「再建築不可」と言われた戸建てを売りたいけれど、どのくらいの価格で売れるのか分からない。そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
再建築不可物件は通常の戸建てより売却の難易度が上がりますが、売り方を工夫すれば適正な価格で手放すことは十分に可能です。
この記事では、再建築不可になる原因別の相場目安から、仲介と買取の手取り比較、札幌ならではの事情まで、売却に必要な情報をまとめてお伝えします。
再建築不可物件とは、現在建っている建物を解体した後、新たに建物を建てることができない土地のことです。なぜ建て替えができないのか、その原因は大きく3つに分かれます。
まず、ご自身の物件がどのパターンに該当するかを確認しましょう。
建築基準法では、建物を建てる敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定められています。これが「接道義務」です。
この接道義務を満たしていない土地は、再建築不可となります。具体的には以下のケースが該当します。
既存不適格と接道義務違反では、売却時の評価や対処法が異なります。既存不適格の場合は、一定の条件下で建て替えが認められるケースもあるため、事前に建築指導課への確認が重要です。
市街化調整区域では、原則として新たな建築が制限されています。この区域内の戸建ては、建て替えに都道府県知事の許可が必要となり、許可が得られなければ実質的に再建築不可となります。
札幌市周辺でも、市街地エリアの外縁部には市街化調整区域が広がっています。市街化調整区域の売却についてはこちらで詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
再建築不可物件の売却相場は、通常の物件と比べて大幅に下がります。ただし、原因や立地条件によって価格差があるため、一律には語れません。
一般的に、再建築不可物件の相場は通常価格の5〜7割程度が目安とされています。原因別にもう少し細かく見ると、以下のような傾向があります。
同じ再建築不可でも、築年数が30年以内で建物の状態が良ければ、居住用としての需要が見込めるため相場は高めになります。
一方、築40年を超えると建物の価値はほぼゼロとなり、土地の利用価値のみで判断されます。再建築不可の土地は建て替えができないため、価格はさらに下がる傾向です。
立地面では、地下鉄沿線やJR沿線の駅徒歩圏内であれば、賃貸需要や投資目的の買い手が見込めるため、相場の7割程度を維持できるケースもあります。
再建築不可物件の売り方には、大きく「仲介売却」と「買取」の2つがあります。それぞれの手取り額を、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。
仲介売却では、不動産会社が買い手を探し、成約時に仲介手数料が発生します。再建築不可物件の場合、買い手が見つかるまでに6ヶ月〜1年以上かかることも珍しくありません。
以下は、通常価格1,500万円の戸建て(再建築不可で査定額1,000万円)を仲介で売却した場合の費用内訳です。
ただし、売却期間中の固定資産税や建物の維持費も考慮する必要があります。長期化すれば、その分コストがかさみます。
買取の場合、不動産会社が直接購入するため、仲介手数料はかかりません。査定から現金化まで最短2週間〜1ヶ月程度で完了するのが大きなメリットです。
同じ物件を買取で売却した場合のシミュレーションです。
仲介と比べると手取り額は約110〜130万円少なくなりますが、売却の確実性と速度を考えると、再建築不可物件では買取を選ぶお客様が多いのが実情です。
特に築年数が古い物件や、境界確定が困難な物件では、仲介で買い手が見つからないリスクを避けるために買取が有力な選択肢となります。売却の方法と費用の詳細もあわせてご参照ください。
再建築不可のまま売却するだけでなく、条件を整えて「再建築可能」に変えることで、相場を大幅に引き上げられる可能性があります。主な手法と概算費用をご紹介します。
前面道路の幅員が4m未満の場合、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退(セットバック)することで、建て替えが認められるケースがあります。
セットバックにかかる費用の目安は以下の通りです。
セットバック後は敷地面積が減少するため、建築可能な建物の規模が小さくなる点に注意が必要です。ただし、再建築可能になることで売却価格が通常相場の8〜9割程度まで回復する可能性があり、費用対効果は十分に検討する価値があります。
接道部分が2m未満の場合、隣地の一部を購入して接道幅を確保する方法があります。隣地所有者との交渉が必要となるため、実現のハードルは高めです。
隣地買収の費用は土地の条件によって大きく異なりますが、札幌の市街地エリアでは1平方メートルあたり5〜15万円程度が一つの目安です。仮に幅0.5m×奥行10mの土地を購入する場合、土地代だけで約25〜75万円となります。
