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2026/09/12
不動産売却の譲渡所得税 計算方法を解説
不動産売却の譲渡所得税 計算方法を解説
不動産を売却して利益が出ると、譲渡所得税が課税されます。「税金がいくらかかるのか分からない」「計算方法が複雑で不安」という声は、札幌で売却をお考えのお客様からも多く寄せられます。
この記事では、譲渡所得税の仕組みから具体的な計算方法、さらに札幌の売却価格帯に合わせたシミュレーションまで分かりやすく解説します。3,000万円特別控除などの特例や確定申告の流れもまとめていますので、売却前の税金対策にお役立てください。
譲渡所得税とは?不動産売却で課税される仕組み
譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。給与所得などとは分離して計算される「分離課税」方式が適用されます。
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の内訳
不動産の売却益には、以下の3つの税金がかかります。
- 所得税:国に納める税金で、所有期間により税率が異なる
- 住民税:都道府県・市町村に納める地方税
- 復興特別所得税:所得税額の2.1%が上乗せされる(2037年まで)
これら3つを合わせた合計税率が、実際に負担する譲渡所得税の総額となります。
所有期間で変わる税率(短期と長期の違い)
譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって大きく変わります。ここが計算方法で最も重要なポイントです。
- 短期譲渡所得(5年以下):所得税30.63%+住民税9%=合計約39.63%
- 長期譲渡所得(5年超):所得税15.315%+住民税5%=合計約20.315%
注意すべきは、所有期間の起算日です。「購入日から5年」ではなく、「売却した年の1月1日時点で5年を超えているか」で判定されます。
たとえば2021年4月に購入した不動産を2026年6月に売却する場合、実際の所有期間は5年2か月ですが、2026年1月1日時点では4年9か月のため「短期譲渡」に分類されます。このミスは非常に多いため、売却時期の検討は慎重に行いましょう。
譲渡所得税の計算式と各項目の求め方
譲渡所得税の計算は、次の式に沿って進めます。正確な計算方法を把握しておくことで、売却後の手取り額を事前に把握できます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
この譲渡所得に、所有期間に応じた税率をかけた金額が納税額となります。
取得費の算出方法(不明な場合の概算取得費5%ルール)
取得費とは、不動産を購入したときにかかった費用の合計です。具体的には以下の項目が含まれます。
- 購入代金(土地+建物)
- 購入時の仲介手数料
- 登録免許税・不動産取得税
- 測量費・造成費用
- 建物の場合は減価償却費を差し引いた金額
購入時の売買契約書が見つからず取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。ただしこの方法では取得費が極めて小さくなるため、譲渡所得が大きくなり税負担が増える傾向があります。
たとえば2,500万円で売却した場合、概算取得費はわずか125万円です。実際の購入価格が1,800万円であれば、1,675万円もの差が生じます。売買契約書や領収書は大切に保管しておきましょう。
なお、北海道の物件では冬季の融雪設備設置費用や寒冷地仕様の断熱工事費用なども取得費に算入できる場合があります。道内の物件を売却する際は、これらの費用の領収書も確認しておくとよいでしょう。
譲渡費用に含められるもの・含められないもの
譲渡費用とは、不動産を売却するために直接かかった費用です。
含められるもの:
- 売却時の仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 建物の解体費用(売却のために行った場合)
- 測量費用
- 立退料(借家人がいた場合)
含められないもの:
- 引っ越し費用
- 固定資産税・都市計画税
- 住宅ローンの利息
- 修繕費やリフォーム費用(資本的支出を除く)
札幌では冬場の売却時に除雪・排雪費用が発生することがありますが、一般的にこれらは譲渡費用として認められにくいため注意が必要です。
札幌の売却価格帯別・譲渡所得税シミュレーション
ここでは、札幌の中古マンションや戸建ての相場帯に合わせた3つの価格帯で、譲渡所得税の計算シミュレーションをご紹介します。
