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2026/09/14
相続した不動産を売るまでの流れ|相続登記から引き渡しまでの手順と期間
先に全体像を書きます。相続した不動産を売るまでには、大きく4つの段階があります。相続人を確定する、遺産分割を決める、相続登記をする、売却する。この順番は入れ替えられません。売却の話から始めても、登記が終わっていなければ契約できないからです。
札幌の場合、ここに冬という要素が加わります。雪のあいだは測量も境界の立会いもできず、屋根や基礎の状態も見えません。相続の手続きを冬に進めて、雪解けと同時に売り出す。この段取りを組めると、時間を無駄にせずに済みます。
全体の流れと目安の期間
- 相続人の確定(戸籍を集める) 1か月から2か月
- 相続財産の調査 2週間から1か月
- 遺産分割協議 1か月から数か月(まとまらないと年単位)
- 相続登記 2週間から1か月
- 売却活動 1か月から6か月
- 契約から引き渡し 1か月から2か月
順調に進んでも半年前後、相続人が多い、疎遠な方がいる、といった事情があると1年以上かかります。相続税の申告期限が10か月なので、税金がかかる規模なら、最初から日程を逆算して動く必要があります。
第1段階 相続人を確定する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集め、相続人が誰かを確定します。本籍地を何度も移している方だと、複数の市町村に請求することになり、時間がかかります。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の住民票または戸籍の附票
ここで、思いがけない相続人が出てくることがあります。前の配偶者との子、認知した子。実際に起こる話です。集め終えるまで、遺産分割の話は始められません。
法務局で法定相続情報一覧図を作っておくと、以後の手続きが楽になります。戸籍の束を何度も出さなくても、この1枚で済みます。金融機関の手続きでも使えるので、早めに作っておいてください。
第2段階 財産を調べる
不動産だけでなく、預貯金、有価証券、借入金も調べます。不動産は、固定資産税の納税通知書と、市町村で取れる名寄帳で確認します。納税通知書には載らない非課税の土地(私道など)もあるため、名寄帳のほうが確実です。
- 固定資産税の納税通知書
- 名寄帳(市町村の資産税課で取得)
- 登記事項証明書、公図、地積測量図
- 権利証または登記識別情報
札幌市外に土地があるケースもよくあります。親が道内の実家を持ったままだった、という話です。名寄帳は市町村ごとなので、思い当たる場所にはそれぞれ請求してください。
第3段階 分け方を決める
遺言書があればそれに従います。なければ、相続人全員の話し合いで決め、遺産分割協議書を作ります。不動産の分け方には3つの型があります。
1人が取得する
誰か1人の名義にします。もっとも単純で、売却もしやすい形です。他の相続人には、預貯金や現金で調整します。
共有にする
持分を分けて全員の名義にします。手続きは簡単ですが、売るときに全員の同意が必要になり、次の相続でさらに人数が増えます。おすすめできません。
換価分割にする
売って現金にしてから分ける方法です。全員が納得しやすく、相続不動産の売却ではもっともよく使われます。協議書に、売却して代金を分けることと、その割合を明記します。
換価分割にする場合、登記の名義を代表者1人にするか、全員の共有にするかを選べます。代表者1人にすると売却の手続きは楽ですが、協議書の書き方を誤ると、他の相続人への分配が贈与とみなされる恐れがあります。必ず司法書士と税理士に確認してから進めてください。
第4段階 相続登記をする
2024年4月から相続登記は義務になりました。取得を知った日から3年以内に申請しなければ、過料の対象になります。売るためにも、名義を変えなければ契約できません。
- 費用は司法書士報酬が6万円から12万円程度
- 登録免許税が固定資産税評価額の0.4パーセント
- 期間は書類がそろってから2週間から1か月
第5段階 売却する
登記が終われば、通常の売却と同じです。ただし相続物件では、次の点を先に片づけておくと進みが早くなります。
- 家財の整理(残置物をどうするか)
