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2026/09/17

税金・確定申告 コラム

札幌の農地売却にかかる税金と節税対策

札幌の農地売却にかかる税金と節税対策

札幌近郊で農地を所有されているお客様から、「農地を売却したいが税金がどれくらいかかるのかわからない」というご相談が増えています。

 

 

農地の不動産売却は、一般的な宅地の売却とは税金の計算方法や必要な手続きが大きく異なります。農地法の許可区分や農地の評価方法によって、最終的な税額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。

 

 

この記事では、札幌・北海道で農地売却を検討されているお客様に向けて、譲渡所得税の計算から特別控除の活用法、確定申告の手順まで、実務レベルで役立つ税金の知識を網羅的に解説します。

 

 

 

農地売却で発生する税金の全体像

 

農地を売却した際に発生する税金は、大きく分けて3種類あります。まずは全体像を把握しましょう。

  • 譲渡所得税・住民税:売却益(譲渡所得)に対して課税される税金で、農地売却の税負担の中心です
  • 印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙の費用で、売買価格が1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減措置適用時)です
  • 登録免許税:所有権移転登記にかかる税金で、通常は買主が負担します

譲渡所得税の税率は、所有期間によって大きく異なります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得として所得税15.315%・住民税5%の合計約20.315%が課税されます。

 

 

一方、所有期間が5年以下の短期譲渡所得の場合は、所得税30.63%・住民税9%の合計約39.63%と、税率がほぼ2倍になります。

 

 

農地と宅地で大きく異なるのが取得費の算出方法です。農地は宅地と比べて取得時の価格が低いケースが多く、売却価格との差額(譲渡所得)が大きくなりやすい傾向があります。先代から相続した農地で取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費とするため、税負担がさらに重くなることがあります。

 

 

こうした税金の仕組みを事前に理解しておくことが、適切な節税対策につながります。売却時の費用と税金の詳細はこちらもあわせてご確認ください。

 

 

 

農地法3条・4条・5条の違いと税金への影響

 

登記地目が田・畑の農地を売却する場合、農地法に基づく許可が欠かせません。この許可の種類によって、譲渡所得の計算方法や適用できる特例が変わります。

  • 3条許可(権利移動):農地を農地のまま、別の農業従事者に売却する場合に必要な許可です
  • 4条許可(転用):農地の所有者自身が農地を宅地や駐車場などに転用する場合に必要です
  • 5条許可(転用目的の権利移動):農地を転用する目的で第三者に売却する場合に必要で、実務上もっとも多いケースです

税金面で特に重要なのは、「農地のまま売却するか」「転用してから売却するか」という選択です。

 

 

 

転用前売却と転用後売却の税額差シミュレーション

 

たとえば、札幌近郊の市街化区域内農地(面積500坪・約1,650㎡)を例に考えてみましょう。

  • 農地のまま3条許可で売却:売却価格の相場は坪あたり3万〜8万円程度で、総額1,500万〜4,000万円が目安です
  • 5条許可で転用目的の売却:宅地としての評価に近づくため、坪あたり15万〜30万円程度まで上昇し、総額7,500万〜1億5,000万円になる可能性があります

転用目的で売却すれば売却価格は大幅に上がりますが、譲渡所得も大きくなるため税額も増加します。長期譲渡所得の税率20.315%で計算すると、譲渡所得が5,000万円の場合の税額は約1,016万円にのぼります。

 

 

一方、農地のまま売却した場合は譲渡所得が1,000万円程度に収まることが多く、税額は約203万円と大幅に抑えられます。ただし手取り総額で見ると、転用売却のほうが有利になるケースが一般的です。

 

 

 

農地売却で使える特別控除と特例制度

 

農地の売却では、一定の条件を満たすことで大きな節税効果が得られる特別控除や特例制度があります。

 

 

 

800万円特別控除の適用要件と注意点

 

農地売却で最も注目すべき制度が、農地保有の合理化等のための譲渡に係る800万円の特別控除です。この特例を利用できれば、譲渡所得から最大800万円を差し引くことができます。

 

 

適用を受けるための主な要件は以下のとおりです。

  • 農業委員会のあっせん等により、農地中間管理機構(農地バンク)や認定農業者に譲渡すること
  • 譲渡した農地が農業振興地域内の農用地であること
  • 譲渡の対価が適正な時価であること
  • 確定申告時に農業委員会発行の証明書を添付すること

