新着情報~ 空き物件売却隊からのお知らせ ~
2026/09/14
賃貸中の家を空室にしてから売るか|立退料と定期借家への切り替え
結論から書きます。入居者がいる家を空室にしてから売ると、価格は上がります。ただし、出て行ってもらうには正当な事由が必要で、簡単ではありません。借地借家法は借主を強く守っているため、貸主の都合だけでは契約を終わらせられません。
目安として、同じ物件でも、空室で自分が住める状態なら実需の買主が付き、入居者がいたままなら投資家しか買えません。その差は1割から3割になることがあります。一方で、立退料と空室期間の負担を考えると、必ずしも空室にするほうが得とは限りません。数字を並べて比べてください。
なぜ空室のほうが高いのか
- 自分で住みたい買主が検討できる(買主の数が増える)
- 買主が住宅ローンを使える(投資用ローンより金利が低く、審査も通りやすい)
- 室内を見せられるので、判断してもらいやすい
- リフォームして住む前提の買主にも売れる
入居者がいる場合、買主は投資目的に限られ、価格は家賃収入からの利回りで計算されます。札幌の中古住宅の利回りの水準から逆算されるため、実需の相場より低く出るのが普通です。
契約を終わらせる方法
更新のタイミングで解約を申し入れる
普通借家契約では、期間満了の1年前から6か月前までに、貸主から更新しない旨を通知します。ただし、この通知だけでは終わりません。正当な事由が必要です。
正当な事由とは
- 貸主が自分でその建物を使う必要がある
- 建物が老朽化して、安全上の問題がある
- これまでの経緯(家賃の滞納、用法違反など)
- 立退料の申し出
実務では、立退料を出すことで正当な事由を補うのが一般的です。金額は、引っ越し費用、新しい住まいの敷金礼金と仲介手数料、家賃の差額の補填などを積み上げて決まります。
話し合いで合意解約する
もっとも現実的です。入居者に事情を説明し、退去の時期と条件を話し合って決めます。相手に転居の予定があれば、すんなりまとまることもあります。合意したら、必ず書面にしてください。
入居者との交渉は、感情がからむと止まります。家賃を上げると言われるのではないか、追い出されるのではないかと身構えられるためです。最初から、退去をお願いしたい理由と、こちらが負担できる範囲を、はっきり伝えるほうが早くまとまります。
立退料の考え方
法律で決まった金額はありません。実務では、次の項目を積み上げて話し合います。
- 引っ越し費用
- 新しい住まいの敷金・礼金・仲介手数料
- 家賃の差額(同等の物件が高い場合)
- その物件に長く住んでいることへの配慮
- 店舗や事業用なら、営業を移すことによる損失
住宅の場合、家賃の6か月分から12か月分程度が一つの目安として語られますが、事情によって上下します。相手が高齢で転居先を見つけにくい、長年住んでいる、といった場合は大きくなりがちです。
札幌では、転居の時期にも配慮が要ります。冬に引っ越しを求めるのは、相手にとって負担が大きく、話がまとまりにくくなります。春か秋を目標に、半年以上前から話を始めるのが現実的です。
空室にせずに売るという選択
立退きに時間も費用もかかるなら、入居者がいるまま売る方法があります。オーナーチェンジといい、買主は投資家です。
- 立退料が不要
- 空室期間の家賃の損失がない
- すぐに売り出せる
- ただし価格は実需相場より下がる
どちらが得かは、次の計算で比べられます。(空室で売れる価格)−(立退料)−(空室期間の家賃) と (入居者がいたまま売れる価格) のどちらが大きいか。ここに、時間と手間をどう評価するかを加えて判断します。
定期借家への切り替え
将来売るつもりがあるなら、契約を定期借家に切り替えておく方法があります。定期借家は期間満了で必ず終わるため、正当な事由も立退料も不要です。
- 切り替えには、入居者の合意が必要
- 合意が得られないことも多い
