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2023/04/26
土地は親名義、建物は自分名義の家を売る|4つの形と代金の分け方
土地は親の名義、建物は自分の名義。この形の家は、札幌でも珍しくありません。親の土地に家を建てた、二世帯にするときに建て替えた、といった経緯でこうなります。
売るとなると、話が一気に複雑になります。建物だけを売っても、買主はその土地を使えません。どういう形で土地を使ってきたのかによって、取れる手が変わります。
親が元気なうちに整理しておくほど、選べる手が多くなります。親が亡くなってから、あるいは判断能力が落ちてからでは、手続きが一気に重くなります。
まず土地の使い方を確認する
地代を払っているか
ここが一番の分かれ目です。地代を払っていれば借地権があり、払っていなければ使用貸借という扱いになります。親族間では、地代を払っていないことのほうが多くあります。
使用貸借の場合
タダで借りている状態です。この権利は、他人に引き継げません。つまり、建物だけを売っても、買主は土地を使う権利を持てません。事実上、建物だけでは売れないことになります。
借地権がある場合
地代を払っていれば、借地権として売ることができます。ただし、土地の所有者である親の承諾が必要です。承諾料を求められるのが通常ですが、親族間なら話し合いで決められます。
契約書があるか
親子間では、契約書を作っていないことがほとんどです。払ってきた地代の記録、通帳の振込履歴があれば、それが手がかりになります。固定資産税の相当額だけを渡していた場合、借地権と認められないことがあります。
売るための4つの形
1. 土地と建物をまとめて売る
一番すっきりして、価格も一番高くなります。親と自分が一緒に売主になり、代金を土地の分と建物の分で分けます。親が元気で、売ることに同意しているなら、これを目指してください。
2. 先に土地をもらってから売る
親から土地の名義をもらい、自分の名義にそろえてから売る方法です。ただし、贈与税がかかります。土地の評価額によっては、大きな金額になります。相続時精算課税という制度が使える場合もあるので、税理士に相談してください。
3. 借地権として建物だけ売る
地代を払ってきた実績があれば可能です。親の承諾が要り、買主は限られ、価格も土地付きより大きく下がります。買主が住宅ローンを組みにくい点も課題になります。
4. 建物を親に買ってもらう
親が建物を買い取れば、土地と建物の名義がそろいます。その後は親が自由に売れますし、そのまま持ち続けることもできます。親に資金があるかどうかが前提です。
代金の分け方でもめないために
土地と建物の割合を先に決める
まとめて売る場合、代金をどう分けるかを先に決めてください。土地の評価と建物の評価を、根拠のある形で出しておきます。売れてから話し合うと、必ずもめます。
不公平な分け方は贈与になる
建物の価値が小さいのに、子が多くを受け取る。こうした分け方をすると、その差が贈与とみなされることがあります。根拠のある割合にしてください。
ほかの兄弟にも説明する
親の土地を売る話は、いずれ相続に関わります。あとから知った兄弟が、不公平だと感じることがあります。売る前に説明しておいてください。
税金は別々に計算する
親は土地の譲渡所得、子は建物の譲渡所得。それぞれ別に申告します。親が住んでいなければ3,000万円の控除が使えないなど、条件が違うことがあります。税理士に確認してください。
親が動けなくなった場合
判断能力が落ちている
親が売買の意味を理解できない状態だと、そのままでは売れません。家庭裁判所で後見人を選んでもらい、自宅の売却にはさらに許可が必要です。半年以上かかることもあります。
すでに亡くなっている
土地は相続財産になります。相続人全員で分け方を決め、相続登記をしてから売ることになります。自分が土地を相続すれば、建物と名義がそろいます。ほかの兄弟との調整が必要です。
だから元気なうちに
この種の相談で一番多い後悔は、話すのが遅れたことです。売る予定がなくても、土地と建物の名義がずれていることは、家族で共有しておいてください。
売る前にやることのまとめ
- 登記事項証明書で、土地と建物の名義を確認する
- 地代を払ってきたか、その記録があるかを確認する
- 契約書があるか探す
- 親に、売ることについての意向を確認する
- 実際の成約データで、土地と建物を合わせた相場を調べる
- 4つの形のどれが現実的かを検討する
- 代金を土地と建物でどう分けるかを、根拠のある形で決める
- ほかの兄弟に説明する
- 贈与税と譲渡所得税の見込みを、税理士か税務署に確認する
いつ売り出すのがよいか
戸建て
札幌では4月から6月です。名義の整理や税金の確認に時間がかかるため、年明けから動き始めてください。親から土地をもらう形にする場合、登記まで含めて数か月見込んでください。
親の体調に合わせる
季節より優先されることがあります。親が元気なうちに手続きを済ませられるかどうかが、一番の分かれ目です。時期を待つことで手が使えなくなるなら、先に進めてください。
よくあるご質問
土地は親名義、建物は自分名義です。売れますか。
土地と建物をまとめて売るのが一番すっきりして、価格も高くなります。親と自分が一緒に売主になり、代金を土地の分と建物の分で分けます。親の同意が前提です。
建物だけ売ることはできますか。
地代を払ってきた実績があり、借地権として認められる場合は可能です。ただし親の承諾が要り、買主は限られ、価格も大きく下がります。地代を払っていない場合は、事実上売れません。
地代を払っていません。どうなりますか。
タダで借りている使用貸借という扱いになります。この権利は他人に引き継げないため、建物だけを売っても買主は土地を使えません。
固定資産税の分だけ渡していました。
借地権と認められないことがあります。固定資産税の相当額だけでは、地代を払っていたとみなされにくいためです。税理士か弁護士にご確認ください。
先に土地をもらってから売れますか。
できますが、贈与税がかかります。土地の評価額によっては大きな金額になります。相続時精算課税という制度が使える場合もあるので、税理士に相談してください。
代金はどう分ければよいですか。
土地の評価と建物の評価を根拠のある形で出し、その割合で分けてください。売れてから話し合うと必ずもめます。不公平な分け方は贈与とみなされることがあります。
親が認知症です。
そのままでは売れません。家庭裁判所で後見人を選んでもらい、自宅の売却にはさらに許可が必要です。半年以上かかることもあります。
親が亡くなっています。
土地は相続財産になります。相続人全員で分け方を決め、相続登記をしてから売ることになります。自分が土地を相続すれば、建物と名義がそろいます。
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