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2026/07/21
不動産売却で老後資金はいくら必要?
不動産売却で老後資金はいくら必要?
「持ち家を売却したら、老後の生活費は足りるのだろうか」。このような不安を抱えるお客様は少なくありません。
老後に必要な資金は、年金だけでは不足するケースが多いとされています。特に札幌にお住まいの方は、冬季の光熱費など北海道ならではの支出も考慮しなければなりません。
この記事では、不動産の売却で得られる手取り額と老後に必要な生活費を具体的な数字で比較し、資金の過不足を見える化する方法を解説します。
老後資金はいくら必要?生活費から逆算する
老後にいくら必要かを把握するには、まず毎月の生活費と年金受給額の差額を確認することが大切です。
総務省の家計調査(2024年)によると、65歳以上の世帯における1か月あたりの平均支出は以下のとおりです。
夫婦世帯・単身世帯の月額生活費の目安
- 夫婦世帯(65歳以上):月額約28万円(年間約336万円)
- 単身世帯(65歳以上):月額約16万円(年間約192万円)
一方、厚生年金を含む年金の平均受給額は夫婦合計で月額約22万円、単身では約14万円程度が目安です。
年金受給額との差額が「本当に必要な老後資金」
夫婦世帯の場合、毎月の不足額は約6万円になります。65歳から90歳までの25年間で計算すると、不足の総額は約1,800万円です。
単身世帯でも月約2万円の不足が生じ、25年間で約600万円が不足する計算です。さらに、介護費用や医療費の予備資金として300万〜500万円を上乗せすると安心できます。
つまり、年金以外に夫婦で約2,000万〜2,300万円、単身で約900万〜1,100万円の備えが一つの目安となります。漠然とした「2,000万円問題」も、こうして内訳を分解すれば根拠のある数字として捉えられます。
札幌の不動産売却で手取り額はいくらになるか
老後に必要な金額がわかったら、次は不動産を売却した場合にいくら手元に残るかを試算しましょう。
マンション・戸建て・土地の売却相場の目安
2026年現在、札幌市内の不動産売却相場はおおむね以下の価格帯です。
- マンション(築20年・3LDK):地下鉄沿線で約1,800万〜2,800万円、JR沿線で約1,200万〜2,000万円
- 戸建て(築25年・土地50坪):市街地エリアで約1,500万〜2,500万円
- 土地(50坪):道内の市街地エリアで約800万〜1,800万円
立地条件や築年数によって大きく変動しますが、札幌は近年の再開発やインバウンド需要の影響で、マンション価格が上昇傾向にあります。
仲介手数料・税金を引いた手取り額の計算方法
売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。主な費用は以下のとおりです。
- 仲介手数料:売却価格×3%+6万円+消費税(売却価格2,000万円なら約72.6万円)
- 譲渡所得税:所有期間5年超なら約20.315%(居住用の3,000万円特別控除が適用できれば非課税になるケースも多い)
- 印紙税:売買契約書に貼付(1,000万〜5,000万円の契約で1万円)
- その他:抵当権抹消費用、測量費、引越し費用など
たとえば札幌の地下鉄沿線でマンションを2,000万円で売却した場合、3,000万円特別控除の適用を受ければ譲渡所得税はゼロになることが一般的です。仲介手数料や諸費用を差し引くと、手取り額はおよそ1,850万〜1,900万円が目安になります。
売却にかかる費用の詳細は売却の方法と費用のページでも解説しています。
売却手取り額と老後資金の不足額を比較する
ここからが、この記事の最も重要なポイントです。売却で得られる手取り額と、老後に不足する資金を実際に比較してみましょう。
売却額で老後資金をまかなえるケース・不足するケース
先ほどの試算をもとにシミュレーションします。
- まかなえるケース:マンションを2,000万円で売却(手取り約1,880万円)+退職金500万円+預貯金300万円=合計約2,680万円。夫婦の不足額2,000万〜2,300万円を上回り、資金に余裕が生まれます
- 不足するケース:戸建てを1,200万円で売却(手取り約1,100万円)+預貯金200万円=合計約1,300万円。夫婦の不足額に対して約700万円のギャップが残ります
このように、売却額だけで老後資金のすべてを補えるとは限りません。退職金や預貯金と合わせたトータルで判断する視点が欠かせません。
不足分の補填策と資金管理の考え方
売却手取り額だけでは不足する場合、以下のような補填策を組み合わせて検討できます。
- 就労収入の確保:65歳以降もパートや再雇用で月5万〜10万円を得ると、年間60万〜120万円の上乗せになります
- iDeCo・つみたてNISAの活用:売却資金の一部を非課税枠で運用し、取り崩しながら生活費に充てる方法があります
- 生活費の見直し:固定費の削減だけで月2万〜3万円の圧縮が可能なケースも多くあります
- リバースモーゲージの検討:売却せず自宅を担保に老後資金を借り入れる選択肢もあります
大切なのは、売却代金を一括で使い切らず、「毎月いくら取り崩すか」を計画的に管理することです。ファイナンシャルプランナーに相談してキャッシュフロー表を作成すると、より精度の高い資金計画を立てられます。
持ち家に住み続ける場合と売却・住み替えの損益比較
「売却した方がいいのか、それとも住み続けた方が得なのか」。この判断は老後資金を考える上で避けて通れないテーマです。
