不動産の売却では、購入検討者の多くが最初に掲載写真を見て、内覧するかどうかを決めます。写真の撮り方を少し工夫するだけで、物件の印象は大きく変わります。
この記事では、当社が札幌で掲載写真を撮影する際の実務ノウハウをもとに解説します。撮影前の準備、スマホの設定、物件種別ごとの必須カット、北海道ならではの冬の撮影方法までを順にご紹介します。
ポータルサイトで物件を探す方は、最初に写真で比較して候補を絞り込みます。まずは、写真が売却活動に与える影響を確認しましょう。
ポータルサイトの検索結果には、同じエリア・同じ価格帯の物件が数十件並びます。購入検討者は1件あたり数秒程度で写真を見比べ、詳細ページを開くかどうかを判断しています。
価格や間取りが近い物件どうしでは、写真の明るさや見やすさで反響に差が出ます。地下鉄沿線やJR沿線の人気エリアでは競合物件も多いため、写真の質がそのまま問い合わせ数に表れやすくなります。
当社では、掲載写真を撮影する際に次の3点を基準にしています。
この3点がそろっていれば、スマホでの撮影でも十分に伝わる写真になります。逆に1つでも欠けると、実物より狭く古い印象を与えてしまうことがあります。
写真の仕上がりは、撮影前の準備で7割ほど決まると当社では考えています。当日の段取りを時系列で整理しておくと、撮り直しを減らせます。
撮影の前日までに、写りに影響しやすい箇所を優先して整えましょう。
撮影当日は、次の順番で準備を進めるとスムーズです。
照明は電球色と昼白色が混ざると、写真の色味がまだらになります。可能であれば同じ色の照明にそろえておくと、自然な仕上がりになります。
戸建ての場合は、室内に加えて外構や庭の手入れも撮影前に済ませておきましょう。戸建ての売却について詳しく見る
最近のスマホは性能が高く、設定と構図を整えれば売却用の写真として十分に使えます。ここでは具体的な設定手順と、部屋別の撮り方をご紹介します。
なお、0.5倍の広角は端がゆがみやすいため、使いすぎると実物より広く見えてしまいます。当社では、広さを伝えつつ誇張にならない0.5〜0.7倍程度を目安にしています。
カメラを上や下に傾けると、壁が斜めに写り不自然になります。スマホを垂直に保ち、高さを変えて構図を調整するのがきれいに撮るコツです。
必要な写真は、マンション・戸建て・土地・空き家で異なります。種別ごとのチェックリストを参考に、撮り漏れを防ぎましょう。
マンションでは、専有部分に加えて共用部の写真が購入判断の材料になります。
マンション売却で押さえたい点は、こちらでも解説しています。マンション売却のポイント
戸建てでは、建物の外まわりと設備のカットが重要です。
土地は建物がない分、周辺環境や接道の状況を写真で伝えることが大切です。
空き家の場合は、室内の傷みや雨漏りの跡も正直に撮影しておくと、引き渡し後のトラブル防止につながります。マンション・戸建てで20〜30枚、土地で8〜12枚程度が当社の目安です。
居住中の物件は生活感が出やすく、個人情報が写り込むおそれもあります。空室とは撮り方を変え、掲載前の確認を丁寧に行いましょう。
掲載前には、次の項目が写っていないかを1枚ずつ確認します。
窓の外の景色から住所が特定されることもあります。眺望をアピールしたい場合は、建物名や看板がはっきり読めないよう構図を工夫します。
居住中に完全な空室状態をつくる必要はありません。床と水回りを優先し、目に入る私物を半分程度に減らすだけでも印象は変わります。
片付けた物は、撮影する部屋とは別の部屋や車に一時的に移すと効率的です。空室の場合は、照明器具がない部屋もあるため、撮影時間を日中に設定しましょう。
札幌では、例年11月下旬から4月頃まで積雪があり、冬は日照時間も短くなります。道内の物件を売却する際は、季節に合わせた撮影計画が欠かせません。
札幌の12月は、日の出が7時頃、日没が16時頃と、昼の時間が約9時間しかありません。冬の撮影は、自然光が入りやすい10時〜14時頃に行うのがおすすめです。
晴れた日の雪景色は反射で明るく写る一方、曇りの日は全体が暗く沈みがちです。外観は晴天の日を選び、室内は照明をすべてつけて明るさを補いましょう。
北海道では、雪のない時期に撮った外観や庭の写真が、冬の売却活動で役立ちます。売却を少しでも考えている方は、夏から秋のうちに写真を撮って保管しておきましょう。
市街地エリアの戸建てでは、除雪の手間を気にする購入検討者が多くいます。ロードヒーティングや融雪槽がある場合は、写真と説明文で伝えると評価につながりやすくなります。
最後に、反響を下げてしまうNG写真と、撮影を不動産会社に任せる場合のチェックポイントを整理します。
写真の枚数が少ないと、購入検討者は「何か隠しているのでは」と感じることがあります。ポータルサイトの掲載枠を活かし、最低でも15枚以上は掲載するのが当社の考えです。
撮影を不動産会社に依頼する場合は、事前に次の点を確認しておくと安心です。
撮影費用は仲介手数料に含まれることも多いですが、会社ごとに対応が異なります。売却にかかる費用の全体像は、こちらで確認できます。売却の方法と費用
不動産売却の写真の撮り方について、お客様からよくいただくご質問にお答えします。
A: 問題ありません。広角設定・グリッド線・HDRを活用し、水平を保って撮影すれば十分に伝わる写真になります。
明るさと構図を整えることが、機材よりも仕上がりを左右します。
A: 家具はそのままで構いませんが、床と水回りを優先して片付けましょう。目に入る私物を半分程度に減らすのが目安です。
表札や郵便物など、個人情報がわかる物は写らないようにしてください。
A: 雪のない時期に撮影した写真があれば、冬の写真と併用して掲載するのがおすすめです。
その際は「○月撮影」と撮影時期を注記し、現在の状況との違いがわかるようにしておきます。
A: 多くの不動産会社で撮影を依頼できます。当社でも、売却のご依頼をいただいた物件の掲載写真を撮影しています。
費用の有無や撮影範囲は会社ごとに異なるため、依頼前に確認しておくと安心です。
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