「市街化調整区域の土地は売れない」と思い込んでいませんか。たしかに通常の宅地と比べると売却のハードルは高くなります。
しかし、適切な方法を選べば売却は十分に可能です。当社でも市街化調整区域の土地についてご相談をいただく機会が増えています。
この記事では、札幌市の市街化調整区域における土地売却の具体的な方法、必要な許可手続き、査定額の決まり方まで、地元不動産会社の実務経験をもとに解説します。
市街化調整区域の土地を売却するには、まずこの区域の法的な位置づけを正しく理解しておくことが大切です。
都市計画法では、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」の2つに区分しています。市街化区域は積極的に市街化を進めるエリアで、住宅や商業施設の建築が比較的自由に行えます。
一方、市街化調整区域は市街化を抑制すべきエリアとして指定されており、原則として新たな建物の建築が制限されます。建物を建てるには都市計画法第34条に定められた立地基準を満たしたうえで、都道府県知事の許可を得る必要があります。
具体的には、第34条では以下のような場合に限り開発行為が許可されます。
この許可要件の厳しさが、市街化調整区域の土地の流通を難しくしている根本的な原因です。
市街化調整区域の土地が売却しにくいのには、明確な理由があります。
ただし「売れにくい」と「売れない」はまったく違います。方法と相手を選べば、市街化調整区域の土地でも成約に至るケースは少なくありません。
全国一般論ではなく、札幌市ならではの市街化調整区域の実態を押さえておきましょう。
札幌市の市街化調整区域は、市の南部や西部の丘陵地帯、さらに郊外の農業地域に広がっています。札幌市の行政面積のうち、市街化調整区域は全体の約60%以上を占めており、面積としては決して小さくありません。
札幌市の都市計画マスタープランでは、市街地の無秩序な拡大(スプロール化)を防ぎつつ、コンパクトシティの実現を目指す方針が示されています。そのため、市街化調整区域が市街化区域に編入される可能性は現時点では限定的です。
一方で、JR沿線や地下鉄沿線から離れた郊外エリアでは人口減少が進んでおり、今後さらに土地需要が低下するリスクがあります。売却を検討されているお客様は、早めの行動が資産価値を守ることにつながります。
北海道の市街化調整区域には、道内ならではの売却ハードルがあります。
これらの北海道特有の事情は、査定額にも大きく影響します。道内の市街化調整区域で土地売却を進めるには、こうした地域事情に精通した不動産会社への相談が重要です。
市街化調整区域の土地にはいくつかの売却方法があります。それぞれの特徴を比較し、お客様の状況に合った方法を選びましょう。
主な売却方法は以下の4つです。
当社の実績では、市街化調整区域の土地は仲介で1年以上売れ残るケースが多く、最終的に買取に切り替えるお客様が全体の約6割にのぼります。
まずは仲介で市場に出し、3〜6ヶ月を目安に反応を見て、買取への切り替えを検討するのが実務上のおすすめです。
市街化調整区域の土地売却には、通常の不動産売買にはない手続きが必要になる場合があります。ここでは具体的な流れを解説します。
市街化調整区域の土地を売却して買い手が建物を建てる場合、都市計画法第43条に基づく建築許可の申請が必要です。一般的な必要書類は以下のとおりです。
許可申請から結果が出るまでの期間は、一般的に1〜3ヶ月程度です。札幌市の場合、申請先は北海道庁の建設部都市計画課となります。
なお、既存の建物を同一用途・同規模で建て替える場合や、農林漁業従事者が自己用住宅を建てる場合は許可不要となるケースもあります。
登記地目が「田」または「畑」の農地を売却して宅地等に転用する場合は、農地法第5条に基づく農地転用許可が別途必要です。
北海道では優良農地の保全に対する意識が非常に高く、農業委員会の審査も厳格です。許可取得率は地域によって差がありますが、市街化調整区域内の農地転用は許可取得まで3〜6ヶ月かかることも珍しくありません。
一方、登記地目が「山林」「原野」「雑種地」の場合は農地法の対象外のため、農地転用許可は不要です。ただし、地目を変更して利用する場合は「地目変更登記」の手続きが必要となります。この2つは混同されやすいためご注意ください。
市街化調整区域の土地は、市街化区域と比べて査定の考え方が大きく異なります。価格がどう決まるのかを知っておきましょう。
査定額に影響する主な要素は以下のとおりです。
特に「建築可否」は最も重要な評価ポイントです。都市計画法上の許可を得て建築可能な土地は、建築不可の土地と比べて坪単価で3倍以上の差がつくこともあります。
札幌市周辺の市街化調整区域における土地取引の実態として、以下のような傾向が見られます。
固定資産税や管理コストを考慮すると、長期間売れ残るリスクよりも、買取で早期に売却したほうがトータルでは有利になるケースも多いです。
仲介で売りに出してもなかなか買い手が見つからない場合、いくつかの対処法があります。
価格を下げる前に、以下の方法を試してみてください。
こうした工夫をしても反応がない場合は、不動産買取を検討するタイミングです。
不動産買取は、市街化調整区域の土地売却において有力な選択肢です。具体的なメリットは以下のとおりです。
当社では、札幌市やその周辺の市街化調整区域の土地買取にも対応しています。まずは無料査定でお客様の土地の価値を確認してみてください。
A: 売れにくいのは事実ですが、売却方法次第で成約は可能です。仲介・買取・隣地所有者への売却など複数の選択肢があります。
特に不動産買取であれば、建築制限のある土地でも最短2週間での売却が見込めます。「売れない」と諦める前に、まずは専門の不動産会社に相談されることをおすすめします。
A: 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい場合は仲介が有利です。ただし、市街化調整区域の土地は仲介で1年以上かかるケースが多いのが実情です。
早期に現金化したい場合や、固定資産税の負担を早く解消したい場合は、買取のほうがトータルで有利になることが多いです。
A: 買い手が建物を建てる場合は、都市計画法に基づく建築許可の申請が必要です。許可取得まで一般的に1〜3ヶ月程度かかります。
また、登記地目が田・畑の場合は農地法に基づく農地転用許可も別途必要です。山林・原野・雑種地の場合は農地転用許可は不要で、必要に応じて地目変更登記を行います。
A: 最も大きな要素は「建物が建てられる土地かどうか」です。建築可否によって坪単価が3倍以上異なることもあります。
そのほか、接道状況・上下水道などのインフラ整備状況・最寄り駅までの距離・面積と地形などが総合的に評価されます。正確な査定には現地調査が欠かせません。
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