0120-193-933 査定をはじめる

HOME>コラム>土地売却

不在者財産管理人の選任と土地売却の流れ【2026年版】

2026.11.05土地売却

相続した土地や共有名義の土地を売りたくても、所有者や共有者の一人と連絡が取れず、話が止まっているお客様は少なくありません。

このような場合に使われるのが「不在者財産管理人」の制度です。本記事では、申立てと選任から土地の売却、決済までの流れを順番に解説します。札幌で不動産売却をお手伝いしている当社の実務経験をもとにまとめています。

不在者財産管理人とは?土地売却に必要になるケース

不在者財産管理人とは、行方が分からない人に代わって、その人の財産を管理する人です。家庭裁判所が選任します。

不在者財産管理人の役割と権限の範囲

一般的に、不在者財産管理人ができるのは、財産を守るための「保存行為」と、性質を変えない範囲での「利用・改良行為」です。民法では第28条で定められています。

土地の売却は財産の形を大きく変える「処分行為」にあたります。そのため、多くの場合は管理人の権限だけでは売れず、家庭裁判所の許可が別に要ります。

共有名義・遺産分割協議に行方不明者がいる場合

当社への相談で多いのは、次のように売却が止まってしまうケースです。

遺産分割協議に行方不明の相続人がいる場合は、その方を除いて協議を進めることはできません。相続物件の売却全般については相続物件の売却のページもご覧ください。

不在者財産管理人の選任申立ての流れと費用・期間

申立ては、誰でもできるわけではありません。ここでは、申立人・管轄・書類・費用・期間の目安を一覧でまとめます。

申立人になれる利害関係人と管轄の家庭裁判所

申立てができるのは、一般的に「利害関係人」と検察官です。利害関係人とは、次のような方を指します。

申立先は、原則として不在者の従来の住所地か居所地を管轄する家庭裁判所です。札幌に住んでいた方が不在者であれば、札幌家庭裁判所が窓口になるのが一般的です。

必要書類・申立費用・予納金・選任までの期間の目安

主な費用と期間の目安は次のとおりです。金額や必要書類は裁判所や事案によって変わるため、申立て前に家庭裁判所や専門家にご確認ください。

項目 目安
申立手数料(収入印紙) 800円
連絡用の郵便切手 数千円程度
予納金 30万〜100万円程度になることが多い
主な書類 申立書、不在者の戸籍謄本・戸籍附票、不在の事実を示す資料、財産目録、登記事項証明書、固定資産評価証明書など
選任までの期間 申立てから1〜3か月程度

予納金は、管理人(弁護士・司法書士など)への報酬や管理の経費にあてるため、申立人が先に裁判所へ納めます。不在者の財産から報酬をまかなえる見込みがあれば、予納金が低めになることもあります。

土地を売るには「権限外行為許可」の申立てが必要

管理人が選任されたあと、土地を売るには「権限外行為許可」をもう一度家庭裁判所に申し立てるのが一般的です。申立人は管理人で、手数料は収入印紙800円が目安です。

許可が出やすい売却理由の整理の仕方

裁判所は「不在者の利益になる売却か」を見て判断するといわれています。売却理由は、次のような点で整理します。

遺産分割を目的とする場合は、不在者の法定相続分を確保する内容でないと許可が出にくい傾向があるといわれています。詳しくは管理人や専門家にご相談ください。

価格の妥当性を示す査定書・成約事例の用意

許可の判断で特に重視されるのが「売却価格が安すぎないか」です。不動産会社の査定書や、近隣の成約事例を添付するのが一般的です。

当社では、レインズの札幌市内の成約データや公示地価、路線価をもとに、裁判所に出しやすい形の査定書を作成しています。比較に使った事例の所在エリア・面積・坪単価・成約時期を一覧にし、価格の根拠が読み取れるようにしています。

買主が決まっている場合は、買付証明書と査定書の価格の差を説明できるようにしておくと、手続きが進めやすくなります。土地売却の基本は土地の売却のページで紹介しています。

選任から売買契約・決済までの時系列ガイド

申立てから決済までは、全体で半年〜1年程度かかるケースが多くあります。各段階の流れを表にまとめました。

ステップ 主な担当 期間の目安
相談・資料集め(戸籍・登記・査定) 申立人・当社・専門家 2週間〜1か月
選任の申立て〜管理人の選任 申立人・家庭裁判所 1〜3か月
管理人による財産調査・財産目録の作成 管理人 1か月前後
買主の探索・価格交渉 当社・管理人 1〜3か月
権限外行為許可の申立て〜許可 管理人・家庭裁判所 2週間〜2か月
売買契約・決済・所有権移転登記 管理人・買主・司法書士・当社 2週間〜1か月

