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2023/04/27

訳あり・調整区域 コラム

旧耐震の家を売る|買主の住宅ローン控除と、2つの年月日の区切り

築40年、築50年の家を売るとき、「旧耐震だから売れない」と言われることがあります。実際のところ、どう影響するのか。

結論から言うと、売れます。ただし買主が使える税の優遇に差が出るため、そこが価格と決まりやすさに響きます。そして、空き家の3,000万円特別控除は逆に「古い家」が対象です。年月日の区切りが2つあるので、混同しないよう整理します。

2つの区切りを混同しない

昭和56年5月31日/6月1日

建築確認が昭和56年6月1日以降に行われた建物が、いわゆる新耐震基準です。それ以前が旧耐震にあたります。

相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除は、昭和56年5月31日以前に建てられた家が対象です。つまり、この控除に関しては「古いほうが使える」という関係になります。

昭和57年1月1日

一方、買主が使う住宅ローン控除などの要件は、令和4年の改正で「昭和57年1月1日以後に建築された家屋」という基準に変わりました。登記事項証明書の建築日付で判定できます。

この日以後の建物なら、耐震基準適合証明書などを用意しなくても、買主は住宅ローン控除を使えます。手続きの負担が大きく減りました。

まず登記事項証明書で建築の年月日を確認してください。昭和57年1月1日より前か後かで、買主に案内できる内容が変わります。

買主にとっての差

住宅ローン控除

買主が毎年の所得税から一定額を差し引ける制度です。使えるかどうかで、買主の実質的な負担が変わります。昭和57年1月1日より前の建物では、耐震基準に適合していることの証明が必要になります。

登録免許税・不動産取得税の軽減

買主が支払う登記の税と、取得したときの税にも軽減措置があります。こちらも耐震の要件がかかわります。

地震保険の割引

建築年や耐震性能に応じた割引があります。買主の毎年の負担に関わる部分です。

金融機関の審査

築年数が古い建物は、融資期間が短くなったり、そもそも扱ってもらえなかったりすることがあります。担保としての評価が土地中心になるためです。

証明を用意する方法

耐震基準適合証明書

建築士などが調査し、現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。調査の結果、満たしていなければ耐震改修が必要になり、そこから費用と期間がかかります。

既存住宅売買瑕疵保険

検査に合格して保険に加入すると、その付保証明書が同じ役割を果たすことがあります。買主にとっては、引き渡し後の不具合に保険が使えるという安心も加わります。

手続きの時期に注意

申請のタイミングに決まりがあります。引き渡しのあとに動いても間に合わないことがあるため、必要になりそうなら売り出しの段階で確認してください。売主が用意するのか、買主が手配するのかも、契約の条件として決めます。

証明を取らずに売る場合

調査や改修に費用をかけても、その分が価格に乗るとは限りません。次のような進め方もあります。

  • 現況のまま、価格で調整して売る/現金で買う方、建て替え前提の方が相手になります
  • 土地として売る/解体費を誰が負担するかを含めて条件を決めます
  • 不動産会社に買い取ってもらう/買う側が自社の基準で判断するため、証明は求められません

相続した家で空き家の3,000万円特別控除を使う場合は、耐震リフォームをして売るか、取り壊して土地として売ることが原則の条件です(令和6年1月1日以降の売却では、引き渡し後その年の翌年2月15日までに買主が行う場合も対象)。控除を使う予定があるなら、契約の前に必ずお伝えください。

札幌の古い家で見られる点

雪の重みが構造に効く

札幌では、屋根に積もる雪の重さが毎年建物にかかります。屋根の変形、軒の垂れ、柱の傾き。長年雪下ろしをしていなかった家は、ここが見られます。

凍結による傷み

空き家の期間に水抜きをしていなかった家は、配管が破裂して床や壁の内部が傷んでいることがあります。表からは分かりにくい部分です。

断熱と窓

古い家は、断熱材が入っていない、窓が単板ガラスということがあります。耐震とは別に、冬の光熱費に直結するため買主が必ず見る部分です。二重窓に替えてある、内窓を入れてあるといった記録があれば、必ず伝えてください。

直した記録が価値になる

屋根の葺き替え、外壁、給湯設備、窓。いつ、何を直したかの記録があるだけで、買主の見方が変わります。領収書や見積書が残っていれば、まとめておいてください。

売り出す前に確認すること

  1. 登記事項証明書で建築の年月日を見る/昭和57年1月1日より前か後か
  2. 建築確認済証・検査済証があるか/無ければ市で台帳記載事項証明書を取れることがあります
  3. 直した記録を集める/屋根、外壁、水回り、窓、暖房設備
  4. 使う制度を決める/空き家の3,000万円特別控除を使うのか
  5. 証明を取るかどうかを決める/費用と、それによって広がる買い手の層を比べます

よくあるご質問

旧耐震の家は売れませんか。

売れます。ただし買主が使える住宅ローン控除などの要件にかかわるため、価格と決まりやすさに影響します。現金で買う方や、建て替え前提の方も買い手になります。

どこで新耐震かどうかが分かりますか。

登記事項証明書の建築の年月日で確認します。住宅ローン控除などの判定は、令和4年の改正で「昭和57年1月1日以後に建築された家屋」という基準になりました。

耐震基準適合証明書は売主が取るのですか。

売主が用意する場合も、買主が手配する場合もあります。申請のタイミングに決まりがあり、引き渡しのあとでは間に合わないことがあるため、契約の条件として先に決めてください。

耐震改修をしてから売ったほうがよいですか。

かけた費用がそのまま価格に乗るとは限りません。改修の費用と、それによって広がる買い手の層を比べて判断してください。

空き家の3,000万円控除とはどう関係しますか。

この控除は昭和56年5月31日以前に建てられた家が対象で、耐震リフォームをして売るか、取り壊して土地として売ることが原則の条件です。控除を使う予定があるなら契約の前にお伝えください。

検査済証が見つかりません。

市で建築計画概要書や台帳記載事項証明書を取得できることがあります。確認申請の記録が残っていることを示せます。

築50年ですが、土地として売るべきですか。

建物付きのまま売る場合と、更地にした場合の両方で金額を確かめてから決めてください。解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年度から固定資産税が上がります。

冬に売り出しても大丈夫ですか。

古い家は屋根の状態や外回りを見られるため、雪に埋もれていると判断してもらえません。雪のない時期に撮った写真を用意しておいてください。

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