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2026/05/25

コラム

土地売却の税金|種類と計算方法

土地売却の税金|種類と計算方法

土地を売却すると、複数の税金が異なるタイミングで発生します。見落としがあると、申告後に追加納税を求められるケースもあります。

 

 

このページでは、土地売却にかかる税金の種類・計算式・節税特例・確定申告の手順を1ページで完結するよう整理しました。札幌市内の実数シミュレーションや、道内に多い農地・相続土地の特殊論点も網羅しています。

 

 

税金の全体像を把握することで、手取り額の見通しが立ち、売却計画を安心して進めることができます。

 

 

 

土地売却にかかる税金の種類と発生タイミング

 

土地を売却したときに発生する税金は、大きく4種類あります。発生するタイミングが異なるため、「契約時」「決済時」「翌年の申告時」に分けて把握することが重要です。

 

 

 

売却時に必ず発生する税金(譲渡所得税・住民税・復興特別所得税)

 

売却によって利益(譲渡所得)が生じた場合、以下の3税が課されます。

  • 譲渡所得税:国に納める税金。所有期間5年超の「長期譲渡所得」は税率15%、5年以下の「短期譲渡所得」は30%
  • 住民税:都道府県・市区町村に納める税金。長期5%・短期9%。翌年6月から特別徴収または普通徴収
  • 復興特別所得税:譲渡所得税額の2.1%。2037年まで上乗せされる

3税を合算すると、長期譲渡所得は合計20.315%、短期譲渡所得は合計39.63%が実効税率となります。

 

 

 

契約時にかかる印紙税と登録免許税の目安

 

譲渡所得が発生しなくても、売買契約書の作成と所有権移転登記には費用がかかります。

  • 印紙税:売買契約書1通に貼る収入印紙。売却金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円(2027年3月31日まで軽減税率適用)
  • 登録免許税:所有権移転登記の費用。固定資産税評価額の2%が基準(買主負担が一般的だが、売主側の抵当権抹消登記は別途必要)

売却金額3,000万円の物件であれば、印紙税だけで1万円、抵当権抹消登記費用は司法書士報酬込みで1〜2万円程度が目安です。

 

 

土地売却全体の費用感については、土地売却の基本的な流れもあわせてご参照ください。

 

 

 

譲渡所得税の計算式と札幌の実数シミュレーション

 

譲渡所得税の計算は、「いくらで売ったか」だけでなく「いくらで買ったか」「いくらの費用がかかったか」によって大きく変わります。

 

 

 

計算式の全ステップ

 

基本となる計算式は次のとおりです。

  • 譲渡収入金額:土地の売却金額
  • 取得費:購入代金+購入時の仲介手数料・登記費用・造成費など
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料・測量費・解体費など
  • 譲渡所得=譲渡収入金額 ー 取得費 ー 譲渡費用
  • 税額=譲渡所得 × 税率(長期20.315% / 短期39.63%)

 

 

 

【試算例】札幌市内50坪の土地を3,000万円で売却した場合

 

2026年の地価公示データをもとに、市街地エリアの標準的な取引を想定して試算します。

  • 譲渡収入金額:3,000万円
  • 取得費(25年前の購入価格+諸費用):1,500万円
  • 譲渡費用(仲介手数料・測量費など):約120万円
  • 譲渡所得:3,000万円 ー 1,500万円 ー 120万円 = 1,380万円

所有期間が5年超(長期)の場合、税額は1,380万円 × 20.315% = 約280万円

 

 

一方、所有期間が5年以下(短期)なら1,380万円 × 39.63% = 約547万円となり、約267万円の差が生じます。売却タイミングは税負担に大きく影響します。

 

 

売却にかかる費用の内訳については、売却にかかる費用の詳細で確認できます。

 

 

 

取得費が不明なときの概算取得費5%ルールと対処法

 

相続した土地や30年以上前に購入した土地では、当時の売買契約書が見つからないケースがあります。この場合は「概算取得費」として、売却金額の5%を取得費に計上することが認められています。

 

 

 

5%概算取得費の仕組みと適用できるケース

 