仮に譲渡所得が1,200万円の場合、800万円控除を適用すると課税対象は400万円に圧縮されます。長期譲渡所得の税率約20.315%を適用すると、税額は約81万円となり、控除なしの場合の約244万円と比べて約163万円の節税効果があります。

 

 

 

相続農地の取得費加算の特例

 

相続により取得した農地を、相続開始から3年10か月以内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が利用できます。

 

 

この特例は800万円特別控除との併用も可能なケースがあり、相続農地の売却では大きな節税手段となります。相続した不動産の売却についても参考にしてください。

 

 

 

農地の評価方法と固定資産税の種類別比較

 

農地にかかる税金を正しく理解するには、農地の評価区分の違いを知ることが重要です。評価区分によって固定資産税の額も売却時の税金も大きく変わります。

  • 純農地:市街化調整区域にある農地で、農地としての収益性をもとに評価されます。固定資産税は10アールあたり年間1,000〜3,000円程度と低額です
  • 市街化区域内農地(一般農地課税):市街化区域にありながら、生産緑地指定等で農地課税が適用される農地です。固定資産税は10アールあたり年間数千〜1万円程度です
  • 宅地並み課税農地:市街化区域内で宅地並みの評価を受ける農地です。固定資産税は10アールあたり年間数十万〜100万円以上になることもあります

純農地と宅地並み課税農地では、固定資産税の負担が100倍以上異なるケースもあります。宅地並み課税農地を所有している場合、毎年の税負担が大きいため、早期売却を検討される方が多い傾向にあります。

 

 

また、固定資産税評価額と実際の売買価格(実勢価格)には大きな乖離があることも認識しておくべきポイントです。道内の農地では、固定資産税評価額の2〜5倍程度が実勢価格の目安とされていますが、立地条件によって大きく変動します。

 

 

 

札幌近郊の農地売却で知っておくべき地域事情

 

北海道、特に札幌近郊の農地売却には、他の地域とは異なる特有の事情があります。地域の実情を踏まえた判断が大切です。

 

 

 

石狩平野の市街化区域内農地と宅地並み課税の実態

 

札幌市やその周辺の石狩平野エリアでは、市街化区域の拡大に伴い、かつての農地が宅地並み課税の対象となっているケースが増えています。地下鉄沿線やJR沿線の駅周辺では、住宅開発が進んでおり、農地としての利用を続けていても税負担だけが重くなる状況が生まれています。

 

 

札幌市近郊の市街化区域内農地の実勢価格は、坪あたり10万〜35万円程度が相場です。市街地エリアに近いほど高く、郊外に向かうほど下がる傾向にあります。

 

 

 

北海道農業委員会の許可傾向と手続きの流れ

 

田・畑の農地を売却する際の農業委員会への許可申請は、一般的に以下の流れで進みます。

  • 農業委員会事務局への事前相談(申請の1〜2か月前が目安)
  • 毎月の締切日までに許可申請書を提出
  • 農業委員会での審査・現地調査(約1〜2か月)
  • 都道府県知事の許可(4条・5条の場合、4ha超は農林水産大臣)
  • 許可書の交付後に売買契約の締結・決済

道内では申請から許可取得まで2〜4か月程度かかるのが一般的です。農業委員会の開催は月1回が通常であるため、申請のタイミングによってはさらに時間を要することがあります。

 

 

札幌近郊では5条許可(転用目的の売却)の申請が多く、住宅用地への転用は比較的許可が得られやすい傾向にあります。ただし、農業振興地域内の農用地(いわゆる青地)に指定されている場合は、事前に農振除外の手続きが必要となり、さらに半年〜1年以上の期間がかかることもあります。市街化調整区域の売却についてもご参照ください。

 

 

 

農地売却後の確定申告の手順と必要書類

 

農地を売却した翌年には確定申告が必要です。通常の不動産売却と比べて、農地特有の添付書類がありますので、漏れなく準備しましょう。

 

 

 

申告時期と届出の流れ

 

農地を売却した年の翌年、2月16日から3月15日までの期間に所轄の税務署へ確定申告を行います。札幌市内の場合は、管轄の税務署(札幌中税務署・札幌北税務署など)に申告します。

