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2023/04/26
固定資産税の日割り精算|起算日で数万円変わる仕組みと札幌での扱い
結論から書きます。固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されます。年の途中で売っても、市から売主に納税通知書が届き、売主が1年分を納めます。そのうえで、引き渡し日を境に買主の負担分を日割りで計算し、決済のときに買主から売主へ受け取る。これが実務の扱いです。
法律で決まった制度ではなく、売買当事者の合意による精算です。だからこそ、起算日をいつにするか、都市計画税も含めるか、日割りの端数をどうするかを、契約書に書いておく必要があります。ここが曖昧なまま決済日を迎えると、その場で計算が合わず、もめます。
なぜ精算するのか
たとえば6月末に引き渡した場合、その年の7月から12月までの6か月分は、買主が所有している期間です。それなのに税金は売主が1年分払っている。この不均衡をならすために、買主が使う期間の分を買主が負担する、という取り決めをします。
市役所は関与しない
納税義務者はあくまで1月1日時点の所有者です。年の途中で売っても、市が買主に請求書を送ることはありません。売主が全額納め、当事者間で精算する。この二段構えになっています。
翌年からは買主に納税通知書が届きます。ただし登記の反映のタイミングによっては、翌年も売主に届くことがあります。届いたら放置せず、買主または不動産会社に連絡してください。
起算日で金額が変わる
日割りの出発点をいつにするかで、売主と買主の負担が変わります。大きく2つの考え方があります。
1月1日起算
暦年で区切る考え方です。課税の基準日と一致するため、理屈が通りやすく、北海道を含む多くの地域で採用されています。
4月1日起算
年度で区切る考え方です。関西を中心に使われています。同じ引き渡し日でも、1月1日起算より売主の負担が重くなります。
具体的な計算例
年税額12万円、引き渡し日が6月30日の場合で比べます。
- 1月1日起算 買主負担は7月1日から12月31日までの184日分。120,000円 × 184 ÷ 365 = 60,493円
- 4月1日起算 買主負担は7月1日から翌年3月31日までの274日分。120,000円 × 274 ÷ 365 = 90,082円
同じ物件でも、起算日が違うだけで3万円近い差が出ます。契約書にどちらで書かれているかを必ず確認してください。
札幌の取引では1月1日起算が一般的です。ただし相手方が道外の方や道外の会社の場合、4月1日起算を前提に話が進むことがあります。契約前に、どちらで計算するかを明確にしておいてください。
年明けから納税通知書が届くまでの扱い
札幌市の固定資産税・都市計画税の納税通知書は、例年4月から5月ごろに届きます。1月から4月の引き渡しでは、その年の税額がまだ確定していません。この場合の扱いは2通りです。
- 前年の税額で仮に精算する 決済の場で前年額を使って計算し、それで終わりにする
- 確定後に再精算する 新しい税額が届いてから差額をやりとりする
実務では、前年額で精算して終わりにすることが多いです。再精算にすると、数百円のために何か月も後に連絡を取り合うことになり、お互いに負担が大きいためです。どちらにするかは契約書に書いておきます。
札幌の売買は2月から3月に集中します。まさに税額が未確定の時期です。この時期に売るなら、前年額で精算して終わりにするのか、後で再精算するのかを、契約前に決めておいてください。
都市計画税も忘れずに
市街化区域にある土地と家屋には、固定資産税に加えて都市計画税がかかります。納税通知書には両方が載っており、精算も両方を合わせた額で行うのが一般的です。契約書に固定資産税等と書かれていれば、都市計画税を含む意味になります。
なお、市街化調整区域には都市計画税がかかりません。札幌市内でも調整区域の物件では、納税通知書に都市計画税の欄がないことがあります。
建物を壊して売るときの注意
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなる住宅用地の特例を受けています。200平方メートルまでの部分は課税標準が6分の1、それを超える部分は3分の1です。都市計画税にも同様の軽減があります。