維持費・修繕費を含む住み続けるコスト
持ち家に住み続ける場合、以下のような年間コストが継続的に発生します。
- 固定資産税:札幌の一般的な戸建てで年間8万〜15万円
- 修繕・メンテナンス費:築30年を超えると外壁・屋根・水回りなどで10年あたり200万〜400万円
- 火災保険・地震保険:年間3万〜6万円
- マンションの場合:管理費+修繕積立金で月2万〜4万円(年間24万〜48万円)
これらを25年間で合計すると、戸建てで約800万〜1,200万円、マンションでは約900万〜1,500万円に達する可能性があります。
賃貸やサ高住に住み替えた場合の収支バランス
一方、売却して賃貸に住み替えた場合は、家賃が新たな支出になります。札幌の高齢者向け賃貸は月額5万〜8万円程度が相場です。年間で60万〜96万円、25年間で1,500万〜2,400万円の家賃総額になります。
損益分岐点の目安としては、住み続ける維持費と賃貸の家賃が同水準になる築35年前後が一つの判断ラインです。築年数がそれより浅ければ住み続ける方が有利なことが多く、それより古い場合は売却・住み替えの方がトータルコストを抑えられるケースが増えます。
マンション売却の詳しい流れはマンション売却のページをご覧ください。
札幌で老後の住み替え先を選ぶポイント
不動産を売却して住み替える場合、札幌ならではの条件を踏まえて住み替え先を選ぶことが大切です。
高齢者向け賃貸・サ高住の家賃相場
札幌圏の高齢者向け住まいの費用目安は以下のとおりです。
- 高齢者向け賃貸住宅:月額5万〜8万円(共益費込み)
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):月額10万〜18万円(食事・生活支援サービス込み)
- 有料老人ホーム:入居一時金0〜300万円+月額15万〜25万円
地下鉄沿線やJR沿線の物件は利便性が高い分、やや家賃が上がる傾向にあります。通院や買い物の利便性と家賃のバランスを見て選びましょう。
冬季光熱費を含めた札幌の老後生活費の実態
北海道で老後を過ごす場合、全国平均にはない支出項目を見落とさないことが重要です。
- 冬季の暖房費:灯油やガス暖房で月額2万〜4万円(11月〜3月の5か月間)
- 年間の光熱費合計:約30万〜40万円(全国平均より年間8万〜12万円ほど多い)
- 除雪関連費用:戸建ての場合、除雪サービスでシーズン3万〜8万円
これらの道内特有のコストを加味すると、夫婦世帯の月額生活費は全国平均より約1万〜2万円多い約30万円前後が現実的な目安になります。老後資金を試算する際には、この上乗せ分をしっかり計算に入れてください。
不動産売却のベストタイミングと進め方
売却を決断するタイミングは、老後の資金計画に大きく影響します。定年前と定年後では戦略が異なるため、ご自身の状況に合った判断が必要です。
定年前と定年後で異なる売却戦略
- 55〜60歳(定年前):住宅ローンを完済しやすく、給与収入があるうちに住み替え先の賃貸審査も通りやすいメリットがあります。売却益を老後資金として計画的に準備できる最適な時期の一つです
- 60〜65歳(定年後すぐ):退職金の受け取りと売却を組み合わせることで、まとまった資金を確保できます。ただし収入減少後のため、次の住居選びは慎重に進めましょう
- 70歳以降:体力や判断力の面で手続きの負担が増える傾向があります。お子様やご家族と相談しながら早めに動き出すことをおすすめします
一般的には、住宅ローンの完済が見えた60歳前後が売却を検討する一つの節目とされています。
住宅ローン残債がある場合の注意点
売却時にローン残債がある場合は、売却代金で一括返済する必要があります。売却額がローン残債を下回る「オーバーローン」の状態では、差額を自己資金で補填しなければなりません。
事前に金融機関へ残債額を確認し、査定額と照らし合わせてから売却の可否を判断することが重要です。戸建て売却の流れは戸建て売却の詳しい解説ページもあわせてご確認ください。
よくある質問
Q: 老後資金2,000万円問題は札幌でも当てはまりますか?
A: 札幌を含む北海道では、冬季の暖房費が全国平均より年間8万〜12万円ほど多くかかります。
そのため、全国平均の2,000万円よりやや多めに見積もり、2,200万〜2,500万円程度を目安にすると安心です。
Q: 不動産を売却した手取り額はどうやって計算しますか?
A: 売却価格から仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)、譲渡所得税、印紙税などの諸費用を差し引いて算出します。
居住用不動産の場合、3,000万円の特別控除が適用できれば譲渡所得税が非課税になるケースも多くあります。
Q: 住み替えと住み続けるのはどちらが老後の資金計画に有利ですか?
A: 一概にはいえませんが、維持費と家賃の損益分岐点は築35年前後が目安です。
築年数が古い場合は修繕費が増加するため売却・住み替えが有利になりやすく、築浅なら住み続ける方がコストを抑えられる傾向があります。健康状態やバリアフリーの必要性も判断材料になります。
Q: 不動産売却のベストなタイミングは何歳頃ですか?
A: 住宅ローンの完済時期や退職金の受け取りを考慮すると、一般的に60歳前後が一つの目安とされています。
定年前であれば給与収入があるため住み替え先の賃貸審査にも通りやすく、資金計画を立てやすいメリットがあります。
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