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2023/04/26

相続した不動産 コラム

相続放棄をしても管理の責任は残る|札幌の冬に効いてくる話

誰も住まない実家、売れそうにない山林。相続放棄をすれば、もう関係なくなる。そう考えている方は多いのですが、これは正確ではありません。

放棄をしても、その財産を現に占有していた場合、次に管理する人が決まるまでは、自分の財産と同じ注意をもって保存する義務があります。札幌では、これが冬の除雪や水抜きという形で現実の負担になります。

放棄をするかどうかは、3か月という期限の中で判断することになります。まず、その不動産に本当に価値がないのかを確認してください。売れる物件なら、放棄する必要がないかもしれません。

放棄しても残るもの

現に住んでいた・管理していた場合の保存義務

一緒に住んでいた実家、鍵を持って管理していた家。こうした場合、次に管理する人に引き渡すまで、その財産を保存する義務があります。まったく関わっていなかった遠方の不動産とは、扱いが変わります。

建物が傷んで人に被害を与えた場合

屋根の雪が隣家に落ちた、塀が倒れて通行人にあたった。管理していた人が責任を問われる可能性があります。放棄をしたから何もしなくてよい、とはなりません。

近隣からの苦情

法律上の義務とは別に、現実の問題として声はかかります。雪が落ちる、草が伸びている、動物が住みついている。放棄をしたと説明しても、近所の方の困りごとは消えません。

義務を終わらせるには

次の相続人が管理を始める

自分が放棄すると、相続の権利は次の順位の方に移ります。その方が相続して管理を始めれば、こちらの義務は終わります。ただし、その方も放棄すると、さらに次へと移っていきます。

相続財産清算人を選んでもらう

相続する人が誰もいなくなった場合、家庭裁判所に申し立てて、財産を管理・清算する人を選んでもらいます。この人に引き渡せば、管理の義務から解放されます。

費用がかかる

清算人を選んでもらうには、申し立ての費用に加えて、予納金を納めるよう求められることがあります。財産の内容によっては、数十万円から百万円前後になることもあります。この金額は、家庭裁判所の判断によります。

放棄をしたのに費用がかかる、という結果になることがあります。だからこそ、放棄する前に、その不動産が本当に売れないのかを確認する価値があります。

放棄する前に確かめること

本当に売れない物件か

建物が古くても、土地に価値があれば売れます。建て替えができるか、接道の条件を満たすか。ここを確認してから判断してください。売れるなら、放棄せずに売って現金にするほうが得です。

借金と資産のどちらが多いか

放棄は、すべての財産を受け取らないという選択です。不動産だけを放棄して、預金だけ受け取るということはできません。財産の全体を把握してから決めてください。

3か月の期限

相続があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる必要があります。財産の調査に時間がかかる場合、期限を延ばしてもらう申し立てができます。何もせずに3か月が過ぎると、相続したことになります。

財産に手を付けない

預金を使う、遺品を処分する、家財を売る。こうした行為をすると、相続したとみなされ、放棄ができなくなることがあります。判断が固まるまでは、動かさないでください。

放棄以外の道

相続して売る

売れる見込みがあるなら、これが一番すっきりします。売れた代金から、相続登記や解体の費用を出せます。使える税金の特例があるかも、あわせて確認してください。

相続して、国に引き取ってもらう

一定の条件を満たす土地について、国が引き取る制度があります。建物がないこと、担保が付いていないこと、境界がはっきりしていることなどの条件があり、負担金も必要です。使えるかどうかは、法務局に確認してください。

誰かに引き取ってもらう

隣地の所有者、その土地を使いたい事業者。価値がないと思っている土地でも、必要としている人がいることがあります。札幌の周辺部では、資材置き場や雪の堆積場としての需要があります。

放棄を考える前にやることのまとめ

  1. 財産の全体(不動産・預金・借金)を把握する
  2. 登記事項証明書を取り、担保が付いていないかを確認する
  3. その不動産が売れるかどうかを調べる
  4. 建て替えができる土地かを役所で確認する
  5. 3か月の期限を確認し、足りなければ延長を申し立てる
  6. 判断が固まるまで、財産に手を付けない
  7. 放棄する場合、管理の義務がどうなるかを弁護士か司法書士に確認する
  8. 清算人の申し立てに費用がかかることも計算に入れる

札幌で放棄を考えるとき

冬の管理が現実の負担になる

放棄をしても管理の義務が残る間、水抜きと除雪をどうするかという問題が続きます。業者に頼めば費用がかかり、放置すれば近隣に迷惑がかかります。この期間を短くするためにも、早く手続きを進めてください。

雪解けを待つと期限が来る

3か月の期限は、季節を待ってくれません。冬に相続が起きた場合、雪で現地を確認できないまま判断することになります。期限の延長を申し立てて、春に確認してから決める方法があります。

売れるかどうかは冬でも調べられる

登記の内容、建て替えの可否、接道の状況。これらは役所と法務局で、雪に関係なく確認できます。現地を見る前でも、判断の材料は集められます。

よくあるご質問

相続放棄をすれば、もう関係なくなりますか。

なりません。その財産を現に占有していた場合、次に管理する人が決まるまでは保存する義務が残ります。札幌では、冬の除雪や水抜きという形で現実の負担になります。

管理の義務はいつ終わりますか。

次の順位の相続人が管理を始めるか、家庭裁判所に選んでもらった相続財産清算人に引き渡したときです。誰も相続しない場合、清算人の選任を申し立てることになります。

清算人を選んでもらうのに費用はかかりますか。

申し立ての費用に加えて、予納金を納めるよう求められることがあります。財産の内容によっては数十万円から百万円前後になることもあります。金額は家庭裁判所の判断によります。

不動産だけ放棄することはできますか。

できません。放棄は、すべての財産を受け取らないという選択です。不動産だけを放棄して預金だけ受け取ることはできません。財産の全体を把握してから決めてください。

期限はいつまでですか。

相続があったことを知った日から3か月以内です。財産の調査に時間がかかる場合、期限を延ばしてもらう申し立てができます。何もせずに3か月が過ぎると、相続したことになります。

判断するまで、何をしてはいけませんか。

預金を使う、遺品を処分する、家財を売る。こうした行為をすると、相続したとみなされて放棄ができなくなることがあります。判断が固まるまでは動かさないでください。

売れない土地だと思っています。

本当に売れないかを先に確認してください。建物が古くても、土地に価値があれば売れます。建て替えができるか、接道の条件を満たすかが分かれ目です。売れるなら、放棄せずに売るほうが得です。

国に引き取ってもらえますか。

一定の条件を満たす土地について、国が引き取る制度があります。建物がないこと、担保が付いていないこと、境界がはっきりしていることなどの条件があり、負担金も必要です。法務局にご確認ください。

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