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2026/05/25

コラム

戸建て売却の税金と節税方法【2026年版完全解説】

戸建て売却の税金と節税方法【2026年版完全解説】

戸建てを売却して利益が出た場合、譲渡所得税・住民税が課税されます。しかし適切な節税特例を選べば、手取り額を大幅に増やすことが十分可能です。

 

 

本記事では税金の基礎から「売却損ケース」「相続ケース」まで網羅し、複数特例の併用可否・意思決定フローを実務目線で解説します。

 

 

札幌で戸建て売却をご検討のお客様は、当社の無料査定もあわせてご利用ください。

 

 

 

戸建て売却で発生する税金の種類

 

戸建て売却で利益(譲渡所得)が発生した場合、主に譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の3種類が課されます。売却年ではなく翌年の確定申告で精算するため、事前の資金計画が重要です。

 

 

 

譲渡所得税・住民税の仕組み

 

課税対象は「売却価格そのもの」ではなく、取得費・譲渡費用・各種控除を差し引いた譲渡所得です。計算式は以下の通りです。

 

 

譲渡所得 = 売却価格 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 特別控除額

 

 

取得費には購入代金だけでなく、仲介手数料・登記費用・リフォーム費用なども含められます。漏れなく計上することが節税の第一歩です。

 

 

確定申告の期間は翌年2月16日〜3月15日です。売却代金を受け取ってから約1年後に納税が発生することを念頭に置いておきましょう。

 

 

 

所有期間で変わる税率(短期・長期)

 

税率は売却した年の1月1日時点の所有期間によって大きく異なります。長期保有ほど税率が下がるため、売却タイミングは節税に直結します。

  • 短期譲渡(所有5年以下):合計税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
  • 長期譲渡(所有5年超):合計税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
  • 所有10年超の軽減税率:6,000万円以下の部分は14.21%に軽減

例えば譲渡所得が2,000万円の場合、短期では約793万円、長期では約406万円の税額となります。所有期間だけで差額は387万円にのぼります。

 

 

なお「所有5年超」の判定は登記日ではなく引渡し日が基準です。売却前に必ず確認してください。

 

 

戸建て売却の流れと基礎知識はこちら

 

 

 

譲渡所得の正しい計算方法

 

税額を最小化するには、取得費・譲渡費用を正確に積み上げることが重要です。計上漏れがあると余分な税金を払うことになります。

 

 

 

取得費に算入できる費用の全リスト

 

取得費とは物件を取得するためにかかったすべての費用です。以下の項目を漏れなく算入することで、課税所得を圧縮できます。

  • 購入代金(土地・建物)
  • 購入時の仲介手数料
  • 登記費用・司法書士報酬
  • 不動産取得税・印紙税
  • 資本的支出に該当するリフォーム・改修工事費
  • 居住開始前のローン利子(支払い済み分)

購入時の売買契約書・領収書が残っていれば「実額法」で計算できます。書類が紛失している場合は「概算取得費(売却価格の5%)」を使うことになります。

 

 

例えば2,500万円で購入した戸建てを3,500万円で売却した場合、実額法では取得費2,500万円を引けます。しかし概算取得費では175万円(3,500万円×5%)しか引けず、課税所得が約2,325万円に膨らみます。書類の保管・復元の努力が大切です。

 

 

 

譲渡費用として控除できる項目

 

売却時にかかった費用も「譲渡費用」として差し引けます。以下の項目が対象です。

  • 売却時の仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税が上限の目安)
  • 売買契約書に貼付する印紙税
  • 建物の取り壊し費用(更地渡しの場合)
  • 境界確定・測量費用
  • 立退き料(賃借人に支払った場合)

仲介手数料だけでも売却価格3,500万円なら約111万円(税込)になります。これを確実に計上するだけで税額が変わります。

 

 

売却にかかる費用の目安はこちら

 

 

 

主要な節税特例と優先順位の選び方

 

戸建て売却には複数の節税特例があります。どれを選ぶかによって手取り額が大きく変わります。特例の優先順位と選択基準を正確に把握しておきましょう。

 

 

 

3,000万円特別控除の適用条件と手続き

 

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「居住用財産の3,000万円特別控除」が最も利用頻度の高い特例です。

 

 

主な適用条件は以下の通りです。

  • 売却した建物が自分の居住用であること(売却年の前年・前々年も含む)
  • 売り手と買い手が親族など特別な関係でないこと
  • 前年・前々年にこの特例を使っていないこと
  • 売却年またはその前後に住宅ローン控除を適用していないこと(同年併用不可)

譲渡所得が3,000万円以下であれば課税ゼロとなります。適用のためには売却翌年に確定申告が必要です。

 

 

