0120-193-933 査定をはじめる

HOME>コラム>売却の進め方

限定承認の不動産売却手続きと流れ【2026年版】

借金があるかもしれない親の実家を相続することになり、どう手続きを進めればよいか迷っているお客様は少なくありません。

本記事では、限定承認をした不動産の売却について、申述・公告・換価・弁済・税務の流れを順番に解説します。札幌・北海道ならではの注意点と、当社がお手伝いできる部分もまとめました。

限定承認とは?相続放棄・単純承認との違い

限定承認は、相続したプラスの財産の範囲内で借金などのマイナスの財産を引き継ぐ相続方法です。まずは仕組みと、ほかの2つの方法との違いを整理します。

プラスの財産の範囲で債務を引き継ぐ仕組み

限定承認をすると、相続人は相続財産を超える債務を自分の財産から支払う必要がなくなります。債務が多いのか少ないのか分からないときに検討される方法です。

ただし手続きが複雑なため、司法統計では限定承認の申述は年間700件前後にとどまります。相続放棄が年間26万件を超えるのと比べると、選ばれる件数はかなり少ないのが実情です。

3つの相続方法を比較表で整理

債務・自宅の扱い・税負担・手間の4つの軸で比べると、次のようになります。

比較軸 単純承認 限定承認 相続放棄
債務 すべて引き継ぐ プラスの財産の範囲内まで 一切引き継がない
自宅の扱い そのまま相続できる 先買権で取得できる場合あり 手放すことになる
税負担 相続税のみ(基準を超えた場合) みなし譲渡所得課税が生じる場合あり 原則なし
手間 少ない 非常に多い 中程度

限定承認が向いているのは、たとえば次のようなケースです。

相続物件全般の売却の進め方は、相続物件の売却のページでもご紹介しています。

限定承認の手続きスケジュール|申述から弁済まで

限定承認は期限のある手続きが続きます。全体の流れを時系列でつかんでおくことが大切です。

3か月の熟慮期間内に相続人全員で家庭裁判所へ申述

限定承認は、相続の開始を知った時から3か月以内に申述する必要があります。申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続放棄と違い、限定承認は相続人全員がそろって申述しなければなりません。1人でも単純承認をしてしまうと、限定承認はできなくなります。

財産調査が間に合わない場合は、期限内に熟慮期間の伸長を申し立てることができます。申述費用は申述人1人につき収入印紙800円と郵便切手が目安です。

財産目録の作成・官報公告・債権者への弁済の順序

申述が受理された後の流れを表にまとめました。

時期 手続き
相続開始から3か月以内 財産目録を添えて家庭裁判所へ申述(伸長も可)
受理後5日以内 官報で債権者・受遺者へ請求申出を公告(相続人が複数で相続財産清算人が選ばれた場合は選任後10日以内)
公告から2か月以上 債権者が申し出る期間
申出期間の満了後 不動産などの換価と弁済
相続開始から4か月以内 被相続人の準確定申告(みなし譲渡所得がある場合)

弁済には決まった順序があり、一般的には次のように進みます。

限定承認した不動産の換価方法|競売・先買権・任意売却

限定承認の不動産売却で、もっとも判断が分かれるのが換価の方法です。競合サイトではあまり触れられていない判断軸を整理します。

民法932条の競売原則と鑑定人評価による先買権

民法932条では、弁済のために相続財産を売却する場合、原則として競売に付すことが定められています。公正な価格で換価し、債権者の利益を守るための仕組みです。

一方で、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価額を支払えば、相続人が競売を止めて不動産を取得できます。これを先買権と呼び、実家を残したいお客様にとって重要な選択肢です。

鑑定人の費用は物件によって異なりますが、数十万円程度かかるケースが多いとされます。競売を選ぶか先買権を使うかは、次の点を比べて判断します。

任意売却を検討する場合のリスクと確認事項

実務では、債権者全員の同意を得たうえで競売によらず市場で売却する例もあります。ただし法律上の原則から外れるため、慎重な検討が求められます。

不当に安い価格で売却すると、債権者から損害賠償を求められる恐れがあります。また限定承認の申述前に不動産を売却すると、単純承認とみなされる可能性がある点にも注意が必要です。

