一般・専任・専属専任の3種類を比較
媒介契約には3つの種類があり、それぞれ売主の自由度と不動産会社の義務のバランスが異なります。ここでは実務上の違いを整理します。
3種類の契約条件と制限の違い
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | 可能 | 不可(1社のみ) | 不可(1社のみ) |
| 自分で買主を見つけた場合 | 直接取引可 | 直接取引可 | 不可(会社を通す) |
| レインズ登録義務 | なし | 7日以内 | 5日以内 |
| 業務報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 契約期間 | 制限なし(慣例3ヶ月) | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
比較表で見る自由度・報告義務・レインズ登録
一般媒介は自由度が高い反面、不動産会社に報告義務がなく、活動状況が見えにくいのが弱点です。一方、専属専任媒介は会社側の義務が最も重く、週1回の報告と5日以内のレインズ登録が保証されます。
売主目線で見ると、各契約で不動産会社の「本気度」が変わります。専任・専属専任では確実に仲介手数料を得られるため、広告費をかけやすくなります。一般媒介では他社に成約を取られるリスクがあるため、積極的な販売活動に踏み切りにくいのが実情です。
不動産会社が専任媒介を勧める本当の理由
査定時に多くの不動産会社が専任媒介を勧めてきます。その背景にある営業インセンティブの構造を、売主の立場から解説します。
仲介手数料と営業インセンティブの構造
不動産会社の収益源は仲介手数料です。売買価格が400万円超の場合、手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限となります。
たとえば2,000万円の物件なら、手数料は約72.6万円です。専任媒介であれば、この手数料を確実に自社で回収できます。さらに、自社で買主も見つければ売主・買主の両方から手数料を得られる「両手仲介」となり、収益は約145.2万円に倍増します。
これが、不動産会社が専任媒介を強く勧める経済的な理由です。
売主が知っておくべき囲い込みリスク
囲い込みとは、不動産会社が両手仲介を狙い、他社からの購入申込みを断る行為です。専任媒介・専属専任媒介では1社のみに依頼するため、このリスクが生じやすくなります。
囲い込みを防ぐために確認すべきポイントは以下のとおりです。
- レインズ登録証明書を受け取り、登録状況を自分で確認する
- 業務報告の内容に問い合わせ件数や内覧件数が記載されているか確認する
- 他社の購入希望者からの問い合わせに対応しているか質問する
- 売り出し後1ヶ月で内覧が1件もなければ、活動内容を見直す
囲い込みは法律違反ではないものの、売主の利益を損なう行為です。信頼できる不動産会社かどうかを見極める材料として覚えておいてください。
媒介契約の種類別・成約期間と成約率の実態
理論的な比較だけでは判断しにくいという声が多いため、当社の2025年度の実績データをもとに、契約種類ごとの売却スピードをご紹介します。
当社実績に見る契約種類ごとの売却スピード
当社が2025年度に札幌市内で成約した案件の集計結果です。
- 専属専任媒介:平均成約期間2.1ヶ月、成約率約78%
- 専任媒介:平均成約期間2.4ヶ月、成約率約72%
- 一般媒介:平均成約期間3.8ヶ月、成約率約54%
専属専任・専任媒介の成約率が高い理由は、当社が広告予算を集中投下できること、そして週1〜2回の報告義務により売主との情報共有が密になることが挙げられます。
一般媒介で複数社依頼した場合の実際の動き
一般媒介で3社以上に依頼したケースでは、各社の広告出稿量が専任時の約3分の1に減少する傾向がありました。報告義務がないため、どの会社がどれだけ動いているかが見えにくくなるのも課題です。
ただし、駅徒歩5分以内の築浅マンションなど人気物件の場合は、一般媒介で複数社に競わせることで成約価格が査定額の105%に達した事例もあります。物件の競争力に応じた選び方が重要です。マンション売却の実績については、マンション売却の実績についてはこちらをご参照ください。
札幌で媒介契約を選ぶときの地域特有の判断基準
北海道、特に札幌の不動産市場には全国と異なる特有の事情があります。媒介契約の選び方にも影響するポイントを解説します。
冬季の売却活動と契約期間3ヶ月の関係
札幌では12月〜3月の積雪期に内覧数が大幅に減少します。当社のデータでは、冬季の内覧件数は春〜秋の約40%まで落ち込みます。
媒介契約の期間は最長3ヶ月ですが、たとえば11月に契約を結ぶと、最も動きの鈍い1〜2月が契約期間に含まれてしまいます。そのため、道内では3月〜4月に媒介契約を開始し、春の需要期をフルに活用する戦略が効果的です。
冬季に売り出す必要がある場合は、専任媒介以上を選び、不動産会社に腰を据えた販売活動を依頼するのが得策です。
札幌の不動産市場における専任率の傾向
札幌市内の不動産取引では、専任媒介の割合が全国平均より高い傾向があります。地下鉄沿線やJR沿線のマンションでは約65%が専任媒介で売却されています。
