新着情報~ 空き物件売却隊からのお知らせ ~
2026/09/14
擁壁のある傾斜地を売る|札幌の凍上による傷みと価格への影響
結論から書きます。傾斜地や擁壁のある土地は売れますが、擁壁の状態が価格を左右します。古い擁壁が現行の基準に合っていないと、買主は建て替えのときに擁壁ごと造り直す費用を見込みます。数百万円から1,000万円を超えることもあり、その分が価格から引かれます。
札幌は坂の多い街です。南区の真駒内から石山、藤野のあたり、西区の宮の森から西野、中央区の伏見から旭ケ丘、そして手稲区の山側。眺めの良さと引き換えに、擁壁、階段、冬の坂道という条件がついてきます。売るときは、この条件を隠さずに、どう扱うかを先に決めておくことが大事です。
擁壁で確認する5つのこと
いつ、誰が造ったか
宅地造成のときに開発業者が造ったのか、あとから個人が積んだのか。開発許可を受けて造られた擁壁なら、検査の記録が残っています。札幌市に確認できます。
擁壁の種類
- 鉄筋コンクリート擁壁 もっとも安心。設計図と検査記録があれば理想的
- 間知ブロック積み 札幌でよく見る形。造られた時期と勾配による
- 大谷石積み・玉石積み 古いもの。現行基準を満たさないことが多い
- 二段擁壁 上下で別々に積まれたもの。基準上の扱いが難しい
高さと勾配
高さ2メートルを超える擁壁は、宅地造成に関する工事の許可の対象になります。高さがあるほど、造り直すときの費用も大きくなります。
水抜き穴があるか
擁壁の背面にたまった水を逃がす穴です。これがない、または詰まっていると、水圧で擁壁が押されて傾きます。札幌では雪解け水が背面にたまるため、水抜きの機能は特に重要です。
変形やひび、はらみ出しがないか
擁壁の一部が前にせり出している、縦にひびが入っている、目地がずれている。こうした症状があれば、専門家の診断が必要です。放置すると崩れる危険があります。
擁壁の所有者が誰かも確認してください。隣地との境にある擁壁が、上の土地の所有者のものなのか、下の土地の所有者のものなのかで、造り直しの費用負担が変わります。登記簿と現地の位置関係、過去の経緯を整理しておいてください。
札幌特有の傷み方
凍上による押し出し
擁壁の背面の土が凍って膨らみ、擁壁を前に押し出します。毎年これを繰り返すと、少しずつ前傾していきます。札幌の古い擁壁で最も多い傷み方です。
融雪水による洗掘
春の雪解け水が擁壁の足元を削り、基礎が露出することがあります。足元をよく見てください。
凍害によるコンクリートの劣化
表面がぼろぼろと剥がれ、中の骨材が見えている状態です。水を吸って凍結と融解を繰り返した結果です。
傾斜地そのものの評価
擁壁以外にも、傾斜地には価格に効く条件があります。
- 道路との高低差 道路から敷地まで階段を何段上がるか。玄関まで20段を超えると敬遠される
- 駐車スペース 道路面に平らに停められるかどうか。札幌では車が前提なので影響が大きい
- 日当たりと眺望 南向きの斜面なら大きな利点になる
- 冬の坂道 急な坂の途中にある家は、冬に車が上がれないことがある
- 除雪の手間 階段の除雪は毎日の負担になる
眺望が良いことは大きな強みです。藻岩山や札幌の街並みが見える家は、それだけを目的に探している方がいます。傾斜地の欠点だけを見ず、利点も整理して伝えてください。
冬に内見してもらうと、坂道の状態と階段の除雪の現実がそのまま見えます。良い条件の家なら冬でも自信を持って見せられますが、坂がきつい家は雪のない時期に売るほうが有利です。物件によって、売り出す季節を選ぶ価値があります。
土砂災害警戒区域との関係
傾斜地の多くは、土砂災害警戒区域または特別警戒区域に指定されている可能性があります。特別警戒区域では、建物の構造に制限がかかり、建て替えの費用が上がります。売買のときには必ず説明されます。