なお「買い替え特例(特定居住用財産の買い替え特例)」は3,000万円控除と選択適用になります。買い替え特例は税金を繰り延べるだけで非課税にはならないため、多くのケースで3,000万円控除が有利です。

 

 

 

所有10年超の軽減税率との併用可否

 

マイホームを10年超所有して売却した場合、3,000万円特別控除と軽減税率特例を同時に適用できます。これが節税効果の最大化につながる組み合わせです。

  • 3,000万円控除後の課税所得のうち6,000万円以下の部分:税率14.21%
  • 6,000万円超の部分:通常の長期税率20.315%

例えば譲渡所得が3,500万円の場合、3,000万円控除後の課税所得は500万円となり、14.21%の軽減税率が適用されます。税額は約71万円となり、特例なしと比べて約640万円の節税効果があります。

 

 

 

相続した戸建てに使える2つの特例と選択基準

 

相続で取得した戸建てを売却する際は、通常とは異なる2つの特例が使えます。ただしこの2つは併用できないため、どちらが有利かを慎重に判断することが重要です。

 

 

 

取得費加算の特例(相続税額控除)

 

相続税を支払った場合、相続開始から3年10ヶ月以内に売却すると、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。

 

 

加算額 = 支払い相続税 × (売却した不動産の相続税評価額 ÷ 相続した全財産の相続税評価額)

 

 

例えば相続税を1,000万円支払い、売却した戸建ての相続税評価額が相続財産全体の40%を占める場合、取得費に400万円を加算できます。これにより課税所得が400万円圧縮されます。

 

 

 

空き家3,000万円控除との有利判定

 

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」は、相続した実家を売却する際に最大3,000万円を控除できる制度です(2027年末までの時限措置)。

 

 

主な適用条件は以下の通りです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物(旧耐震基準)であること
  • 相続開始直前まで被相続人が一人で居住していたこと
  • 相続から3年を経過した年の12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 耐震基準を満たすリフォームを実施するか、取り壊して更地にすること

どちらの特例が有利かは、次の基準で概算判断できます。

  • 相続税が多く、売却益が3,000万円未満 → 取得費加算の特例が有利なケースが多い
  • 相続税が少なく、建物が旧耐震基準に該当 → 空き家3,000万円控除が有利なケースが多い

当社では相続した戸建ての査定とあわせて、どちらの特例が有利かを試算するサポートも行っています。相続物件の売却サポートはこちら

 

 

 

売却損が出たときの損益通算と繰越控除

 

売却価格が取得費・譲渡費用を下回り「譲渡損失」が発生した場合、税金は発生しません。しかし確定申告することで給与所得と損益通算でき、税負担を大幅に軽減できます。このケースは競合の多くが触れていない重要な論点です。

 

 

 

給与所得との損益通算で税負担を軽減する仕組み

 

マイホームの売却損失は、一定条件を満たすと給与所得・事業所得との損益通算が可能です。

 

 

主な適用要件は以下の通りです。

  • 売却した物件が自分のマイホームであること
  • 売却年の1月1日時点で所有期間が5年超であること
  • 売却後に住宅ローンを利用して買い替えをするか、売却時に住宅ローン残債があること

例えば年収800万円のお客様(給与所得600万円)が売却で300万円の損失を計上した場合、損益通算後の課税所得は300万円となります。所得税・住民税の合計で約60〜80万円の節税効果が見込めます。

 

 

 

3年繰越控除の手続きと注意点

 

損益通算しきれなかった損失は、翌年以降最大3年間にわたって繰越控除ができます。毎年の確定申告が継続条件です。

 

 

申告を怠った年はその年の繰越権利が失われます。「損が出たから申告しなくてよい」という認識は誤りです。損失が発生した翌年から3年間は忘れずに申告することをおすすめします。

 

 

 

札幌の戸建て売却:リフォーム費用と取得費算入の実務

 

札幌をはじめとする北海道の戸建ては、断熱等級と築年数が売却価格に直結します。道内特有の大規模リフォームを取得費に算入できるかどうかで節税額が大きく変わります。

 

 

 

断熱改修・耐震補強は取得費に入るか

 

国税庁の基準では、建物の価値を高める「資本的支出」は取得費に算入できます。一方、現状回復にすぎる「修繕費」は算入できません。

 

 

道内の寒冷地特有の工事と取得費算入の可否は以下の通りです。

  • 断熱材の追加・二重窓への全室交換:性能向上が目的であれば取得費に算入可
  • 耐震補強工事:耐震性を新たに付加する工事は取得費に算入可
  • 給湯・暖房設備の上位機種への更新:性能向上を伴う場合は算入できるケースあり
  • 外壁塗装・屋根の修繕:現状回復目的の場合は修繕費として取得費に算入不可

札幌市場では断熱改修だけで100万〜300万円規模の費用がかかることも珍しくありません。これを正しく取得費に算入することで、課税所得を大幅に圧縮できます。

 

