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2026/09/14
小規模宅地等の特例|330㎡まで8割減、誰が相続するかで条件が変わる
相続税の計算で、もっとも効果が大きいのが小規模宅地等の特例です。自宅の土地の評価額を8割減らせるため、この特例が使えるかどうかで税額がまるで変わります。
結論から言うと、亡くなった方が住んでいた土地なら330平方メートルまで評価額を80%減らせます。ただし「誰が相続するか」で条件が変わり、申告期限まで所有し続けることが条件になる場合があります。売る時期を決める前に、必ず確認してください。
以下は制度の考え方の説明です。適用の可否は個別の事情で変わります。必ず税理士か税務署にご確認ください。
3つの区分
住んでいた土地(特定居住用宅地等)
330平方メートルまで、評価額を80%減らせます。評価額3,000万円の土地なら、600万円として計算されるということです。
事業に使っていた土地(特定事業用宅地等)
400平方メートルまで80%減。店舗や工場など、亡くなった方が事業に使っていた土地が対象です。相続人が事業を引き継ぎ、申告期限まで続けることが条件になります。
貸していた土地(貸付事業用宅地等)
200平方メートルまで50%減。アパートや貸駐車場の土地です。相続開始前3年以内に貸し始めたものは、原則として対象外になります(もともと事業的規模で貸付を行っていた場合を除く)。「相続税対策で直前にアパートを建てる」が効かないようにするための決まりです。
住んでいた土地は、誰が相続するかで条件が変わる
配偶者が相続する場合
条件はありません。住み続ける必要も、所有し続ける必要もありません。すぐ売っても使えます。
同居していた親族が相続する場合
次の両方が条件です。
- 相続税の申告期限(10か月)まで、その家に住み続けること
- 申告期限まで、その土地を所有し続けること
つまり、申告期限より前に売ってしまうと使えません。ここがいちばん大きな落とし穴です。
同居していない親族が相続する場合
条件が厳しくなります。おおむね次のすべてを満たす必要があります。
- 亡くなった方に配偶者も、同居していた相続人もいないこと
- 相続開始前3年以内に、自分や配偶者、三親等内の親族、特別の関係がある法人が所有する家に住んでいないこと
- 相続開始時に住んでいる家を、過去に自分が所有していたことがないこと
- 申告期限まで、その土地を所有し続けること
この場合、住む必要はありませんが、所有し続ける必要があります。やはり申告期限より前に売ると使えません。
配偶者以外が相続する場合、相続税の申告期限(10か月)までは売らない。これが大原則です。納税資金のために急いで売ろうとして、かえって税額が増えることがあります。
老人ホームに入っていた場合
亡くなる前に施設へ入所していて、自宅が空き家になっていた場合でも、次の条件を満たせば「住んでいた土地」として扱われます。
- 要介護認定または要支援認定などを受けていたこと
- 入所していたのが、一定の要件を満たす老人ホームなどであること
- 入所後、その家を人に貸したり、事業に使ったりしていないこと
空いているからと誰かに貸すと、この特例が使えなくなります。認定の記録と入所の時期は、必ず保管しておいてください。
二世帯住宅の注意点
親子で二世帯住宅に住んでいた場合、建物が区分登記されているかどうかで扱いが変わることがあります。
- 一棟の建物として登記されている/内部で行き来できなくても、同居として扱われるのが基本です
- 区分登記されている/親の部分と子の部分が別々の建物として登記されていると、同居として扱われず、使える範囲が狭くなることがあります
登記の状態は、登記事項証明書で確認できます。二世帯住宅にお住まいなら、いま確かめておいてください。
複数の区分を併せて使う場合
自宅の土地と、事業や貸付の土地を両方持っている場合、それぞれの限度面積をそのまま足せるわけではありません。
- 住んでいた土地(330平方メートル)と事業用(400平方メートル)は、合わせて730平方メートルまで使えます
- 貸付事業用を混ぜる場合は、面積の調整計算が必要になります
どの土地に優先して使うかで税額が変わります。評価額の高い土地から使うのが基本ですが、減額割合も違うため、必ず両方で計算してもらってください。
申告しないと使えない
この特例を使って税額がゼロになる場合でも、相続税の申告は必要です。期限は相続開始から10か月。申告しなければ適用されません。
また、誰が何を相続するかが決まっていないと使えません。申告期限までに遺産分割がまとまらない場合は、いったん未分割で申告し、あとから手続きをやり直すことになります。その際の届出が必要なので、税理士にご相談ください。
売る時期をどう決めるか
- 相続税がかかるかを確かめる/基礎控除を超えなければ、特例を気にする必要はありません
- この特例が使えるかを確かめる/誰が相続するかで変わります
- 使えるなら、申告期限(10か月)まで所有する/配偶者が相続する場合を除きます
- 期限を過ぎてから売り出す/準備は期限前から進められます
売却の準備そのものは、期限前から進めてかまいません。片付け、書類集め、査定、価格の検討。引き渡しが期限後になるように日程を組めば大丈夫です。
札幌では季節も合わせる
買い手の動きが強くなるのは2〜3月と9〜10月です。申告期限の明ける時期と、この季節が合うように逆算してください。測量が必要なら、積雪期にできないことも日程に入れます。
よくあるご質問
どれくらい評価が下がりますか。
亡くなった方が住んでいた土地なら、330平方メートルまで評価額を80%減らせます。評価額3,000万円の土地なら600万円として計算されます。
相続してすぐ売っても使えますか。
配偶者が相続する場合は使えます。それ以外の方が相続する場合は、相続税の申告期限(10か月)まで所有し続けることが条件なので、期限前に売ると使えません。
同居していなくても使えますか。
条件を満たせば使えます。亡くなった方に配偶者も同居の相続人もいないこと、相続開始前3年以内に自分や親族などが所有する家に住んでいないこと、申告期限まで所有し続けることなどが必要です。
親が老人ホームに入っていました。
要介護認定などを受けていたこと、入所後にその家を人に貸したり事業に使ったりしていないことなどを満たせば、住んでいた土地として扱われます。認定の記録と入所時期は保管してください。
空き家のあいだ、人に貸してもよいですか。
避けてください。貸すと、住んでいた土地としての扱いが受けられなくなります。相続後に空き家の3,000万円特別控除を使う場合も同様に対象外になります。
二世帯住宅ですが使えますか。
建物が一棟として登記されていれば、内部で行き来できなくても同居として扱われるのが基本です。区分登記されていると使える範囲が狭くなることがあります。登記事項証明書でご確認ください。
アパートの土地にも使えますか。
貸付事業用宅地等として、200平方メートルまで50%減らせます。ただし相続開始前3年以内に貸し始めたものは原則として対象外です。
特例で税金がゼロになるなら申告は不要ですか。
必要です。申告しなければ適用されません。また、誰が何を相続するかが決まっていないと使えません。
売る時期を決める前に、金額を確かめる
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