不動産を売るときは、売主が「付帯設備表」という書類を記入します。ただ、どの欄に何を書けばよいのか迷う方は多いです。
この記事では、付帯設備表の書き方を項目ごとの記入例と不具合の文例で解説します。あわせて、札幌など北海道の寒冷地に特有の設備の書き方と、記入前にできるセルフチェックの手順もご紹介します。
付帯設備表は、引渡し時に物件へ残す設備と、その状態を買主に伝える書類です。まずは似た書類との違いを整理します。
付帯設備表は、売買契約書に添付する書類として扱われることが多く、契約内容の一部になります。給湯器・エアコン・照明などについて「有・無・撤去」と状態を記入します。
買主はこの表を見て、引渡し後にどの設備が使えるかを判断します。記載内容は後のトラブル防止の基準にもなるため、事実をそのまま書くことが大切です。
物件状況報告書(告知書)は、雨漏りやシロアリ被害、近隣の状況など「建物や環境」について売主が知っていることを伝える書類です。違いは次の表のとおりです。
| 項目 | 付帯設備表 | 物件状況報告書(告知書) |
|---|---|---|
| 対象 | 給湯器・暖房機・照明などの設備 | 建物本体・土地・周辺環境 |
| 主な記入内容 | 有無・撤去の別、故障や不具合の有無 | 雨漏り・傾き・事件事故・騒音など |
| 記入する人 | 売主(不動産会社が確認) | 売主(不動産会社が確認) |
迷ったときは「取り外せる設備のこと」は付帯設備表、「建物や土地そのもののこと」は告知書に書くと整理しやすいです。売却全体の流れは不動産売却の方法と費用で解説しています。
一般的な様式は「設備名」「有・無・撤去」「故障・不具合」「備考」の4つの欄に分かれています。並び順に沿って記入例をご紹介します。
給湯器の寿命は一般的に10〜15年程度といわれます。設置年がわかる場合は備考に書いておくと、買主が交換時期を判断しやすくなります。
戸建ては屋外設備が多く、マンションより記入項目が増えます。戸建てならではの注意点は札幌の戸建て売却もご覧ください。
記入で迷いやすいのが「撤去」と「残置」の線引きです。判断基準を決めておくと、引渡し時のトラブルを減らせます。
注意したいのは、古いエアコンや照明を「好意で置いていく」場合です。「有」と書くと設備として引き渡すことになり、故障時の扱いが問題になることがあります。
この場合は「残置物として引き渡す。動作保証なし」と備考に書き、買主の了承を得る方法が一般的です。口頭ではなく、書面に残すことが大切です。
給湯器や灯油タンクがガス会社・燃料会社のリース品というケースは道内でも見られます。この場合、所有者は売主ではありません。
リース契約の残り期間によっては解約金がかかる場合もあります。契約書を手元で確認してから記入すると安心です。
札幌の年間降雪量は平均で約5mに達し、本州にはない設備が多くあります。寒冷地の設備は買主の関心が高いため、丁寧に書くことが大切です。
FF式暖房機の寿命は一般的に10〜15年程度とされます。ロードヒーティングは冬期の光熱費が月に数万円かかる例もあるため、熱源の種類まで書くと買主が判断しやすくなります。
水抜き栓は北海道の住宅ではほぼ標準の設備です。「有(電動式)」「台所・浴室・トイレの3か所」など方式と場所を書きます。
過去に凍結で配管が破損した場合は、修理済みでも記入しておくのが望ましいです。文例は「2024年1月、浴室給水管が凍結により破損。同月に修理済み、以後異常なし」です。
二重窓・内窓は「有(全10か所中8か所)」と数を書きます。積雪期の引渡しでは、ロードヒーティングの埋設部や屋外の灯油配管が雪に隠れて確認しにくいため、「積雪により未確認」と正直に記載する方法もあります。マンションの場合は札幌のマンション売却もご参照ください。
付帯設備表を書く前に、実際に設備を動かして確認することをおすすめします。所要時間は一般的な戸建てで1〜2時間程度です。
チェック結果はスマートフォンで写真に残しておくと、記入時の確認資料になります。日付入りの記録は引渡し後の確認にも役立ちます。
不具合は「症状・時期・頻度」の3点を書くと、伝わりやすくなります。そのまま使える文例は次のとおりです。
「調子が悪い」だけでは、程度が伝わりません。具体的に書いておくことで、買主も納得したうえで購入を判断できます。
付帯設備表の記載は、引渡し後の責任の範囲に関係します。断定はできませんが、一般的な考え方を整理します。
2020年4月の民法改正で、売主の責任は「契約不適合責任」に変わりました。契約内容と異なる状態で引き渡した場合、買主から修補や代金減額などを求められることがあります。
個人の売主の場合、多くの場合は特約で責任期間を引渡し後3か月程度に限定します。付帯設備については「引渡し後7日以内に申し出たものに限る」とする例も一般的です。具体的な内容は契約ごとに異なるため、個別に確認が必要です。
当社では、札幌市内の地下鉄沿線・JR沿線から郊外まで、現地で設備を一緒に確認しながら付帯設備表の記入をサポートしています。記入に不安がある方は、付帯設備表の記入サポートのご相談からお気軽にお問い合わせください。
付帯設備表の書き方について、お客様からよくいただく質問にお答えします。
A: 付帯設備表は、設備の状態を最もよく知る売主が記入するのが一般的です。
ただし、記入内容は不動産会社が確認し、書き方のサポートも行います。当社でも現地確認を含めてお手伝いしています。
A: 設備を残す場合は「有」とし、故障・不具合の欄に「有」と記入します。
備考には症状・発生時期・頻度を具体的に書きます。「2025年冬から点火しないことがある」のように書くと伝わりやすくなります。
A: 札幌などの寒冷地では、灯油タンクやロードヒーティングは主要な設備として記入するのが一般的です。
容量や熱源の種類、設置範囲、劣化状況も備考に書いておくと、買主が冬の暮らしをイメージしやすくなります。
A: 契約内容と異なるとして、買主から修補などを求められる場合があります。
記入後に故障に気づいたときは、引渡し前に早めに不動産会社へご相談ください。
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