管理人(弁護士・司法書士)と不動産会社の役割分担

停止条件付き契約など買主との進め方

許可の前に買主と条件をまとめる場合、「家庭裁判所の許可が出ることを条件に効力が生じる」停止条件付きの契約を結ぶ方法がよく使われます。

許可が下りなかった場合は契約が白紙になるため、買主には事前に事情を説明しておくことが大切です。当社では、手続きの流れを理解したうえで待っていただける買主様への紹介や、当社による買取のご提案も行っています。

失踪宣告・相続財産清算人など他の手続きとの比較

行方不明の方がいるときの手続きは、不在者財産管理人だけではありません。目的に合わせて使い分けを検討します。

失踪宣告との違いと選び方の考え方

失踪宣告は、生死不明の状態が一般的に7年間続いた場合(災害などの危難では1年間)に、その方を亡くなったものとみなす制度です。宣告されると相続が始まり、相続人が土地を売れるようになります。

一方、不在者財産管理人は、生きている前提で財産を管理する制度です。不在期間が7年に満たない場合は、不在者財産管理人を検討するのが一般的です。

相続財産清算人など似た制度との使い分け

制度 主な使う場面 売却までの流れ
不在者財産管理人 所有者・相続人の行方が分からない 選任→権限外行為許可→売却
失踪宣告 生死不明が7年以上(危難は1年) 宣告→相続登記→相続人が売却
相続財産清算人 相続人がいない、または全員が相続放棄した 選任→公告→許可を得て売却
所在等不明共有者の持分取得・譲渡 共有者の一部の所在が分からない(2023年4月施行) 裁判を経て持分を取得、または土地全体を譲渡

どの制度が合うかは、不在の期間や財産の状況によって変わります。最終的な判断は弁護士・司法書士などの専門家とご相談ください。

札幌で所有者不在の土地を売るときの注意点

北海道ならではの事情で、手続きや売却の段取りが本州と変わることがあります。地元業者の目線で注意点をまとめます。

道外に転居し連絡が取れない土地・郊外の遊休地や原野

札幌では、所有者が就職や転勤で道外に移り、数十年連絡が途絶えている土地の相談が多くあります。地下鉄沿線やJR沿線の住宅地だけでなく、郊外の遊休地や原野も目立ちます。

なお、登記地目が「山林」「原野」「雑種地」の場合は農地法の対象外で、農地転用許可は要りません。農地転用許可が必要になるのは、田・畑の場合です。現況と地目が違うときは、地目変更登記が必要になることがあります。

冬の現地確認・測量の制約と固定資産税・除雪などの管理負担

測量が必要な土地は、雪解け後の5〜10月に作業できるよう逆算して申立てを始めると、売却までの期間が短くなりやすいです。当社では、札幌家庭裁判所での手続き期間の目安も含めて段取りをご提案しています。

不在者の土地売却を当社に相談するメリット

当社は、裁判所の手続きが絡む土地の売却も、専門家と連携してお手伝いしています。

裁判所提出用の査定書・成約事例資料の作成支援

権限外行為許可の申立てに添付する査定書を、札幌市内や道内の成約事例をもとに作成します。事例の一覧と物件の図面をまとめた資料にして、価格の根拠が分かる形でお渡しします。

専門家と連携した申立てから決済までのサポート

「まず制度が使えるか知りたい」という段階のご相談も承っています。無料査定・お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

よくある質問

不在者財産管理人の選任と土地売却について、よくいただく質問にお答えします。

Q: 不在者財産管理人の選任を申し立ててから土地を売却できるまで、どのくらいの期間がかかりますか?

A: 一般的に、管理人の選任までに1〜3か月、権限外行為許可までにさらに2週間〜2か月程度かかります。

買主探しや決済も含めると、全体で半年〜1年程度が目安ですが、事案や裁判所の状況によって変わります。

Q: 申立てにかかる費用や予納金はいくらくらいで、誰が負担するのですか?

A: 申立手数料は収入印紙800円、郵便切手が数千円程度です。予納金は30万〜100万円程度になることが多く、申立人が先に納めます。

金額は事案ごとに裁判所が決めるため、申立て前に家庭裁判所や専門家にご確認ください。

Q: 不在者財産管理人が選任されれば、家庭裁判所の許可なしで土地を売却できますか?

A: 土地の売却は管理人の権限を超える処分行為にあたるため、多くの場合、家庭裁判所の権限外行為許可が要ります。

許可の申立てでは、売却理由と価格が妥当であることを示す査定書や成約事例を添付するのが一般的です。

Q: 共有名義の土地で共有者の一人が行方不明の場合、不在者財産管理人を立てて土地全体を売却できますか?

A: 管理人が売れるのは、行方不明の方の持分だけです。土地全体を売るには、他の共有者全員が自分の持分を一緒に売ることに同意する必要があります。

管理人の持分売却にも権限外行為許可が要るのが一般的なため、共有者と管理人で条件をすり合わせて進めます。

札幌の不動産売却、まずは無料査定から

無料査定はこちら / 0120-193-933

受付時間: 10:00〜18:00(月〜土)