「外国人から不動産を買いたいと連絡が来たけれど、どう対応すればいいのか分からない」。そんな不安を感じる売主様が増えています。
2026年現在、北海道では外国人による不動産購入が年々増加しており、札幌市内でも中古マンションや収益物件への問い合わせが目立つようになりました。
この記事では、外国人購入者への売却で売主側が押さえるべき実務ポイントを、契約・送金・登記・税務の流れに沿って体系的に解説します。
まず確認しておきたいのは、日本では外国人の不動産取得に法律上の制限がほぼないという点です。国籍を問わず土地・建物の所有権を取得できます。
ただし、在留資格の有無によって手続きの流れが異なります。以下の違いを把握しておくと、取引がスムーズになります。
売主様としては、買主がどのステータスに該当するかを早い段階で不動産会社を通じて確認しておくことが重要です。書類の準備期間が通常より2〜4週間長くなるケースが多いため、スケジュールに余裕を持った計画が求められます。
外国人との不動産取引で最も課題になるのが、言語と商習慣の違いです。契約段階で押さえるべき対応を整理します。
日本の不動産売買契約書は日本語が正本となりますが、買主が内容を理解できなければトラブルの原因になります。実務では以下の対応が一般的です。
通訳・翻訳費用の負担は当事者間の合意によりますが、買主側が負担するケースが約7割とされています。事前に費用負担の取り決めをしておくとスムーズです。
国によって不動産取引の慣行は大きく異なります。たとえば、手付金の概念がない国もあれば、契約後のキャンセルに対する感覚が日本と異なる場合もあります。
売主側としては、以下の点を不動産会社に確認しておくと安心です。
売却の方法と費用の詳細もあわせてご確認ください。
外国人購入者との取引で、売主様が最も不安を感じやすいのが「本当にお金が届くのか」という資金面の問題です。
日本国内に居住する外国人であれば、住宅ローンを利用できる金融機関は存在します。ただし、審査基準は日本人より厳しいのが現実です。
売主様としては、買主のローン審査状況を不動産会社経由で早期に確認し、ローン特約の設定期間を通常より1〜2週間長めに見ておくことをお勧めします。
現金購入の場合でも、海外からの送金には独自のリスクがあります。売主側が注意すべきポイントは以下の通りです。
決済日の設定は、海外送金の不確実性を考慮して通常より1〜2週間余裕を持たせるのが実務上の定石です。
外国人買主への所有権移転登記は、日本人同士の取引に比べて必要書類が増えます。売主側も事前準備が欠かせません。
日本に住民登録がない外国人は、印鑑証明書や住民票を取得できません。その場合、以下のような代替書類が必要になります。
これらの書類は取得に2〜6週間かかることが多く、決済日から逆算して早めに手配を依頼する必要があります。
外国人取引の経験がある司法書士を選ぶことが重要です。売主側から確認しておくべき項目をまとめます。
売主様の準備書類自体は日本人への売却と大きく変わりませんが、司法書士から追加で求められる情報がある場合に備え、連絡が取りやすい状態にしておくことが大切です。
道内では外国人による不動産購入が近年大きく伸びています。売却を検討中の方にとって、この動向は見逃せない情報です。
北海道における外国人の不動産購入は、ニセコ・倶知安エリアのリゾート物件から始まりました。2020年代に入ってからは、札幌市内の中古マンションや収益物件へと需要が拡大しています。
国土交通省の調査によると、北海道内で外国資本が取得した土地面積は全国でもトップクラスで、2025年の届出件数は前年比約15%増となりました。
購入者の国籍は多様化しており、従来のオーストラリア・香港に加え、シンガポール・台湾・中国本土からの投資も増えています。札幌の地下鉄沿線やJR沿線の利便性の高いエリアが特に注目されています。
外国人購入者が札幌の物件を選ぶ理由には、以下のような背景があります。
こうした動向から、札幌で不動産売却を考えている方にとって、外国人購入者への対応力は今後ますます重要になるといえます。マンション売却についてはこちらもご参照ください。
外国人に不動産を売却する場合、税務面で通常とは異なる対応が必要になることがあります。特に注意すべき2つのポイントを解説します。
買主が日本の非居住者である外国人の場合、売主側に源泉徴収義務が生じるケースがあります。ただし、これは買主が非居住者である場合に限られ、日本に住所を有する外国人への売却では通常発生しません。
また、日本と買主の本国との間に租税条約が締結されている場合、課税の取り扱いが変わる可能性があります。2026年現在、日本は約80カ国以上と租税条約を締結しています。
一般的に、不動産の譲渡所得は不動産所在地国(日本)で課税されますが、条約の内容によって税率や手続きが異なる場合があるため、税理士への事前相談をお勧めします。
売主様の確定申告は、買主が外国人であっても基本的な流れは変わりません。ただし、以下の点に注意が必要です。
税務の判断は個別の状況によって大きく異なるため、必ず税理士に確認することを強くお勧めします。収益物件の売却についてはこちらもあわせてご覧ください。
ここまで解説した内容を、取引の流れに沿ったチェックリストにまとめます。実際の対応にお役立てください。
外国人購入者との取引は、通常の売却より1〜2カ月長くかかるケースが一般的です。余裕を持ったスケジュールで進めることが成功の鍵です。
当社では、外国人購入者への対応を含めた不動産売却のサポートを行っております。ご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。無料査定・お問い合わせはこちらからどうぞ。
A: 通常の売却手続きに加え、買主の在留資格に応じた本人確認書類の確認が必要です。非居住者の場合は印鑑証明に代わる宣誓供述書やサイン証明書の準備を求めることになります。
また、司法書士との事前打ち合わせで登記に必要な書類の確認を行い、決済までのスケジュールを通常より余裕を持って設定しておくことが大切です。
A: 不動産取引に精通した通訳者の同席と、契約書の多言語翻訳版の作成が一般的な対応方法です。費用は通訳が1回3万〜8万円、翻訳が5万〜15万円程度が目安です。
外国人対応の実績がある不動産会社であれば、社内スタッフによるサポートを受けられる場合もあります。費用負担の取り決めを事前に行っておくとスムーズです。
A: 海外送金は着金まで3〜7営業日かかるのが一般的で、国や銀行によってはさらに遅れることがあります。為替変動のリスクもあるため、売買代金は円建てで確定させることが原則です。
決済日は通常より1〜2週間の余裕を持たせ、着金確認が完了してから引渡しに進む段取りを組むことが重要です。
A: 買主が日本の非居住者の場合、売主側に源泉徴収義務が生じる可能性があります。また、日本と買主の本国間の租税条約によって税務上の取り扱いが変わることもあります。
確定申告の基本的な流れは通常と同じですが、源泉徴収や租税条約の適用については個別判断が必要なため、決済前に税理士へ相談されることをお勧めします。
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