概算取得費は、実際の取得費が不明な場合に限り使用できる例外措置です。

  • 適用条件:取得価格を証明できる書類が一切ない場合
  • 計算例:売却金額3,000万円 × 5% = 150万円が取得費
  • この場合の譲渡所得:3,000万円 ー 150万円 ー 120万円 = 2,730万円

取得費が実際には1,500万円あったケースと比べると、課税される譲渡所得が約1,350万円増加します。長期譲渡所得で試算すると、税負担が約274万円も増える計算です。

 

 

 

相続・古い土地で取得費を証明するための書類探しのポイント

 

5%ルールは不利になるケースが多いため、まず実額証明の可能性を探ることを強くおすすめします。

  • 売買契約書の写し:公証役場・金融機関の融資記録に残っていることがある
  • 登記申請書・登記費用の領収書:法務局で取得できる場合あり
  • 固定資産税の課税明細書:当時の評価額から推計できる場合あり
  • 通帳の振込記録:古い口座の取引履歴が証拠として認められることがある

相続した土地の売却における税務の詳細については、相続した土地の売却についてをご覧ください。

 

 

 

節税できる特別控除・特例の適用可否チェックリスト

 

土地売却の税負担を大きく軽減できる特例が複数あります。適用条件を満たすかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

 

 

 

3,000万円特別控除・軽減税率の対象要件と注意点

 

3,000万円特別控除は、本来「居住用財産(マイホーム)」の売却に適用される特例です。土地のみの売却には原則として適用されません。

  • 適用対象:マイホームとして使用していた建物+その敷地(土地)
  • 適用除外:更地(建物のない土地単独)の売却、事業用・投資用土地
  • 控除額:譲渡所得から最大3,000万円を控除
  • 所有期間10年超の場合:軽減税率(長期の場合、6,000万円以下の部分は14.21%)が適用可能

 

 

 

相続空き地の譲渡所得3,000万円控除(空き家特例)の適用条件

 

「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除(空き家特例)」は、土地だけの売却でも適用できる場合があります。

  • 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
  • 相続直前まで被相続人が居住していた建物の敷地であること
  • 売却前に建物を取り壊して更地にする、または耐震改修を行うこと
  • 売却金額が1億円以下であること

空き地・空き家売却の特例については、空き地・空き家売却の特例で詳しく解説しています。

 

 

 

売却損が出た場合の損益通算と翌年繰越控除

 

土地を売却して損失(譲渡損失)が生じた場合、「損したから申告不要」と誤解されることがありますが、これは正しくありません。申告することで節税メリットを得られるケースがあります。

 

 

 

損失が出ても確定申告が必要な理由と申告方法

 

譲渡損失が発生した年に確定申告を行うと、一定の条件下で以下の特例が使えます。

  • 損益通算:土地売却の損失を、同じ年の給与所得・事業所得などと合算して税負担を軽減
  • 翌年以降への繰越控除:損益通算しきれなかった損失を、翌年から最大3年間繰り越して控除

ただし、損失があっても申告期限内(翌年3月15日まで)に申告しなければ、これらの特例は一切適用されません。

 

 

 

損益通算・繰越控除が使えるケースと使えないケースの違い

  • 使えるケース:マイホームの土地・建物の売却による損失(「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」)
  • 使えないケース:投資目的・事業用の更地売却による損失(原則として損益通算不可)
  • 注意点:損益通算できる所得の種類や上限額に制限があるため、税務署や税理士への確認を推奨

損失が生じた場合でも、申告によって翌年以降の税負担を軽減できる可能性があります。売却前に必ず確認してください。

 

 

 

農地・市街化調整区域など北海道特有の地目変更と税務処理

 

北海道・道内には農地や市街化調整区域の土地が多く、売却時に地目変更を伴うケースが少なくありません。こうした土地には特有の手続きと税務上の注意点があります。

 

 

 

農地売却に必要な農地転用許可と税務上の取り扱い

 

農地を宅地等に転用して売却する場合、農業委員会への申請と都道府県知事の許可(農地法3条・4条・5条)が必要です。

  • 農地転用許可を取得するための申請費用は譲渡費用に算入可能
  • 地目変更登記費用(司法書士報酬込みで3〜5万円程度)も譲渡費用に含められる
  • 転用工事(造成・整地)費用は、売却のために直接要した費用として譲渡費用への算入を検討できる