通常の売却方法や諸費用については、売却の方法と費用で詳しく解説しています。

限定承認特有の税金|みなし譲渡所得と準確定申告

限定承認には、ほかの相続方法にはない税金の注意点があります。思わぬ負担にならないよう、早めに把握しておきましょう。

被相続人に課税されるみなし譲渡所得の考え方

限定承認で不動産を相続すると、税法上は被相続人が亡くなった時の時価で相続人へ譲渡したものとみなされます。取得費より時価が高ければ、その差額に譲渡所得税がかかります。

所有期間が5年を超える長期譲渡の場合、所得税は一般的に15.315%です。昔に安く購入した土地ほど、課税額が大きくなりやすい傾向があります。

4か月以内の準確定申告と納税資金の注意点

みなし譲渡所得は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の準確定申告で申告します。この税金は被相続人の債務として、相続財産から支払う扱いになります。

なお、相続税は別に判定され、基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。個別の計算や特例の適用は、多くの場合で判断が分かれるため、税理士に確認することをおすすめします。

札幌・北海道で限定承認の不動産を売る際の注意点

北海道では、気候や土地の事情から換価のスケジュールがずれやすい傾向があります。地域ならではのポイントを確認しておきましょう。

札幌家庭裁判所への申述と道外に住む相続人との連携

被相続人が札幌市内に住んでいた場合、申述先は札幌家庭裁判所になります。道内の他地域では、管轄の支部が窓口になることもあります。

札幌の実家を相続するお客様には、首都圏など道外に住む相続人が含まれるケースが多く見られます。全員の署名・押印や戸籍の取り寄せに時間がかかるため、3か月の期限から逆算して早めに動くことが大切です。

冬季の積雪による換価の遅れと原野・山林の扱い

北海道では11月から3月頃にかけて積雪があり、現地確認や境界の確認が難しくなります。鑑定や査定、買主の内覧が1〜2か月ほど遅れる例もあります。

原野・山林は農地法の対象外のため、農地転用許可は不要です。一方、地目が田・畑の場合は農地法の許可が必要になるため、相続財産の地目を早めに確認しておきましょう。

土地の売却の進め方は土地の売却のページでもご案内しています。

司法書士・税理士・不動産会社の役割分担

限定承認は複数の専門家が関わる手続きです。誰に何を依頼するかを整理しておくと、スムーズに進められます。

専門家ごとに担当する業務の整理

専門家 主な担当業務
弁護士・司法書士 申述書類の作成、官報公告、債権者対応、相続登記
税理士 みなし譲渡所得の計算、準確定申告、相続税の申告
不動産鑑定士 家庭裁判所に選任された鑑定人としての評価
不動産会社 相場の把握、価格査定、買主探し、売却の段取り

不動産会社が支援できる価格査定と換価の段取り

当社では、限定承認を検討する段階から、相続不動産のおおよその相場をお伝えしています。財産が債務を上回るかを判断する材料として、無料査定をご活用いただけます。

札幌・道内の取引事例をもとに、冬季のスケジュールも踏まえてご提案します。まずは無料査定・お問い合わせからお気軽にご相談ください。

よくある質問

限定承認と不動産売却について、お客様からよくいただくご質問にお答えします。

Q: 限定承認をした場合、相続した不動産を競売ではなく通常の売却で手放すことはできますか?

A: 民法932条では競売が原則とされています。債権者全員の同意を得て任意売却する例もありますが、価格が不当だと損害賠償を求められる恐れがあります。

任意売却を検討する際は、事前に弁護士・司法書士へ確認し、査定書などで価格の妥当性を示せるようにしておくと安心です。

Q: 限定承認の申述期限である3か月を過ぎそうなときはどうすればよいですか?

A: 期限内であれば、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てることができます。財産調査が終わらない場合などに利用されます。

期限を過ぎると単純承認とみなされる可能性があるため、余裕を持って申し立てることをおすすめします。

Q: 限定承認で不動産を売却すると、どのような税金がかかりますか?

A: 一般的に、被相続人が時価で譲渡したとみなされ、みなし譲渡所得税が課される場合があります。相続開始から4か月以内に準確定申告を行います。

税額は取得費や所有期間によって変わるため、詳しくは税理士にご確認ください。

Q: 実家に住み続けたい場合、限定承認をしても自宅を残す方法はありますか?

A: 家庭裁判所が選任した鑑定人の評価額を支払えば、先買権によって競売を止め、自宅を取得できます。

評価額を一括で用意する必要があるため、事前に相場を把握して資金計画を立てておくことが大切です。

札幌の不動産売却、まずは無料査定から

無料査定はこちら / 0120-193-933

受付時間: 10:00〜18:00(月〜土)