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2023/04/28

相続した不動産 コラム

収益物件は相続税対策になるのか|評価が下がる仕組みと、判断する前に見るべき5点

「アパートを持つと相続税が下がる」という話を聞いたことがあると思います。

結論を先に言うと、仕組みとしては本当です。現金で持っているより、不動産、それも人に貸している不動産で持っているほうが、相続税の計算に使う評価額は低くなります。

ただし「税金が下がる」ことと「得をする」ことは別の話です。空室が続けば手元のお金は減りますし、相続人が複数いると分けにくくなります。この記事では、なぜ評価額が下がるのかという仕組みと、実際に判断するときの注意点を分けて説明します。

この記事は一般的な仕組みの説明です。実際にいくらになるか、特例が使えるかは、ご家族の状況・資産の内訳・時期によって変わります。判断の前に必ず税理士にご相談ください。弊社は不動産の評価と売却のご相談を承ります。

なぜ相続税の評価額が下がるのか

現金と不動産では、数え方が違う

相続税は、亡くなった時点の財産の「評価額」に対してかかります。現金1億円は、そのまま1億円と数えます。ところが不動産は、時価ではなく決められた方法で評価するため、時価より低い金額になるのが普通です。

土地は「路線価」で評価する

相続税の計算で使うのは路線価です。路線価は、公示地価のおおむね8割の水準で設定されています。つまり同じ土地でも、相続税の計算上は時価より低く数えられます。

建物は「固定資産税評価額」で評価する

建物は固定資産税評価額を使います。これは建築費のおおむね5割から6割が目安です。1億円かけて建てた建物が、5,000万円台で評価されるといったことが起こります。

人に貸していると、さらに下がる

ここが収益物件の話の核心です。自分で使っている不動産より、人に貸している不動産のほうが評価額は低くなります。借りている人の権利があるぶん、所有者が自由にできないためです。

  • 貸家建付地/アパートが建っている土地。借地権割合と借家権割合、実際に貸している割合に応じて評価額が下がります
  • 貸家/貸している建物。借家権割合(原則30%)と賃貸割合に応じて評価額が下がります

満室に近いほど下がり幅が大きくなります。空室が多いと、その分は自分で使っている扱いになり、評価減が効きません。

小規模宅地等の特例

貸付事業に使っている土地は、一定の要件を満たせば200㎡まで評価額を50%減らせる特例があります。ただし、相続が始まる前3年以内に貸し始めた土地は、原則として対象外です(一定規模以上で事業として行っている場合を除きます)。

「相続が近いから今からアパートを買う」という進め方が通りにくいのは、この決まりがあるためです。

「税金が下がる」と「得をする」は別の話です

ここからが、判断のときに見落とされやすいところです。

1. 空室が続けば、そもそも赤字になる

相続税の評価額が下がっても、毎年の収支が赤字なら意味がありません。札幌では、駐車場の台数が足りないアパートは空室が埋まりにくくなります。車が必要な地域が多いためです。

さらに、セントラル暖房で灯油代を大家が負担している物件は、冬の暖房費が経費として重くのしかかります。除雪費用も毎年かかります。表面の利回りだけを見て買うと、実際の手残りがまるで違うということが起こります。

2. 建物は古くなる

10年後、20年後には修繕が必要になります。屋根・外壁・給排水管・ボイラー。相続する側は、建物と一緒にこの費用も引き継ぎます。

3. 分けにくい

相続人が複数いる場合、アパートは現金のように分けられません。共有名義にすると、売るときに全員の同意が必要になり、次の相続でさらに人数が増えます。「税金は下がったが、兄弟で話がまとまらない」というのは実際によくあります。

4. 借入は相続人が引き継ぐ

借入をして建てた場合、その返済義務も相続人に引き継がれます。家賃で返せているうちは問題になりませんが、空室が増えると重くなります。

5. 相続が近いからといって直前に買っても効きにくい

小規模宅地等の特例には3年の決まりがあります。また、明らかに税負担を減らすためだけの取引と判断された場合、評価が認められないことがあります。時間の余裕をもって考えるべき話です。

すでに収益物件を相続した方へ

まず相続登記を済ませます

亡くなった方の名義のままでは売れません。相続登記は2024年4月から義務になり、取得を知った日から3年以内に行う必要があります。詳しくは相続した不動産の売却をご覧ください。

持ち続けるか、売るかの判断

次の点を並べて比べます。

  • いまの入居率と、年間の家賃収入
  • これから必要になる修繕の費用と時期
  • 借入が残っているか
  • 相続人が複数いて、分ける必要があるか
  • いま売った場合の金額

収益物件の価格は年間の家賃収入 ÷ 想定利回りで決まります。たとえば年間の家賃収入が480万円で、そのエリア・築年数で投資家が求める利回りが9%なら、およそ5,330万円が目安です。詳しくは収益物件の売却で説明しています。

入居者に知られずに売れます

入居中のまま、大家の立場ごと売ることができます(オーナーチェンジ)。入居者へのお知らせは引き渡しが終わってから新しい所有者の名前で行います。売却を検討している段階で伝える必要はありません。

相続税を払うために売るなら、期限から逆算する

相続税の納付期限は相続開始から10か月です。収益物件は買主の融資審査に時間がかかるため、売り出しから引き渡しまで4か月から半年を見ておく必要があります。逆算すると、相続開始から4〜5か月のうちには動き始めたほうが安全です。

また、相続税を払った場合、相続開始から3年10か月以内に売れば、相続税の一部を取得費に加えられる特例があります(取得費加算の特例)。使えるかどうかは税理士にご確認ください。

よくあるご質問

アパートを建てれば必ず相続税が下がりますか。

評価額が下がる仕組みはありますが、いくら下がるかは土地の評価・入居率・借入の有無で変わります。また、収支が赤字になれば税金が下がっても手元は減ります。判断の前に必ず税理士にご相談ください。

空室が多いと、評価は下がりませんか。

貸している割合に応じて評価減が決まるため、空室が多いと下がり幅は小さくなります。

相続が近いのですが、今から買っても間に合いますか。

小規模宅地等の特例には、相続開始前3年以内に貸し始めた土地は原則対象外という決まりがあります。時間の余裕をもって考えるべき話です。

相続したアパートを売りたいのですが、入居者に知られますか。

知られません。入居者へのお知らせは引き渡しが終わってから、新しい所有者の名前で行います。

相続税の支払いに間に合いますか。

納付期限は相続開始から10か月です。収益物件は売り出しから引き渡しまで4か月から半年かかるため、早めに動く必要があります。お急ぎであれば弊社での買取もご相談いただけます。

兄弟で相続しました。どう分ければいいですか。

売って現金にしてから分ける(換価分割)が一番もめにくい方法です。まず金額を全員が同じ数字で見られるようにすると、話が進みやすくなります。

査定は無料ですか。

無料です。レントロールと賃貸借契約書があれば、資料だけで金額をお出しできます。

いま売ったら、いくらになるか

持ち続けるか売るかを決めるには、まず今の金額が要ります。名前も電話番号も入力せずに、相場が60秒でわかります。

電話なしで査定額を見る →

一棟の利回り査定は 収益物件の売却、相続の手順は 相続した不動産の売却 をご覧ください。お電話は 0120-193-933(10:00〜18:00・日曜定休)。

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