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2026/08/23

コラム

不動産売却の登記費用と流れを解説

不動産売却の登記費用と流れを解説

不動産を売却する際には、所有権の移転や抵当権の抹消など複数の登記手続きが発生します。登記にかかる費用は売主・買主それぞれに異なり、事前に把握しておかないと決済日に慌てる原因になります。

 

 

この記事では、不動産売却で売主が負担する登記費用の内訳と具体的な計算シミュレーション、売却前に必要な事前登記、決済同時抹消の実務フローまで、札幌エリアの相場情報を交えながら詳しく解説します。

 

 

 

不動産売却で必要になる登記の種類と全体の流れ

 

不動産売却では、売主が関わる登記は主に3種類あります。それぞれの役割と費用負担者を正しく理解しておくことが、スムーズな取引の第一歩です。

 

 

 

売主が関わる3つの登記

  • 所有権移転登記:売主から買主へ所有権を移す登記で、費用は買主が負担するのが一般的です
  • 抵当権抹消登記:住宅ローンの担保として設定された抵当権を外す登記で、売主が費用を負担します
  • 住所変更登記・氏名変更登記:登記簿上の住所や氏名が現在と異なる場合に必要で、売主が費用を負担します

これら3つのうち、売主が費用を負担するのは抵当権抹消登記と住所変更登記です。所有権移転登記は買主負担が商慣習として定着しています。

 

 

 

売却から決済日までの登記手続きタイムライン

 

不動産売却における登記の流れは、大きく4つのステップに分かれます。決済日当日の手続きを中心に、時系列で整理します。

  • 売買契約締結(決済の約1〜2か月前):契約書に登記に関する取り決めを明記し、司法書士を選定します
  • 登記準備期間(決済の2〜3週間前):必要書類の収集、金融機関への連絡、司法書士との事前打ち合わせを行います
  • 決済日当日(午前中が一般的):売買代金の授受と同時に、司法書士が所有権移転登記・抵当権抹消登記をまとめて法務局に申請します
  • 登記完了(申請から約1〜2週間後):法務局での審査完了後、登記識別情報が買主に交付されます

決済日当日は、金融機関の営業時間内に全ての手続きを完了させる必要があるため、午前10時頃に開始するケースがほとんどです。

 

 

売却の方法と費用の詳細はこちら

 

 

 

売主が負担する登記費用の内訳と計算シミュレーション

 

売主が支払う登記費用は、登録免許税・司法書士報酬・その他実費の3つに分かれます。ここでは具体的な金額例を示しながら解説します。

 

 

 

登録免許税・司法書士報酬・その他実費の内訳

  • 登録免許税(抵当権抹消):不動産1筆につき1,000円。土地と建物で2筆なら合計2,000円です
  • 登録免許税(住所変更):不動産1筆につき1,000円。2筆なら合計2,000円です
  • 司法書士報酬:抵当権抹消で1万5,000円〜3万円、住所変更で1万円〜1万5,000円が相場です
  • その他実費:登記事項証明書の取得費用(1通480円〜600円)、郵送費、交通費などで2,000円〜5,000円程度です

売主が負担する登記費用の合計は、一般的なケースで3万円〜6万円程度に収まることが多いです。

 

 

 

固定資産税評価額ベースの費用計算例

 

ここでは、固定資産税評価額が異なる2つのケースで費用をシミュレーションします。いずれも住宅ローン残債ありで抵当権抹消が必要な場合です。

 

 

【ケース1】固定資産税評価額1,500万円のマンション

  • 抵当権抹消の登録免許税:2筆(土地・建物)×1,000円=2,000円
  • 住所変更登記の登録免許税:2筆×1,000円=2,000円
  • 司法書士報酬(抹消+住所変更一括):約3万5,000円
  • その他実費:約3,000円
  • 合計:約4万2,000円

【ケース2】固定資産税評価額3,000万円の戸建て

  • 抵当権抹消の登録免許税:3筆(土地2筆・建物1筆)×1,000円=3,000円
  • 住所変更登記の登録免許税:3筆×1,000円=3,000円
  • 司法書士報酬(抹消+住所変更一括):約4万5,000円
  • その他実費:約4,000円
  • 合計:約5万5,000円

