土地の売却を検討していたところ、地中から古い浄化槽やコンクリート基礎が見つかった——。こうしたケースは札幌市内でも珍しくありません。
地下埋設物がある土地は「売れないのでは」と不安に感じる方が多いですが、適切な対応を取れば売却は十分に可能です。
この記事では、撤去すべきか現状のまま売るかの判断基準から、費用の相場、契約不適合責任のリスク、さらに買取という選択肢まで、売主様の意思決定に必要な情報を実務目線で解説します。
地下埋設物とは、地中に残された人工構造物の総称です。建物の解体後に基礎や配管が撤去されずに残っているケースが代表的です。
売却時に問題となりやすい地下埋設物には、以下のようなものがあります。
売却前に埋設物の有無を確認する方法は、主に3つあります。
調査の依頼先は、地歴調査は土壌汚染調査の専門会社、試掘調査は解体業者や地盤調査会社が一般的です。複数社から見積もりを取り、調査範囲と報告書の内容を事前に確認することをおすすめします。
地下埋設物が見つかった場合、売主様が最初に直面するのが「撤去してから売るか、そのまま売るか」という判断です。以下の条件を参考に検討してください。
撤去後は「埋設物なし」として売り出せるため、買主の不安が解消され、成約率が高まる傾向にあります。
そのまま売却する場合は、埋設物の内容・位置・推定撤去費用を重要事項説明書に明記することが重要です。隠して売却すると、後述する契約不適合責任を問われるリスクが高まります。
地下埋設物の撤去にかかる費用は、種類や規模によって大きく異なります。価格交渉の場面で根拠ある数字を示せるかどうかが、有利な条件を引き出す鍵になります。
撤去費用の見積もりは、最低でも2〜3社から取得することをおすすめします。業者によって費用に2倍以上の差が出ることも珍しくありません。
仲介売却の場合、撤去費用の負担は交渉次第で変わります。一般的な実務の流れは以下の通りです。
たとえば土地の相場価格が1,500万円で撤去費用が80万円の場合、1,420万円で現状渡しとするか、売主負担で撤去後に1,500万円で売却するか、いずれかを交渉で決定します。
売却にかかる費用の全体像については、売却の方法と費用のページもご参照ください。
2020年4月の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。地下埋設物に関しても、売主が負うリスクの範囲をしっかり理解しておく必要があります。
引渡し後に買主が地下埋設物を発見した場合、契約内容に適合しないとして、売主は以下の請求を受ける可能性があります。
買主が不適合を知ったときから1年以内に通知すれば、これらの請求が可能とされています。売却後も一定期間はリスクが残る点に注意が必要です。
個人間の売買では、契約書に「地下埋設物に関する契約不適合責任を免除する」旨の免責特約を設定することが可能です。
ただし、売主が埋設物の存在を知っていながら告知しなかった場合は、免責特約があっても責任を免れないとされています。事前調査の結果は正直に開示することが、結果的に売主自身を守ることにつながります。
なお、売主が事業者で買主が消費者の場合は、消費者契約法により免責特約が無効となるケースもありますので、契約内容は専門家に確認を依頼してください。
地下埋設物がある土地の売却では、不動産買取業者に直接売却するという方法も有力な選択肢です。仲介売却との違いを理解した上で、ご自身に合った方法を選んでください。
買取業者は埋設物の撤去工事を自社手配できるため、撤去費用を抑えたうえで再販するノウハウを持っています。売主様にとっては、撤去の手間も費用も不要になるのが大きなメリットです。
また、買取の場合は引渡し後の契約不適合責任を免責とする契約が多く、売却後のトラブルリスクを大幅に軽減できます。仲介では買い手がつきにくい土地でも、買取ならスムーズに現金化できる可能性があります。
当社でも、地下埋設物をはじめとするワケあり物件の買取に対応しております。詳しくはワケあり物件の売却ページをご覧ください。
北海道・札幌エリアには、積雪寒冷地ならではの地下埋設物リスクがあります。道内で土地の売却を検討されている方は、以下の点を確認してください。
札幌市の凍結深度は約60cmとされています。水道管が凍結しないよう、配管は凍結深度より深い位置に埋設されるのが基本です。
しかし、昭和30〜50年代に敷設された古い水道管は、当時の基準で埋設されており、現在の凍結深度基準を満たしていない場合があります。こうした配管が地中に放置されたまま売却されると、買主が新築時にトラブルを抱えることになります。
また、市街地エリアでも下水道整備が遅れた地域では、使用停止済みの浄化槽がそのまま埋まっているケースが少なくありません。
札幌では冬季の凍結・融解の繰り返しにより、地中の配管やコンクリート構造物が劣化しやすい傾向にあります。特に灯油タンクの地下埋設配管は、経年劣化による漏洩リスクが高く、土壌汚染につながるケースが報告されています。
北海道では「北海道公害防止条例」に基づく土壌汚染対策の規制があり、一定規模以上の土地の形質変更には届出が必要になる場合があります。JR沿線や地下鉄沿線の商業地では、過去に工場やガソリンスタンドがあった土地も多く、事前の地歴調査が特に重要です。
札幌で土地の売却をお考えの方は、土地売却の詳細ページもあわせてご確認ください。
ここまでの内容を踏まえ、地下埋設物がある土地を売却する際の基本的な流れを5つのステップで整理します。
当社では、地下埋設物がある土地の査定・売却相談を無料で承っております。撤去すべきかどうかの判断も含め、お気軽にご相談ください。
A: はい、地下埋設物がある土地でも売却は可能です。埋設物を撤去してから売る方法、現状のまま価格を調整して売る方法、買取業者に直接売却する方法など、複数の選択肢があります。
土地の状況や埋設物の種類に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
A: 一般的には売主が負担するケースが多いですが、交渉により買主負担や折半とすることも可能です。売却価格から撤去費用相当額を減額する方法もよく用いられます。
買取業者への売却であれば、撤去費用は業者が負担する場合がほとんどです。
A: 契約内容に適合しない場合、売主は契約不適合責任として撤去費用の負担や損害賠償を求められる可能性があります。買主が不適合を知ってから1年以内に通知すれば請求が認められ得ます。
個人間売買では免責特約を設定することも可能ですが、売主が埋設物の存在を知っていて告知しなかった場合は免責が認められません。
A: 主な方法は3つあります。過去の建物履歴を調べる地歴調査(5万〜15万円)、水道局やガス会社でのインフラ台帳確認(無料〜数千円)、実際に地面を掘る試掘調査(10万〜30万円)です。
まずは地歴調査とインフラ台帳確認を行い、埋設物の可能性が高い場合に試掘調査へ進むのが費用を抑える一般的な手順です。
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