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2026/09/14
売買契約で売主が確認する4つ|手付・ローン特約・契約不適合・引き渡し
買主が決まり、いよいよ売買契約。分厚い契約書を前にして、どこを見ればいいのか分からないという方がほとんどです。
結論から言うと、売主が必ず確認すべきは「手付と違約金」「ローン特約」「契約不適合責任」「引き渡しの条件」の4つです。そして、もうひとつ。売主が自分で書く物件状況報告書が、あとあといちばん効きます。順に説明します。
1. 手付金と違約金
手付解除
契約のときに買主から受け取るお金が手付金です。相手が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して、契約を解除できます。
契約書には「手付解除ができる期日」が書かれているのが通常です。いつまでかを確認してください。
違約金
手付解除の期日を過ぎてから、正当な理由なく契約を破った場合にかかります。売買代金の10%から20%程度とされることが多くあります。売主が破った場合も、同じように払うことになります。
「やっぱり売るのをやめたい」が、大きな負担になるということです。契約する前に、本当に売る意思が固まっているかを確かめてください。
2. ローン特約(融資利用の特約)
白紙に戻る条項
買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合、契約が白紙に戻り、手付金も返すという取り決めです。売主にとっては、契約したのに振り出しに戻るリスクになります。
確認すること
- 期限(融資利用の期日)/いつまでに結果が出るのか。長すぎないか
- 金融機関と借入額が特定されているか/「どこでもいくらでも」だと、いつまでも解除できる状態になります
- 買主が事前審査を通っているか/通っていれば、白紙になる可能性は下がります
この期間は、他の買主に売ることができません。期限が長いほど、売主の時間が拘束されます。
3. 契約不適合責任
引き渡し後の不具合について
雨漏り、シロアリ、給排水管の故障、建物の傾き。引き渡し後に見つかった場合に、売主がどこまで責任を負うかの取り決めです。
期間を区切るのが通常
個人が売主の場合、引き渡しから3か月程度に限るといった形で期間を区切ることが多くあります。対象を主要な設備に限る、といった定め方もあります。
知っていて伝えなかったことは免責されない
ここが最も大事な点です。免責の取り決めがあっても、売主が知っていたのに伝えなかった不具合については、責任を免れません。
不利に思えることほど、契約の前に伝えてください。伝えたうえで契約すれば、あとから責任を問われることはありません。黙っていたほうが、はるかに高くつきます。
4. 引き渡しの条件
- 引き渡しの時期/住みながら売る場合は、次の住まいの日程と合わせます
- 残置物の扱い/何を残してよいか。屋内だけか、物置や庭木も含むか
- 境界の明示/確定測量を売主が行う条件になっていないか
- 抵当権の抹消/決済と同時に行います
- 公租公課の精算/固定資産税の起算日を1月1日とするか4月1日とするか
いちばん効くのは物件状況報告書
売主が自分で書く書類
告知書とも呼ばれます。建物と土地の状態について、売主が知っていることを書いて買主に渡します。ここに書いたかどうかが、あとで争いになったときの分かれ目になります。
書く内容
- 雨漏り、水漏れの有無と履歴
- シロアリの被害、床の傾き
- 給排水管の故障、凍結の履歴
- 増改築、リフォームの履歴
- 境界の状況、越境の有無
- 近隣との申し合わせ、騒音や臭気
- 過去の浸水、地盤沈下
- 建物内で人が亡くなったことがあるか
付帯設備表も合わせて
エアコン、給湯器、暖房設備、照明、換気扇、食洗機、物置。何を残していくか、それが動くかどうかを一覧にします。「残していくが故障している」と書いてあれば、あとで直せと言われることはありません。
この2枚は、不動産会社が代わりに書くものではありません。売主ご本人が、思い出しながら書きます。面倒でも、ここを丁寧に書いておくことが、いちばん確実な自己防衛になります。
そのほかの条項
危険負担
契約から引き渡しまでのあいだに、地震や火災で建物が壊れた場合の扱いです。売主の責任でない事由で引き渡せなくなったときは、契約を解除できると定められるのが通常です。
反社会的勢力の排除
お互いがそうでないことを表明する条項です。標準的な契約書には必ず入っています。
特約
個別の事情に応じた取り決めです。「相続登記の完了を条件とする」「農地法の許可が下りることを条件とする」といったものがここに入ります。口頭で合意したことは、必ず特約として書面に残してください。
札幌で契約するときに
冬の引き渡しは除雪の分担を決める
引き渡しまでの敷地の除雪は、通常は売主の負担です。引き渡し日当日に雪が積もっていて入れない、ということがないよう、いつまで誰が行うかを決めておいてください。
境界の明示が春待ちになる
「引き渡しまでに境界を確定する」という条件で冬に契約すると、積雪期は測量も立会いもできず、春まで動けません。引き渡しの期日を決める前に、この点を確認してください。
灯油タンクの残油
残していくのか、空にするのか。付帯設備表に書いておいてください。
よくあるご質問
契約したあとで、やめることはできますか。
手付解除の期日までなら、受け取った手付金の倍額を返すことで解除できます。期日を過ぎると違約金の対象になり、売買代金の10%から20%程度になることが多くあります。
ローン特約とは何ですか。
買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合、契約が白紙に戻り手付金も返す、という取り決めです。期限と、金融機関や借入額が特定されているかを確認してください。この期間は他の買主に売れません。
引き渡し後に雨漏りが見つかったら責任を負いますか。
契約でどう定めるかによります。個人が売主の場合、期間を区切ることが多くあります。ただし知っていて伝えなかった不具合については、免責の定めがあっても責任を免れません。
物件状況報告書は誰が書きますか。
売主ご本人が書きます。不動産会社が代わりに書くものではありません。雨漏り、シロアリ、傾き、凍結の履歴、越境、近隣との申し合わせなど、知っていることを書いて買主に渡します。
古い設備を残していきたいのですが。
付帯設備表に「残すが故障している」と書いておいてください。書いてあれば、あとから直せと言われることはありません。
口頭で約束したことは有効ですか。
契約書の特約として書面に残してください。口頭のままだと、あとで行き違いになります。
固定資産税の精算はどうなりますか。
引き渡し日を基準に日割りで買主から受け取ります。起算日を1月1日とするか4月1日とするかで金額が変わるため、契約書をご確認ください。
冬に引き渡す予定です。注意点はありますか。
引き渡しまでの敷地の除雪は通常は売主の負担です。いつまで誰が行うかを決めておいてください。また「引き渡しまでに境界を確定する」という条件だと、積雪期は測量ができず春まで動けません。
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