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2023/04/27

住み替え・ローン コラム

離婚でローンが残る家を売る|任意売却という方法と進め方

離婚することになったが、家を売っても住宅ローンが残ってしまう。売れないまま、どちらかが住み続けて返済していくしかないのか。

結論から言うと、売却額が残債に届かなくても、債権者の同意を得れば売却できます。これを任意売却といいます。離婚の場合、これができるかどうかで、そのあと何年も続く関係が変わります。順に説明します。

なぜオーバーローンだと売れないのか

抵当権を外せないから

住宅ローンを借りるとき、家には抵当権が設定されます。売却代金で完済して抵当権を抹消しないと、買主に引き渡せません。売却額が残債に届かなければ、差額を現金で埋める必要があります。

差額を埋められない場合

手持ち資金がなければ、通常は売れません。ここで出てくるのが任意売却です。債権者が「差額が残っても抵当権を外してよい」と同意すれば、普通の売買として売却できます。

離婚で任意売却を選ぶ理由

連帯保証が残り続けるから

離婚しても、金融機関との契約は変わりません。連帯保証人や連帯債務者になっていれば、その責任は離婚後も残ります。住み続ける側が返済を止めれば、出ていった側に請求が来ます。何年も経ってから督促が届くこともあります。

家を売って清算してしまえば、名義も保証も、その時点で切れます。これがいちばん後を引かない形です。

公正証書では金融機関に効かない

「返済は相手が行う」と公正証書に書いても、当事者どうしの関係で有効なだけで、金融機関に対しては効きません。請求は契約どおりに来ます。

競売になると両方が困る

返済が滞れば、最終的に競売になります。競売は市場より低い価格で落札されることが多く、残る債務も大きくなります。その残債は、離婚した二人の関係に何年も残ります。裁判所の公告で情報も公開されます。

離婚で家を残すか売るかを決めるとき、「住み続ける側が払い続けられるか」を現実的に見てください。収入が減る、生活が変わる、養育費がかかる。払えなくなったときに困るのは、出ていった側も同じです。

離婚での任意売却に特有の難しさ

二人の同意が必要になる

共有名義であれば、売却には二人とも同意して署名する必要があります。連帯債務であれば、債権者との話し合いにも二人が関わります。

だからこそ、まだ連絡が取れるうちに進めるのが現実的です。離婚が成立して時間が経つほど、連絡が取りにくくなり、話がまとまらなくなります。

残った債務をどう分けるか

売却後に残る債務は、契約上は名義人と連帯保証人が負います。二人のあいだでどう分担するかは、離婚の条件として取り決め、公正証書にしておいてください。ただし前述のとおり、金融機関に対しては契約どおりの請求になります。

マイナスは財産分与の対象ではない

財産分与は、プラスの財産を分ける手続きです。オーバーローンの家は、分ける財産がない状態と扱われます。残債の分担は、財産分与とは別に取り決めることになります。

引っ越し先をどうするか

任意売却では、引き渡しの時期を買主と相談できます。二人それぞれの引っ越し先が決まるまでの期間を確保することも可能です。競売ではこの調整ができません。

進め方

  1. 名義と保証を確認する/登記事項証明書とローンの契約書で、誰が名義人か、誰が連帯保証人・連帯債務者かを確かめます
  2. 残債を確認する/返済予定表か残高証明書で、引き渡し予定日時点の残高を出します
  3. 売却見込み額を出す/残債と比べます。届くなら通常の売却で進められます
  4. 届かない場合、債権者に相談する/任意売却に応じてもらえるかを確認します
  5. 二人で売却の合意をする/窓口をどちらにするかも決めます
  6. 売り出す/普通の売却と同じように進みます
  7. 決済・引き渡し・残債の取り決め

3が分かる前に「家をどうするか」を話し合っても決まりません。数字を先にそろえてください。

気をつけたいこと

滞納する前に動く

返済が苦しくなったら、まず金融機関に連絡してください。滞納が続いて競売の手続きが進んでからでは、選べる方法が減ります。任意売却ができるのは開札の前日までですが、買主を探して契約するには時間が必要です。

不安をあおる勧誘に注意

競売の情報は公開されるため、通知が届いたあとに複数の会社から連絡が来ることがあります。高額な費用を先に求める、契約を急がせるといった話には応じないでください。任意売却で売主が仲介手数料を先に払うことは通常ありません。

相談先を分けて考える

離婚の条件や財産分与は弁護士、債務の整理は弁護士や司法書士、公的な相談窓口。不動産の価格と売却の段取りは当社で承ります。どこに相談すればよいか分からない段階でも、状況を整理するところからお手伝いできます。

札幌で進めるときの時期

買い手の動きが強くなるのは2〜3月と9〜10月です。12〜3月は積雪で内覧が減り、決まるまでの期間が延びます。期限のある任意売却では、この遅れがそのまま響きます。秋のうちに動き出せるかどうかが分かれ目になります。

引っ越しの時期も同じです。冬は引越し業者も賃貸の空きも動きが読みにくくなります。引き渡しが冬にかかりそうなら、住まいの確保を早めに始めてください。

よくあるご質問

売っても住宅ローンが残ります。売れませんか。

債権者が抵当権を外すことに同意すれば、差額が残っても売却できます。これが任意売却です。まず残債と売却見込み額を並べて、いくら足りないのかを確かめてください。

離婚すれば連帯保証人から外れますか。

外れません。離婚は夫婦のあいだの取り決めであって、金融機関との契約には影響しません。住み続ける側が返済を止めれば、出ていった側に請求が来ます。

公正証書に「返済は相手がする」と書けば安心ですか。

当事者どうしの関係では有効ですが、金融機関に対しては効きません。請求は契約どおりに来ます。

共有名義です。片方だけで売れますか。

売れません。共有名義の不動産を売るには、共有者全員の同意と署名が必要です。連絡が取れるうちに進めるほうが確実です。

離婚前と離婚後、どちらで売るのがよいですか。

二人の同意と署名が必要になるため、連絡が取りやすいうちに進めるのが現実的です。時間が経つほど話がまとまりにくくなります。

残った債務はどう分けますか。

契約上は名義人と連帯保証人が負います。二人のあいだの分担は離婚の条件として取り決め、公正証書にしておいてください。ただし金融機関に対しては契約どおりの請求になります。

引っ越し先が決まっていません。

任意売却では引き渡しの時期を買主と相談できます。二人それぞれの引っ越し先が決まるまでの期間を確保することも可能です。競売ではこの調整ができません。

まだ滞納はしていませんが、返済が苦しくなりそうです。

まず金融機関にご連絡ください。返済条件の見直しで持ちこたえられる場合もあります。滞納が続いて競売の手続きが進んでからでは、選べる方法が減ります。

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