このほか、測量費用や登記費用、場合によっては隣地所有者への交渉費用も発生します。合計で100〜200万円程度を見込んでおく必要があります。
なお、隣地を購入しても接道義務を満たすかどうかは、事前に札幌市の建築指導課に確認することが不可欠です。購入後に「やはり再建築不可」となるリスクを避けるためにも、専門家への相談をおすすめします。
北海道、特に札幌では再建築不可物件に独自の発生パターンがあります。道内で売却をお考えのお客様に向けて、札幌特有の事情をお伝えします。
札幌の旧市街地には、戦前〜昭和30年代に区画された幅員2〜3mの私道に面した戸建てが数多く残っています。これらの私道は建築基準法上の道路として認定されていないケースが多く、再建築不可の原因となっています。
地下鉄沿線の駅徒歩圏でも、一本路地に入ると昭和期の区画がそのまま残っているエリアは少なくありません。こうした物件は立地の利便性は高いものの、接道の問題から売却が難航しやすい傾向があります。
札幌では2026年現在も、こうした旧市街地の建て替え・再開発が徐々に進んでいますが、私道の権利関係が複雑なため、再建築可能化には時間と費用がかかるのが現実です。
北海道特有の問題として、積雪による建物の劣化リスクが再建築不可物件の相場に大きく影響します。札幌の年間降雪量は約600cmにも及び、屋根や外壁への負荷は本州の物件とは比較になりません。
再建築不可物件は建て替えができないため、建物の維持管理が特に重要です。しかし、築40年を超える物件では断熱性能が低く、凍結による配管破損や屋根の雪害が繰り返されるケースが目立ちます。
こうした積雪リスクを考慮すると、札幌の再建築不可物件は本州の同条件物件より相場が1〜2割低くなる傾向があります。また、防火地域・準防火地域に指定されているエリアでは、建物の改修にも制限がかかるため、さらに売却の難易度が上がります。
当社では札幌の再建築不可物件を数多くお取り扱いしてきた実績がございます。物件の状態や立地条件を踏まえた適正な査定を行いますので、まずはお気軽にご相談ください。
再建築不可物件の売却では、通常の戸建て売却にはない注意点がいくつかあります。トラブルを防ぐために、事前に把握しておきましょう。
再建築不可であることは、買主に対する重要事項説明で告知が義務づけられています。告知を怠った場合、売却後に契約不適合責任を問われる可能性があります。
特に個人間売買や仲介売却では、引き渡し後のトラブルを避けるために、重要事項説明書に再建築不可の理由と根拠法令を明記することが重要です。
買取の場合は、不動産会社が買主となるため契約不適合責任を免責とする特約を結ぶのが一般的です。この点も、再建築不可物件で買取が選ばれやすい理由の一つです。
「建物が古いから更地にしてから売ろう」と考えるお客様もいらっしゃいますが、再建築不可物件では更地にすることが必ずしも得策とは限りません。
更地にした場合のリスクは以下の通りです。
更地にするかどうかは、解体費用と固定資産税の増加分、売却価格への影響を総合的に判断する必要があります。多くの場合、建物を残したまま現状渡しで売却するほうが手取り額は有利です。
ワケあり物件の売却で押さえておくべきポイントは、ワケあり物件の売却ポイントでも詳しくご紹介しています。
A: 原則として、再建築不可物件は担保価値が低いため、一般的な銀行の住宅ローン審査は通りにくいのが実情です。
ただし、一部のノンバンク系金融機関やフラット35以外の商品で融資を受けられるケースもあります。金利は通常より1〜2%高くなる傾向があるため、買主側の資金計画には注意が必要です。
A: 立地や建物の状態にもよりますが、一般的には通常価格の5〜7割程度が相場の目安とされています。
接道の状況や再建築可能化の難易度によって幅があり、駅近で状態の良い物件であれば7割近くになるケースもあります。逆に、袋地で接道がまったくない場合は4〜5割程度まで下がることもあります。
A: 更地にして売却すること自体は可能です。ただし、更地にしても再建築不可の条件は解消されません。
さらに、住宅用地の固定資産税軽減措置がなくなり、税額が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。建物を残したまま売却する方が有利なケースが多いため、慎重にご判断ください。
A: 隣地の一部を取得して接道幅を2m以上確保できれば、再建築が可能になるケースがあります。
ただし、事前に自治体の建築指導課で建築確認の事前相談を行い、確実に接道義務を満たすか確認することが不可欠です。購入後に「条件を満たしていなかった」という事態を避けるためにも、専門家を交えた判断をおすすめします。
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