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2026/09/14
底地(貸している土地)の売却|借地人に売る場合と第三者に売る場合の価格差
結論から書きます。底地、つまり人に貸している土地も売れます。ただし、第三者に売ると価格は大きく下がります。目安として、更地価格の1割から3割程度です。一方で、借地人に買ってもらえば、更地価格の4割から5割程度で売れることがあります。
底地は、地代が入るとはいえ、固定資産税を引くと手元に残る額はわずかです。相続のたびに権利が細かくなり、次の世代が扱いに困ることも多くあります。持ち続けるか整理するかを、一度きちんと考えておく価値があります。
底地とは
借地権が設定されている土地の、地主側の権利のことです。土地は自分のものですが、その上には借地人の建物が建っており、自由に使うことも、更地にすることもできません。
地主にできること
- 地代を受け取る
- 更新のときに更新料を受け取る(契約に定めがあれば)
- 借地人が建て替えや譲渡をするときに承諾料を受け取る
- 底地を第三者に売る(借地人の承諾は不要)
地主にできないこと
- 正当な事由なく契約を終わらせること
- 建物を撤去させること
- 土地を自分で使うこと
底地を売るのに、借地人の承諾は要りません。土地の所有権を売るだけだからです。ただし、売ったあとに借地人が新しい地主ともめると、話がこじれます。事前に一報を入れておくほうが、結果的に円満に進みます。
売り先による価格の差
借地人に売る 更地価格の4割から5割
もっとも高く売れる相手です。借地人にとっては、底地を買えば完全な所有権になり、土地の価値が一気に上がります。地代も承諾料も不要になります。双方に利益があるため、話がまとまりやすい形です。
第三者(底地を扱う業者)に売る 更地価格の1割から3割
買主にとっては、地代しか入らず、自由に使えない土地です。そのため価格は低くなります。ただし、確実に現金化でき、手間もかかりません。
借地権と一緒に売る 更地価格に近い
地主と借地人が協力して、完全な所有権の土地として第三者に売る方法です。売却代金を、借地権割合に応じて分けます。もっとも高い総額になりますが、双方の合意が必要です。
等価交換する
土地を分け合い、それぞれが完全な所有権を持つ形にします。広さのある土地で使える方法です。分けたあとは、自分の持分を自由に売れます。
持ち続けたときの実際
札幌市内の住宅地で、200平方メートルの底地を例にします。
- 地代 月8,000円 年間96,000円
- 固定資産税・都市計画税 年間70,000円
- 手元に残る 年間26,000円
古い契約では、地代が何十年も据え置かれていることがあります。周辺の地価が上がっても、地代は上がらない。結果として、固定資産税を払うために地代を受け取っているような状態になります。
そこに、相続が起きます。底地は相続税の対象になり、評価額は更地価格から借地権割合を引いた額です。札幌市内の住宅地なら借地権割合は60から70パーセントが多いので、底地の評価は30から40パーセント。現金化しにくい資産に、相続税がかかる形になります。
地代が安すぎる場合、増額を請求できます。近隣の地代の水準、固定資産税の上昇、地価の変動などを根拠にします。ただし、借地人との関係が悪化することもあるため、進め方には配慮が要ります。
借地人に買ってもらうときの進め方
- 借地契約の内容を確認する(種類、期間、地代、更新料の定め)
- 公図と登記簿で、貸している範囲を正確に把握する
- 相続税路線価図で借地権割合を確認する
- 底地の価格の目安を出す
- 借地人に、売却を考えていることを伝える
- 金額の話は第三者を介して進める
借地人が資金を用意できるかどうかが、最大の分かれ目です。底地の購入には住宅ローンを使えることがありますが、金融機関によって扱いが違います。相手の事情もあるため、時間をかけて話す必要があります。
長く付き合いのある借地人だと、お金の話を切り出しにくいものです。ここは不動産会社を間に入れてください。金額の交渉を第三者がすることで、人間関係を壊さずに進められます。
札幌での底地
中央区や豊平区の古い住宅地、寺社の周辺に借地が残っています。契約書が存在せず、口約束で何十年も続いているケースもあります。
- 契約書がない場合、借地の範囲があいまいなことがある
- 地代の領収書や通帳の記録が、契約の内容を示す資料になる
- 境界が確定していないことが多く、測量が必要になる
- 測量と立会いは、雪が消えた4月中旬以降に行う
契約書がないまま代替わりが進むと、条件をめぐって争いになります。今のうちに書面にしておくだけでも、次の世代の負担が減ります。
売る前にやることのまとめ
- 借地契約書を探す。なければ地代の記録を集める
- 登記簿と公図で、貸している土地の範囲を確認する
- 借地人の建物が登記されているかを確認する
- 地代と固定資産税を並べて、手元に残る額を出す
- 借地権割合を確認し、底地の価格の目安を出す
- 借地人に買う意向があるかを確認する
- ないなら、第三者に売る場合の価格を確認する
当社では、底地の買い取りと、借地人との話し合いの取りまとめを行っています。契約書がない、境界が不明、相続で権利が分かれているといった状態でも進められます。まずは今の条件でいくらになるかをご確認ください。
借地契約の解釈、地代の増額請求、相続税の評価については、弁護士および税理士にご確認ください。ここでは売却実務での考え方を整理しています。
よくあるご質問
底地は売れますか。
売れます。借地人の承諾は不要です。ただし第三者に売ると価格は更地価格の1割から3割程度まで下がります。借地人に買ってもらえば4割から5割程度になることがあります。
一番高く売る方法はどれですか。
借地人と協力して、完全な所有権の土地として第三者に売る方法です。売却代金を借地権割合に応じて分けます。総額はもっとも大きくなりますが、双方の合意が必要です。
借地人に売る話はどう切り出せばいいですか。
売却を考えていることを伝えたうえで、金額の交渉は不動産会社など第三者を介して進めてください。長い付き合いがある相手ほど、直接お金の話をすると関係が難しくなります。
地代が安すぎます。上げられますか。
近隣の地代の水準、固定資産税の上昇、地価の変動などを根拠に増額を請求できます。ただし借地人との関係が悪化することもあるため、進め方に配慮が必要です。
底地を持ち続けると相続で困りますか。
底地は相続税の対象になり、更地価格から借地権割合を引いた額で評価されます。現金化しにくい資産に税金がかかる形になるため、生前の整理を検討する価値があります。
借地契約書がありません。
地代の領収書や通帳の記録が、契約内容を示す資料になります。境界が確定していないことも多いので、測量が必要になります。測量は雪が消えた4月中旬以降に行います。
売るときに借地人へ伝えるべきですか。
法律上は不要ですが、事前に一報を入れておくほうが円満に進みます。売ったあとに新しい地主ともめると、話がこじれます。
等価交換とは何ですか。
地主と借地人で土地を分け合い、それぞれが完全な所有権を持つ形にする方法です。広さのある土地で使えます。分けたあとは、自分の持分を自由に売れます。
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