この特例は、1月1日時点で住宅が建っていることが条件です。年内に解体して更地のまま年を越すと、翌年から特例が外れ、税額が大きく上がります。
- 解体するなら、年が明けてから壊す
- 年内に売買が決まりそうなら、買主に解体してもらう形も検討する
- 売れる見込みが立たないうちに、先に壊さない
札幌では雪解けを待って4月以降に解体することが多く、結果的に年明け解体になります。ただし12月に思い立って壊すと、翌年の税額が跳ね上がります。解体の時期は税額に直結すると覚えておいてください。
決済当日の実際
精算金は、売買代金とは別に、買主から売主へ渡されます。実務では、残代金に精算金を上乗せした額を一度に振り込む形が多いです。司法書士が作る精算書に、次のような項目が並びます。
- 売買代金の残額
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 管理費・修繕積立金の精算金(マンションの場合)
- 賃料と敷金の精算(賃貸中の物件の場合)
売主は、納税通知書の原本またはコピーを決済の場に持参します。金額の根拠として必要になるので、忘れずに用意してください。
精算金は譲渡所得に含まれる
意外と知られていませんが、買主から受け取った固定資産税の精算金は、税務上は売買代金の一部として扱われます。つまり譲渡所得の計算に含める必要があります。確定申告のときに漏らさないよう注意してください。
一方、売主が納めた固定資産税そのものは、譲渡費用にはなりません。この扱いは混同しやすいところなので、申告の際は税理士または税務署にご確認ください。
よくある行き違い
- 起算日を決めずに契約し、決済の場で金額が合わない
- 都市計画税を含めるかどうかが曖昧で、後から言い合いになる
- 1月から4月の引き渡しで、再精算するかどうかを決めていない
- 売主が納税通知書を持参せず、根拠が示せない
- 翌年の納税通知書が売主に届き、放置されて督促が来る
どれも、契約前に一言決めておけば起きないことです。金額としては数万円の話でも、決済の場で揉めると気分が悪いまま引き渡すことになります。
売る前にやることのまとめ
- 直近の納税通知書を手元に用意する
- 起算日を1月1日とするか4月1日とするかを決める
- 都市計画税を含めることを契約書で確認する
- 1月から4月の引き渡しなら、再精算の有無を決める
- 解体を考えているなら、年内に壊さない
- 決済に納税通知書を持参する
税額の計算や確定申告の具体的な扱いについては、最終的な判断は税理士または税務署にご確認ください。ここでは売買実務での取り決め方を整理しています。
よくあるご質問
年の途中で売ったら固定資産税は誰が払いますか。
1月1日時点の所有者、つまり売主が1年分を納めます。そのうえで引き渡し日を境に日割り計算し、買主の負担分を決済のときに受け取ります。
起算日はいつにするのが普通ですか。
札幌を含む北海道では1月1日起算が一般的です。関西では4月1日起算が使われます。起算日が違うと数万円変わるので、契約書で必ず確認してください。
税額がまだ決まっていない時期に売る場合はどうしますか。
前年の税額で精算して終わりにするか、新しい税額が届いてから再精算するかを、契約前に決めておきます。実務では前年額で終わりにすることが多いです。
都市計画税も精算しますか。
納税通知書に載っている固定資産税と都市計画税を合わせた額で精算するのが一般的です。市街化調整区域には都市計画税がかかりません。
解体して売るときに気をつけることはありますか。
1月1日時点で住宅が建っていないと住宅用地の特例が外れ、翌年の税額が大きく上がります。解体するなら年が明けてからにしてください。
翌年も自分に納税通知書が届きました。どうすればいいですか。
登記の反映のタイミングによって起こります。放置すると督促が来ますので、買主または不動産会社に連絡して、納付と精算の扱いを確認してください。
受け取った精算金に税金はかかりますか。
税務上は売買代金の一部として扱われ、譲渡所得の計算に含めます。確定申告で漏らさないよう注意してください。詳しくは税理士または税務署にご確認ください。
決済の日に持っていくものはありますか。
直近の納税通知書を持参してください。精算金の根拠になります。原本またはコピーで構いません。
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