- 指定の有無を、札幌市の情報で確認する
- 警戒区域なのか特別警戒区域なのかを区別する
- 該当する図面を印刷して、買主に渡せるようにする
売るときの3つの進め方
現況のまま売る
擁壁の状態を正直に伝え、造り直しの費用を買主が見込む前提で価格を決めます。手間はかかりませんが、買主は最大の費用を想定するため、価格は低めになります。
診断書をつけて売る
建築士や専門業者に擁壁の状態を診断してもらい、報告書をつけて売る方法です。費用は数万円から十数万円ですが、買主の不安が具体的な数字に変わるため、値引きの幅を抑えられます。とくに、造り直しの必要がないと判断された場合の効果は大きくなります。
そのまま買い取ってもらう
擁壁の造り直しに費用がかかることがわかっていて、自分では手を入れたくない場合は、現状のまま引き取ってもらう方法があります。当社では傾斜地や擁壁のある土地も買い取っています。
売る前にやることのまとめ
- 擁壁の高さ、種類、造られた時期を確認する
- 札幌市に、開発許可や検査の記録が残っているか問い合わせる
- 水抜き穴の有無と詰まりを見る
- 変形、ひび、はらみ出しがないか写真を撮っておく
- 擁壁が誰の所有かを、登記簿と現地で確認する
- 土砂災害警戒区域の指定を確認する
- 道路から玄関までの段数と、駐車スペースを整理する
- 必要なら擁壁の診断を受ける
ここまでそろえてから売り出すと、買主の質問に答えられます。逆に、擁壁のことを何も知らないまま売り出すと、買主も金融機関も判断ができず、話が止まります。
擁壁の安全性の判断は建築士または専門業者に、開発許可と区域の指定は札幌市の担当課にご確認ください。ここでは売却実務での確認事項を整理しています。
よくあるご質問
擁壁のある土地は売れますか。
売れます。ただし擁壁が現行の基準に合っていないと、買主は造り直しの費用を見込みます。数百万円から1,000万円を超えることもあり、その分が価格から引かれます。
擁壁の状態はどう確認すればいいですか。
高さ、種類、造られた時期、水抜き穴の有無、変形やひび、はらみ出しの有無を見てください。開発許可を受けて造られたものなら、札幌市に検査の記録が残っています。
札幌の擁壁でよくある傷み方は何ですか。
背面の土が凍って膨らみ、擁壁を前に押し出す凍上です。毎年繰り返すうちに前傾していきます。融雪水による足元の洗掘や、凍害によるコンクリートの劣化もよく見られます。
擁壁は誰のものですか。
登記簿と現地の位置関係、過去の経緯で決まります。上の土地の所有者のものか下の所有者のものかで、造り直しの費用負担が変わるため、売る前に整理しておいてください。
診断を受けたほうがいいですか。
費用は数万円から十数万円ですが、買主の不安が具体的な数字に変わるため、値引きの幅を抑えられます。造り直しの必要がないと判断された場合の効果は特に大きくなります。
傾斜地は価格が下がりますか。
道路からの高低差、階段の段数、駐車スペースの有無、冬の坂道の状況で変わります。一方で南向き斜面の眺望は強みになります。欠点だけでなく利点も整理して伝えてください。
土砂災害警戒区域に入っていますが売れますか。
売れます。ただし特別警戒区域では建物の構造に制限がかかり、建て替え費用が上がります。指定の有無と種類を確認し、図面を印刷して買主に渡せるようにしてください。
擁壁を直さずに売れますか。
売れます。現況を正直に伝えて価格に反映する方法と、そのまま買い取ってもらう方法があります。当社では傾斜地や擁壁のある土地も、工事をせずそのまま買い取っています。
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