 

 

 

市街化調整区域の土地売却で譲渡所得計算が変わるポイント

 

JR沿線や地下鉄沿線から離れたエリアに多い市街化調整区域の土地は、建築制限により評価額が低くなるケースがあります。

  • 市街化調整区域の指定による価値下落は、税務上の取得費・譲渡費用の調整対象外
  • ただし開発許可申請費用が発生した場合は譲渡費用として計上可能
  • 農地や調整区域の土地を相続した場合、固定資産税評価額が低いため、5%概算取得費との差が小さくなる傾向がある

市街化調整区域の土地売却については、市街化調整区域の土地売却で詳しく解説しています。

 

 

 

確定申告の手順・必要書類・期限まとめ

 

土地売却で譲渡所得が生じた場合、翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行う義務があります。期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が課されるため、早めの準備が重要です。

 

 

 

申告に必要な書類チェックリスト

 

書類は「売主自身が準備するもの」と「不動産会社・金融機関などから受け取るもの」に分かれます。

 

 

売主が自身で準備するもの:

  • 購入時の売買契約書(取得費の証明)
  • 購入時の領収書・仲介手数料の明細
  • 固定資産税評価証明書(市区役所で取得)
  • 登記簿謄本(法務局で取得・発行手数料600円)
  • マイナンバーカードまたは通知カード

不動産会社・司法書士・金融機関から受け取るもの:

  • 売買契約書(売却時)
  • 仲介手数料の領収書
  • 測量費・解体費の領収書
  • 抵当権抹消の費用明細

 

 

 

申告期限と「期限後申告」になった場合のペナルティ

 

確定申告の期限は売却翌年の3月15日です。この期限を過ぎた場合、以下のペナルティが発生します。

  • 無申告加算税:本来の税額の最大20%(税務署から指摘を受けた場合は最大30%)
  • 延滞税:期限翌日から完納まで、年2.4〜8.7%の割合(2026年現在)
  • 特例の失効:3,000万円特別控除・損益通算などの特例が適用不可になる

札幌市内の不動産売却においても、申告漏れに関する税務署からの照会は珍しくありません。売却後は速やかに書類を整理し、申告準備を始めることをおすすめします。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 土地を売却したときに必ずかかる税金は何種類ありますか?

 

A: 売買契約書に貼る印紙税、売却益に課される譲渡所得税住民税復興特別所得税の合計4種類が主な税金です。

 

 

売却益がゼロまたは損失の場合でも印紙税は発生します。譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は翌年の確定申告で納税します。

 

 

 

Q: 10年以上前に相続した土地で購入価格がわからない場合、譲渡所得はどう計算しますか?

 

A: 取得価格が不明な場合は「概算取得費」として売却金額の5%を取得費に計上する方法が認められています。ただし実際の購入価格が5%を上回るケースがほとんどのため、古い通帳や登記費用の領収書など証拠書類を探すことを強くおすすめします。

 

 

書類が見つかれば実額で申告でき、5%概算取得費との差額分だけ税負担を減らせます。

 

 

 

Q: 土地売却で損失が出た場合、税金はかかりませんか?確定申告は必要ですか?

 

A: 損失が出た場合、原則として譲渡所得税はかかりません。ただし確定申告を行うことで損益通算や翌年への繰越控除が適用でき、給与所得などと合わせて税負担を軽減できる可能性があります。

 

 

申告しなければこれらの特例は一切使えないため、損失が生じた年も期限内に申告することを推奨します。

 

 

 

Q: 3,000万円特別控除は土地だけの売却にも使えますか?適用条件を教えてください。

 

A: 原則として3,000万円特別控除は居住用建物とその敷地が対象であり、更地(建物のない土地のみ)の売却には適用されません。ただし被相続人が住んでいた建物を取り壊して売却する「空き家特例」に該当する場合は、土地のみでも最大3,000万円の控除が受けられます。

 

 

空き家特例には「相続開始から3年を経過する年の12月31日までの売却」「売却金額1億円以下」などの条件があります。

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