1,500万円・2,500万円・3,500万円の計算例
以下は、取得費が売却価格の60%、譲渡費用が売却価格の5%、長期譲渡所得(税率約20.315%)と仮定した場合の計算例です。
【ケース1】売却価格1,500万円(地下鉄沿線の築25年マンション想定)
- 取得費:900万円
- 譲渡費用:75万円(仲介手数料等)
- 譲渡所得:1,500万円 − 900万円 − 75万円 = 525万円
- 税額(長期):525万円 × 20.315% = 約106万円
【ケース2】売却価格2,500万円(JR沿線の築15年戸建て想定)
- 取得費:1,500万円
- 譲渡費用:120万円
- 譲渡所得:2,500万円 − 1,500万円 − 120万円 = 880万円
- 税額(長期):880万円 × 20.315% = 約178万円
【ケース3】売却価格3,500万円(市街地エリアの築10年マンション想定)
- 取得費:2,100万円
- 譲渡費用:160万円
- 譲渡所得:3,500万円 − 2,100万円 − 160万円 = 1,240万円
- 税額(長期):1,240万円 × 20.315% = 約251万円
もしケース3が短期譲渡(税率約39.63%)に該当する場合、税額は約491万円となり、長期との差額は約240万円にもなります。所有期間の確認がいかに重要かがお分かりいただけるでしょう。
特別控除適用前後の税額比較表
マイホーム売却で3,000万円特別控除を適用した場合の税額変化をまとめます。
- ケース1(譲渡所得525万円):控除後 0円 → 税額0円(全額控除)
- ケース2(譲渡所得880万円):控除後 0円 → 税額0円(全額控除)
- ケース3(譲渡所得1,240万円):控除後 0円 → 税額0円(全額控除)
札幌の一般的な売却価格帯では、3,000万円特別控除を適用できれば多くの場合で譲渡所得税がゼロになります。ただし、適用には一定の条件がありますので、次の章で詳しく確認しましょう。
3,000万円特別控除・軽減税率など使える特例一覧
不動産売却時に利用できる特例を正しく活用することで、譲渡所得税を大幅に軽減できます。以下のチェックリストで適用可否を確認してください。
マイホーム売却の3,000万円特別控除の適用条件
居住用財産(マイホーム)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例です。適用には以下の条件を満たす必要があります。
- 自分が住んでいた家屋、または家屋とともにその敷地を売却すること
- 住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却相手が配偶者や直系親族など特別な関係者でないこと
- 売却した年の前年・前々年にこの特例を受けていないこと
- 他の特例(買い換え特例など)と併用しないこと
なお、賃貸に出していた期間がある場合でも、居住しなくなってから3年以内であれば適用できる可能性があります。転勤の多い札幌の会社員の方にも関係する制度です。
10年超所有の軽減税率と相続空き家の特例
10年超所有の軽減税率特例は、所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合に適用されます。3,000万円特別控除と併用でき、控除後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に約14.21%の軽減税率が適用されます。
相続空き家の3,000万円特別控除は、相続した空き家を売却する際に利用できる特例です。北海道では相続物件の売却が増加傾向にあり、この特例の利用ニーズも高まっています。
適用条件のチェックリストは以下のとおりです。
- 被相続人が一人暮らしだった住居であること
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
- 相続日から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却価格が1億円以下であること
- 耐震リフォーム済み、または解体して更地で売却すること
道内では昭和56年以前に建てられた木造住宅が多く、この特例に該当するケースは少なくありません。相続物件の売却をお考えの方は早めにご相談ください。
確定申告の流れと必要書類
不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、翌年に確定申告を行う必要があります。特別控除を利用する場合も申告が必須です。
申告時期と届出先