- 家賃を下げる条件と引き換えにすることがある
- 公正証書など、書面での契約が必要
新しく入居者を募集するときに、はじめから定期借家にしておくのがもっとも確実です。ただし、借り手が絞られ、家賃も下がる傾向があります。
やってはいけないこと
- 鍵を替えて入れないようにする
- 荷物を勝手に運び出す
- 水道や電気を止める
- 頻繁に訪問して退去を迫る
いずれも違法です。賃料の滞納がある場合でも、手順を踏まずに明渡しを実力で行うことはできません。滞納が続いているなら、契約解除と明渡しの手続きを弁護士に相談してください。
入居者との交渉が長引きそうなとき、売主が一人で抱えると消耗します。不動産会社や弁護士を間に入れると、話が事務的に進み、結果的に早くまとまることが多いところです。
売るときに引き継ぐもの
入居者がいるまま売る場合、貸主の地位が買主に引き継がれます。次のものを整理して渡してください。
- 賃貸借契約書
- 敷金の預かり残高(決済で買主に引き継ぐ)
- 家賃の入金状況と滞納の有無
- 管理会社との契約
- 入居者への通知(貸主が変わったことと、新しい振込先)
家賃は、引き渡し日を境に日割りで精算します。敷金は買主に引き継ぐため、その分を決済で差し引きます。
売る前にやることのまとめ
- 空室で売った場合と、入居者がいたまま売った場合の価格を両方確認する
- 立退料の相場と、空室期間の家賃の損失を見積もる
- 差し引きでどちらが有利かを比べる
- 空室にするなら、半年以上前から話し合いを始める
- 札幌では、退去の時期を春か秋に設定する
- 合意したら必ず書面にする
当社では、入居者がいるままの物件も買い取っています。立退きの交渉が不要で、そのまま引き渡せます。空室にしてから売る場合と、どちらが手元に残るかを、まず数字で比べてみてください。
立退きの正当な事由の判断、契約解除や明渡しの手続きについては弁護士にご確認ください。税金の扱いは税理士にご確認ください。ここでは売却実務での考え方を整理しています。
よくあるご質問
入居者がいる家は空室にしてから売るべきですか。
空室のほうが価格は上がりますが、立退料と空室期間の家賃を引くと、必ずしも得とは限りません。両方の価格を出して、差し引きで比べてください。
入居者に出て行ってもらえますか。
普通借家契約では、貸主の都合だけでは終わらせられません。正当な事由が必要で、実務では立退料を出すことでこれを補います。まずは話し合いによる合意解約が現実的です。
立退料はいくらくらいですか。
法律で決まった金額はありません。引っ越し費用、新しい住まいの初期費用、家賃の差額などを積み上げて話し合います。住宅なら家賃の6か月分から12か月分程度が一つの目安として語られます。
どのくらい前から話を始めればいいですか。
半年以上前が目安です。札幌では冬の引っ越しは相手の負担が大きく、話がまとまりにくいため、退去の時期は春か秋に設定してください。
家賃を滞納しています。すぐ追い出せますか。
鍵を替える、荷物を運び出す、水道や電気を止めるといった行為は違法です。契約解除と明渡しの手続きを弁護士にご相談ください。
定期借家に切り替えられますか。
入居者の合意があれば可能です。合意が得られないことも多く、家賃を下げる条件と引き換えにすることがあります。新しく募集するときに、はじめから定期借家にしておくのが確実です。
入居者がいるまま売ると何を引き継ぎますか。
賃貸借契約、敷金の預かり残高、管理会社との契約が買主に引き継がれます。家賃は引き渡し日を境に日割りで精算し、敷金は決済で差し引きます。
立退きの交渉をしたくありません。
入居者がいるままの状態で買い取る方法があります。当社ではそのまま引き取っていますので、交渉は不要です。空室にして売る場合と、どちらが手元に残るかを比べてみてください。
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