抵当権抹消の登録免許税は評価額に関係なく筆数で決まるため、評価額が高い物件でも登記費用自体は大きく変わりません。費用に差が出るのは、筆数の多さや司法書士報酬の設定です。

 

 

 

売却前に必要な事前登記(相続登記・住所変更登記)

 

登記簿上の情報と現在の状態が異なる場合、売却手続きに入る前に事前登記を済ませる必要があります。この手続きを怠ると売買契約自体が進められなくなるため注意が必要です。

 

 

 

相続登記の義務化と売却前に済ませるべき理由

 

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記申請が求められるようになりました。正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

 

 

相続した不動産を売却する場合、登記簿上の名義が被相続人(亡くなった方)のままでは売買契約を締結できません。相続人全員の遺産分割協議が必要となるため、協議完了から登記完了まで1〜3か月かかるケースもあります。

 

 

相続登記にかかる費用は、登録免許税が固定資産税評価額の0.4%、司法書士報酬が5万円〜10万円程度です。評価額2,000万円の物件であれば、登録免許税だけで8万円となり、合計で13万円〜18万円が目安になります。

 

 

 

住所変更登記・氏名変更登記の手続きと費用

 

購入時から住所が変わっている方、結婚・離婚で氏名が変わっている方は、売却前に変更登記が必要です。変更登記をしないまま所有権移転登記を申請すると、法務局で却下されます。

 

 

住所変更登記・氏名変更登記の費用は、登録免許税が不動産1筆につき1,000円、司法書士報酬が1万円〜1万5,000円程度です。住民票や戸籍謄本などの必要書類もあわせて準備しましょう。

 

 

相続物件の売却についてはこちら

 

 

 

抵当権抹消登記の実務フロー(住宅ローン残債がある場合)

 

住宅ローンが残っている不動産を売却する場合、抵当権抹消登記は決済日に売却代金で一括返済すると同時に行うのが一般的です。この「決済同時抹消」の仕組みを売主視点で詳しく解説します。

 

 

 

決済同時抹消の仕組みと金融機関への事前連絡

 

決済同時抹消とは、買主から受け取った売却代金をその場で住宅ローンの一括返済に充て、金融機関から受け取った抹消書類を使って即日法務局に申請する手続きです。

 

 

この流れを実現するためには、決済日の2〜3週間前までに金融機関へ連絡し、以下の準備を依頼する必要があります。

  • 一括返済の申し出と返済日(決済日)の確定
  • 決済日時点の残債額および利息の正確な計算
  • 抵当権抹消に必要な書類(解除証書・委任状等)の準備依頼

金融機関によっては抹消書類の準備に2〜3週間かかる場合があります。決済日が決まったら速やかに連絡することが重要です。

 

 

 

抹消書類の受け取りから法務局申請までの流れ

 

決済日当日の実務フローは以下のとおりです。

  • 午前10時頃:売主・買主・司法書士・不動産会社が金融機関に集合
  • 書類確認:司法書士が登記に必要な全書類を確認し、問題がなければ決済を進めます
  • 代金授受:買主から売主の口座に売買代金が振り込まれます
  • 一括返済:売主が受け取った代金からローン残債を一括返済します
  • 抹消書類受領:金融機関から抵当権抹消に必要な書類一式を受け取ります
  • 法務局申請:司法書士が所有権移転登記と抵当権抹消登記をまとめて申請します

一連の手続きは約1〜2時間で完了するのが一般的です。売主がすべきことは、本人確認書類を持参し、代金の振り込みを確認して返済手続きに同意することです。

 

 

 

登記に必要な書類一覧と準備のポイント

 

登記手続きには複数の書類が必要です。書類の不備があると決済日が延期になることもあるため、余裕をもって準備しましょう。

 

 

 

売主が用意する書類チェックリスト

  • 登記識別情報(権利証):取得先は自宅保管、紛失時は司法書士による本人確認手続きが必要です
  • 印鑑証明書:取得先は市区町村役場、有効期限は発行から3か月以内です
  • 住民票:取得先は市区町村役場、住所変更登記が必要な場合に使用します
  • 固定資産税評価証明書:取得先は市区町村役場(札幌市は各区の税務部)、当年度のものが必要です
  • 実印:印鑑証明書と同一の印鑑を持参します
  • 本人確認書類:運転免許証やパスポートなど写真付きのものを準備します