これは、市街地エリアの物件でも売却に一定期間を要するケースが多く、じっくり販売活動を行う専任契約が選ばれやすいためです。一方、築浅で駅近の物件は一般媒介で短期成約を狙う売主もいます。
媒介契約の途中解除・変更の手順と注意点
契約後に「この会社では不安だ」と感じることもあります。途中解除や変更の手順を知っておくと、万が一の際に冷静に対応できます。
契約期間中に解除できるケースとできないケース
媒介契約の途中解除が認められる主なケースは以下のとおりです。
- 不動産会社がレインズへの登録義務を怠っている場合
- 定められた業務報告を行わない場合
- 正当な理由なく買主からの申込みを拒否している場合(囲い込み)
- 売主と不動産会社の双方の合意がある場合
一方、「他にもっと良い会社が見つかった」という理由だけでは、契約期間中の一方的な解除は難しいのが一般的です。解除に伴い、それまでの広告費用を請求されるトラブルも報告されています。
不動産会社を変更する際のトラブル回避策
最もスムーズな方法は、契約期間の満了を待って更新しないことです。更新は売主の意思で断れるため、トラブルになりにくい方法です。
変更を考えている場合の注意点は以下のとおりです。
- 契約期間の満了日を正確に把握しておく
- 満了の2週間前までに「更新しない」旨を書面で伝える
- 次の不動産会社との契約は、現在の契約終了後に開始する
- 重複契約にならないよう、日付の管理を徹底する
媒介契約に関するご不安がある方は、媒介契約のご相談は無料査定からどうぞ。当社では契約内容のご説明から丁寧に対応しております。
失敗しない媒介契約の選び方チェックリスト
ここまでの内容をふまえ、お客様がすぐに活用できる判断基準とチェックリストをまとめます。
物件タイプ・売却期限別のおすすめ契約
- 初めての売却で不安が大きい方:専任媒介がおすすめ。報告義務があり、活動内容を把握しやすい
- 駅近・築浅の人気物件をお持ちの方:一般媒介で複数社に競わせることで高値成約を狙える
- 相続物件や遠方の物件:専属専任媒介で全てを任せるのが効率的
- 売却期限が半年以上ある方:まず一般媒介で市場の反応を見て、動きが鈍ければ専任に切り替える方法もある
- 札幌で冬季に売り出す方:専任媒介以上を選び、春まで見据えた長期戦略を立てる
契約前に不動産会社へ確認すべき5つの質問
媒介契約を結ぶ前に、以下の質問をしてみてください。回答の具体性で会社の信頼度がわかります。
- 具体的にどの媒体(ポータルサイト・チラシ・SNS)に広告を出しますか?
- 過去1年間で同じエリア・同じ物件タイプの成約実績は何件ありますか?
- レインズ登録は契約後何日以内に行いますか?登録証明書はもらえますか?
- 業務報告にはどのような情報(問い合わせ数・内覧数・フィードバック)が含まれますか?
- 契約期間中に売れなかった場合、次のステップとしてどのような提案がありますか?
戸建ての売却を検討されている方は、戸建て売却をお考えの方はこちらもあわせてご確認ください。
よくある質問
Q: 媒介契約の3種類のうち、初めての売却ではどれを選ぶべきですか?
A: 初めての売却では専任媒介契約をおすすめします。2週間に1回以上の業務報告が義務づけられているため、売却活動の進捗を把握しやすく、担当者との信頼関係も築きやすい契約形態です。
また、不動産会社側も仲介手数料を確保しやすいため、広告費や人員を集中投下してくれる傾向があります。自分で買主を見つけた場合の直接取引も認められており、専属専任より柔軟性がある点も安心材料です。
Q: 専任媒介契約を結んだ後に他の不動産会社へ変更できますか?
A: 契約期間(最長3ヶ月)の満了後であれば、更新せずに他社へ変更することが可能です。満了の2週間前までに更新しない旨を伝えれば、トラブルなく切り替えられます。
契約期間中の解除は、不動産会社が報告義務やレインズ登録義務を怠っている場合など正当な理由がある場合に限られます。理由なく一方的に解除すると、それまでの広告費を請求されることもあるため注意が必要です。
Q: 一般媒介で複数社に依頼すると売却活動の質は下がりますか?
A: 一般的に、各社の販売活動にかける優先度は下がりやすくなります。他社に成約を持っていかれるリスクがあるため、広告費や営業工数を抑える会社も少なくありません。
ただし、駅近・築浅など市場で人気の高い物件であれば、複数社の競争が成約価格の上昇につながるケースもあります。物件の競争力を客観的に見極めたうえで判断することが大切です。
Q: 媒介契約の期間3ヶ月が過ぎても売れなかった場合はどうなりますか?
A: 媒介契約は自動更新ではないため、期間満了で契約は終了します。同じ会社と続ける場合は改めて契約を結び直す必要があります。
3ヶ月で成約に至らなかった場合は、価格設定の見直し・販売戦略の変更・不動産会社の切り替えの3つを検討するタイミングです。当社では、再契約前に市場データを基にした価格再査定を無料で実施しております。
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