確定申告の期限は、売却した翌年の2月16日から3月15日までです。届出先は、お客様の住所地を管轄する税務署となります。
札幌市内には複数の税務署がありますので、管轄を事前に確認しておきましょう。e-Tax(電子申告)を利用すれば、自宅からオンラインで申告することも可能です。
準備すべき書類リスト
確定申告に必要な書類は以下のとおりです。入手先も合わせてまとめます。
- 確定申告書B・第三表(分離課税用):税務署またはe-Taxで入手
- 譲渡所得の内訳書:税務署またはe-Taxで入手
- 売買契約書のコピー(売却時・購入時の両方):お手元の控え
- 仲介手数料の領収書:不動産会社から受領
- 登記事項証明書:法務局で取得(オンライン請求も可、手数料480〜600円)
- 住民票の写し:市区町村役場で取得(3,000万円控除利用時)
- 取得費の証明書類:購入時の契約書・領収書など
書類の準備は売却が成立した時点から始められます。特に購入時の契約書は紛失しやすいため、売却を決めた段階で探しておくことをおすすめします。
不動産会社と税理士、相談すべきタイミングと役割分担
不動産売却の譲渡所得税に関する相談は、不動産会社と税理士で役割が異なります。適切なタイミングで適切な専門家に相談することが、スムーズな売却と節税につながります。
売却前に不動産会社へ相談すべきこと
不動産会社には、売却を検討し始めた段階でまず相談しましょう。
- 物件の査定額と売却価格の見通し
- 売却にかかる諸費用の概算
- 売却時期の最適なタイミング(所有期間5年超の判定を含む)
- 譲渡所得の概算と手取り額のシミュレーション
当社では、札幌の市場動向を踏まえた売却シミュレーションを無料査定の段階でご提供しています。税額の概算も含めて、売却後の手取り額をイメージしていただけます。
税理士に依頼すべきケースの判断基準
以下に該当する場合は、税理士への相談をおすすめします。
- 譲渡所得が高額(おおむね1,000万円以上)になる見込みの場合
- 相続した物件の売却で取得費の計算が複雑な場合
- 複数の特例の適用を検討している場合
- 過去に同特例を利用しており、再適用の可否を確認したい場合
- 事業用不動産の売却で減価償却が絡む場合
税理士への依頼費用は一般的に5万円〜15万円程度が相場です。譲渡所得が大きいほど節税効果も高くなるため、費用対効果を考慮して判断しましょう。
まずは不動産会社に相談し、売却価格や税額の概算を把握したうえで、必要に応じて税理士をご紹介するという流れが効率的です。
よくある質問
Q: 不動産を売却したら譲渡所得税はいくらかかりますか?
A: 譲渡所得税は「(売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除)× 税率」で計算します。税率は所有期間によって異なり、5年超の長期譲渡では約20.315%、5年以下の短期譲渡では約39.63%です。
たとえば札幌で2,500万円の不動産を売却し、取得費1,500万円・譲渡費用120万円の場合、長期譲渡なら約178万円が税額の目安となります。
Q: マイホーム売却で使える3,000万円特別控除の条件は?
A: 居住用財産の売却であること、住まなくなってから3年以内の売却であること、売却相手が配偶者や直系親族でないことなどが主な条件です。
過去2年間にこの特例を受けていないことも要件となります。札幌の一般的な価格帯であれば、この控除で譲渡所得税がゼロになるケースが多くあります。
Q: 取得費が不明な場合の譲渡所得税の計算はどうする?
A: 購入時の売買契約書が見つからない場合、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。ただし実際の購入価格より大幅に低くなることが多く、税負担が増加します。
たとえば2,500万円で売却した場合、概算取得費はわずか125万円です。契約書以外にも、金融機関の融資記録や登記情報などから取得費を推定できる場合がありますので、税理士に相談されることをおすすめします。
Q: 不動産売却後の確定申告はいつまでに必要ですか?
A: 売却した翌年の2月16日から3月15日までが確定申告の期限です。届出先は住所地を管轄する税務署で、e-Taxによるオンライン申告も利用できます。
3,000万円特別控除などの特例を利用する場合も確定申告が必須です。期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性がありますので、早めに準備を進めましょう。
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