 

 

e-Taxを利用したオンライン申告も可能ですが、初めての農地売却の場合は税務署の相談窓口を利用されることをおすすめします。

 

 

 

農地売却で必要になる書類一覧

 

通常の不動産売却に必要な書類に加えて、農地売却では以下の書類が必要です。

  • 確定申告書B(第一表・第二表)
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表)
  • 売買契約書の写し
  • 取得時の売買契約書や領収書の写し(取得費の証明用)
  • 農地法許可証の写し(3条・4条・5条許可を受けた場合)
  • 登記事項証明書(売却した農地のもの)
  • 固定資産税評価証明書
  • 800万円特別控除を利用する場合:農業委員会発行の証明書
  • 取得費加算の特例を利用する場合:相続税の申告書の写し

特に農地法許可証の写しは農地売却特有の必要書類です。紛失した場合は農業委員会に再発行を依頼できますが、時間がかかることがありますので早めの準備が重要です。

 

 

 

農地の売却を検討したらまず専門家に相談を

 

農地の売却は、税金・農地法の許可・評価方法など、専門的な知識が求められる分野です。適切な専門家への相談が、スムーズな売却と最大限の節税につながります。

 

 

 

税理士・不動産会社・農業委員会の役割分担

  • 税理士:譲渡所得税の計算、特別控除の適用判断、確定申告の代行を担います。農地売却に詳しい税理士を選ぶことが重要です
  • 不動産会社:農地の査定、買主の紹介、売買契約の仲介を行います。農地売却の実績がある会社を選びましょう
  • 農業委員会:農地法に基づく許可申請の窓口です。事前相談を活用することで手続きがスムーズに進みます

当社は札幌エリアの不動産売却を専門に取り扱っており、農地売却についても豊富な実績がございます。税理士との連携体制も整えておりますので、税金面のご不安にもワンストップで対応可能です。

 

 

農地の売却をお考えのお客様は、まずは無料査定からお気軽にご相談ください。お客様の農地の評価区分や最適な売却方法について、具体的なアドバイスをさせていただきます。無料査定・ご相談はこちらからお問い合わせいただけます。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 農地を売却したときの譲渡所得税はいくらかかりますか?

 

A: 譲渡所得税は「売却価格−(取得費+譲渡費用)」で算出した譲渡所得に税率をかけて計算します。所有期間が5年超の長期譲渡所得の場合は約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)、5年以下の短期譲渡所得の場合は約39.63%が課税されます。

 

 

たとえば、取得費500万円の農地を2,000万円で売却し、譲渡費用が100万円の場合、譲渡所得は1,400万円となり、長期譲渡所得なら税額は約284万円です。

 

 

 

Q: 農地転用してから売却する場合と農地のまま売却する場合で税金はどう変わりますか?

 

A: 農地転用後に売却すると宅地としての評価に近い高値での売却が期待できますが、その分譲渡所得が大きくなり税額も増加します。一方、農地のまま売却する場合は売却価格は低くなりますが、譲渡所得が抑えられるため税額も少なくなります。

 

 

手取り総額で比較すると、転用後の売却が有利になるケースが多いですが、転用許可の取得に2〜4か月の期間と費用がかかる点も考慮が必要です。

 

 

 

Q: 農地売却で800万円の特別控除を受けるための条件は何ですか?

 

A: 800万円特別控除は、農業委員会のあっせん等により農地中間管理機構や認定農業者に農地を譲渡した場合に適用されます。対象農地が農業振興地域内の農用地であることも要件です。

 

 

適用を受けるには、確定申告時に農業委員会が発行する証明書の添付が求められます。事前に農業委員会へ相談し、要件を満たすかどうか確認されることをおすすめします。

 

 

 

Q: 札幌近郊の農地を相続しましたが、売却時の税金を抑える方法はありますか?

 

A: 相続した農地を相続開始から3年10か月以内に売却すると、「取得費加算の特例」により支払った相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得を圧縮できます。この特例は800万円特別控除と併用できるケースもあります。

 

 

また、相続農地の取得費が不明な場合は売却価格の5%が概算取得費となりますが、当時の売買記録や固定資産税の課税台帳などで実際の取得費を証明できれば、税額を大幅に抑えられる可能性があります。

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