 

 

札幌市場の価格帯別・手取り試算例

 

札幌の中古戸建て市場では、地下鉄沿線や市街地エリアの物件需要が高く、2026年時点で成約価格は2,000万〜4,500万円が中心帯です。JR沿線の物件も価格が堅調に推移しています。

 

 

売却価格別の概算手取り額(長期譲渡・3,000万円控除適用の場合)は以下の通りです。

  • 売却2,500万円・取得費2,000万円・諸費用100万円:譲渡所得400万円 → 3,000万円控除で課税ゼロ → 手取り約2,400万円
  • 売却3,500万円・取得費2,200万円・諸費用120万円:譲渡所得1,180万円 → 3,000万円控除で課税ゼロ → 手取り約3,380万円
  • 売却5,000万円・取得費2,500万円・諸費用150万円:譲渡所得2,350万円 → 3,000万円控除で課税ゼロ → 手取り約4,850万円

道内でも特に札幌の市街地エリアでは、近年の地価上昇により購入価格を大きく上回る成約が増えています。適切な節税特例を活用することで、手取り額の最大化が実現します。

 

 

空き家・築古物件の売却相談はこちら

 

 

 

節税後の手取り額シミュレーション

 

「税率は分かっても実際いくら手元に残るか分からない」というお客様のために、特例の適用前後で手取り額がどう変わるかを比較してみます。

 

 

 

特例適用前後の税額比較(3パターン)

 

前提条件:売却価格4,000万円・取得費2,500万円・譲渡費用150万円・長期譲渡(所有5年超10年未満)

  • 特例なしの場合:譲渡所得1,350万円 × 20.315% = 税額約274万円 → 手取り約3,576万円
  • 3,000万円控除のみ適用:課税所得ゼロ → 税額0円 → 手取り約3,850万円
  • 所有10年超+軽減税率(譲渡所得3,500万円のケース):3,000万円控除後の課税所得500万円 × 14.21% = 税額約71万円 → 手取り約3,779万円

特例を活用するだけで手取りが最大274万円増加します。確定申告の手間はかかりますが、節税効果は非常に大きいといえます。

 

 

 

確定申告の必要書類と提出手順

 

節税特例を使うには、売却翌年の確定申告が必要です。事前に書類を準備しておくとスムーズです。

  • 売買契約書(購入時・売却時の両方)
  • 登記事項証明書
  • 仲介手数料・諸費用の領収書
  • 3,000万円控除適用の場合:売却前の住民票の写し
  • 相続案件の場合:遺産分割協議書・相続税申告書の写し
  • 確定申告書B・分離課税用申告書・譲渡所得の内訳書

e-Taxを利用すればオンラインで申告できます。初めて申告するお客様には税理士への相談も有効です。当社では売却サポートとあわせて確定申告に向けた情報提供も行っています。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 3,000万円特別控除は、売却翌年に新居を購入した場合でも使えますか?

 

A: 3,000万円特別控除は買い替えの有無に関係なく適用できます。ただし「特定居住用財産の買い替え特例」と選択適用となるため、同時に使うことはできません。

 

 

買い替え特例は税金を繰り延べるだけで非課税にはなりません。買い替え価格が低い場合や譲渡益が3,000万円以内であれば、3,000万円特別控除を選ぶ方が有利なケースが多いです。

 

 

 

Q: 相続した実家の取得費は、どのように計算すればよいですか?

 

A: 原則として被相続人(故人)が実際に購入した価格を取得費とします。売買契約書や登記書類が残っていれば実額で計算できます。

 

 

書類が見当たらない場合は「概算取得費(売却価格の5%)」を使うことになりますが、この場合は課税所得が大幅に増える可能性があります。書類の探索・復元は売却前に行うことをおすすめします。

 

 

 

Q: 売却価格が購入価格を下回った場合、税金はかかりませんか?確定申告も不要ですか?

 

A: 売却損が出た場合、税金は発生しません。しかし確定申告をしないと「損益通算」や「繰越控除」の特例を使う権利が失われてしまいます。

 

 

給与所得との損益通算により、最大で数十万円単位の税金の還付が受けられるケースもあります。損失が出た年こそ確定申告を行うことをおすすめします。

 

 

 

Q: 所有10年超の軽減税率と3,000万円特別控除は同時に適用できますか?

 

A: はい、この2つは同時に適用できます。まず3,000万円特別控除で譲渡所得から3,000万円を差し引き、控除しきれなかった残額に対して14.21%の軽減税率が適用されます。

 

 

例えば譲渡所得が4,000万円の場合、3,000万円控除後の1,000万円に14.21%が適用され、税額は約142万円となります。通常の長期税率(20.315%)のみの場合と比べて大きな節税効果があります。

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