 

 

 

書類の取得先と有効期限の注意点

 

特に注意が必要なのが有効期限です。印鑑証明書は発行から3か月以内のものでなければ使用できません。決済日から逆算して取得時期を計画しましょう。

 

 

登記識別情報(権利証)を紛失している場合は、司法書士による本人確認手続きが必要となり、追加費用として3万円〜5万円程度かかります。早めに手元にあるか確認しておくことをおすすめします。

 

 

札幌市にお住まいの方は、住民票や印鑑証明書を各区役所のほか、マイナンバーカードを利用してコンビニでも取得できます。コンビニ交付なら1通250円と窓口より安く、待ち時間もありません。

 

 

 

札幌エリアの登記事情と司法書士報酬の相場

 

北海道・札幌エリアならではの登記に関する注意点と、地域の司法書士報酬の相場をご紹介します。

 

 

 

札幌法務局の管轄と申請時の注意点

 

札幌市内の不動産登記は、札幌法務局(本局)が管轄しています。道内でも管轄が分かれており、江別市や北広島市、石狩市などはそれぞれ管轄の支局・出張所が異なりますので、事前に確認しておくと安心です。

 

 

北海道特有の注意点として、冬期の凍結地盤による境界確定の問題があります。積雪期は境界標が雪に埋もれて確認できないため、境界確定測量は5月〜10月の融雪期に行うのが一般的です。

 

 

売却前に境界確定が必要な場合は、冬期を避けてスケジュールを組むことをおすすめします。境界確定測量には30万円〜50万円程度の費用がかかり、完了まで2〜3か月を要するケースもあります。

 

 

 

札幌圏の司法書士報酬相場と選び方

 

札幌圏における司法書士報酬の相場は、抵当権抹消登記で1万5,000円〜3万円、所有権移転登記で3万円〜8万円程度です。報酬は事務所ごとに異なるため、複数の見積もりを比較することが大切です。

 

 

司法書士を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 不動産取引の実績が豊富であること
  • 報酬の内訳を明確に提示してくれること
  • JR沿線や地下鉄沿線など市街地エリアにアクセスしやすい事務所であること
  • 金融機関との連携がスムーズに行える体制があること

当社では、札幌での不動産売却に精通した司法書士のご紹介も行っております。登記に関する疑問やお見積もりのご相談もお気軽にお問い合わせください。

 

 

登記についてのご相談はこちら

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 不動産売却の登記費用は売主と買主どちらが負担しますか?

 

A: 所有権移転登記の費用は買主が負担し、抵当権抹消登記や住所変更登記の費用は売主が負担するのが一般的な商慣習です。

 

 

法律上の明確な規定はありませんが、多くの売買契約書にこの負担区分が記載されています。売主の負担額は3万円〜6万円程度に収まるケースがほとんどです。

 

 

 

Q: 住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記はいつ行いますか?

 

A: 決済日当日に、買主から受け取った売却代金でローン残債を一括返済し、同時に抵当権抹消登記を申請するのが一般的です。

 

 

これを「決済同時抹消」といい、司法書士が代金授受の確認後にまとめて法務局へ申請します。金融機関への事前連絡は決済日の2〜3週間前までに行いましょう。

 

 

 

Q: 相続した不動産を売却する場合、相続登記は必ず必要ですか?

 

A: 2024年4月から相続登記は法律で義務化されており、相続した不動産を売却する前に相続登記を完了させる必要があります。

 

 

登記簿上の名義が被相続人のままでは売買契約を進めることができません。遺産分割協議から登記完了まで1〜3か月かかることがあるため、早めに着手することをおすすめします。

 

 

 

Q: 不動産売却の登記を自分で行うことはできますか?

 

A: 法的には自分で登記申請を行うことも可能です。しかし、決済同時抹消が必要なケースでは、金融機関が司法書士の関与を求めるのが一般的です。

 

 

書類の不備や記載ミスがあると登記が完了せず、売買取引全体に影響が出るリスクがあります。多くの場合、司法書士に依頼するのが安全で確実な方法です。

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