- 建物の状態の確認(雨漏り、傾き、シロアリ)
- 境界の確認と測量の要否
- 未登記の増築部分がないか
- 古い抵当権や仮登記が残っていないか
売主が実家に住んでいなかった場合、建物の状態はわかりません。物件状況報告書には、相続により取得したため居住歴がなく状況を把握していない、とはっきり書きます。そのうえで、建物については契約不適合責任を負わない特約を入れるのが一般的です。
税金で見落としやすい2つ
相続した空き家の3,000万円特別控除
一定の要件を満たす相続した実家を売る場合、譲渡所得から3,000万円を差し引ける制度があります。耐震改修するか取り壊すこと、相続から3年目の年末までに売ること、といった要件があります。市区町村が発行する確認書も必要です。要件は細かいので、売る前に税理士に確認してください。
取得費加算の特例
相続税を納めた場合、その一部を取得費に加算できる制度です。相続の開始から3年10か月以内に売ることが要件です。相続税を払ったなら、必ず検討してください。
どちらの特例も期限があります。空き家のまま何年も置いておくと、使えたはずの制度が使えなくなります。数百万円の差になることもあるので、期限は最初に確認してください。
札幌での日程の組み方
冬に手続き、春に売却。これが基本の形です。
- 11月から3月 戸籍集め、遺産分割協議、相続登記、家財整理を進める
- 4月中旬 雪が消えたら建物と敷地を確認する。必要なら測量に着手する
- 4月から6月 売り出す。春の需要期に間に合う
- 9月から10月 春を逃した場合の次の需要期
逆に、冬に売り出すと、買主が屋根も基礎も庭も見られません。そのぶん値引きを求められやすくなります。急ぐ理由がなければ、雪解けを待つほうが有利です。
まとめ
- 戸籍を集めて相続人を確定する
- 名寄帳で不動産をもれなく把握する
- 遺産分割の方法を決める(換価分割が多い)
- 相続登記をする(3年以内の義務)
- 家財を整理し、建物と境界を確認する
- 特例の期限を確認したうえで売る
当社では、相続した家をそのままの状態で買い取っています。家財が残っていても、建物が傷んでいても構いません。相続人が遠方にお住まいの場合も、必要な書類のやりとりだけで進められます。
相続の手続きは司法書士に、税金の扱いと特例の適用は税理士または税務署に、もめている場合は弁護士にご確認ください。ここでは売却までの全体の流れを整理しています。
よくあるご質問
相続した家を売るまでどれくらいかかりますか。
順調に進んでも半年前後です。相続人が多い、疎遠な方がいるといった事情があると1年以上かかります。相続税の申告期限は10か月なので、逆算して動いてください。
登記をしないまま売れますか。
売れません。名義が亡くなった方のままでは契約できません。2024年4月から相続登記は義務になり、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。
相続人全員の同意が必要ですか。
遺産分割の段階で全員の同意が必要です。分け方が決まって1人の名義にすれば、その後の売却はその方だけで進められます。
売って現金で分けることはできますか。
換価分割といいます。相続不動産の売却ではもっともよく使われる方法です。協議書に、売却して代金を分けることと割合を明記してください。
共有名義にしておくのはどうですか。
おすすめしません。売るときに全員の同意が必要になり、次の相続でさらに人数が増えます。
どんな税金の特例がありますか。
相続した空き家の3,000万円特別控除と、相続税の取得費加算の特例があります。どちらも期限があるため、放置すると使えなくなります。適用の可否は税理士にご確認ください。
建物の状態がわかりません。どう伝えればいいですか。
物件状況報告書に、相続により取得したため居住歴がなく状況を把握していないとはっきり書きます。そのうえで建物については契約不適合責任を負わない特約を入れるのが一般的です。
遠方に住んでいて札幌まで行けません。
書類のやりとりだけで進められます。当社では、相続した家を家財が残ったまま買い取っており、現地の確認もこちらで行います。まずは今の状態でいくらになるかをご確認ください。
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