先に結論です。売るためにかかった費用は、譲渡所得から差し引けます。ただし「不動産を売るためにかかったお金なら何でも」ではありません。入るものと入らないものがはっきり分かれています。
領収書を残していなかったために、入れられたはずの費用を落としてしまう方がいます。数十万円の費用を漏らせば、税額で十数万円の差になります。売ると決めた時点から、領収書を1か所にまとめてください。
測量費と解体費は金額が大きく、忘れると影響が出ます。土地家屋調査士と解体業者の領収書は必ず保管してください。
固定資産税の精算金は、間違えやすいところです。買主から受け取った分は「売却代金の一部」として、譲渡所得の計算に含めます。差し引くのではなく、足す側です。
混同されやすいのですが、次のように分かれます。
どちらも譲渡所得から差し引ける点は同じです。分類を間違えても税額は変わりませんが、申告書の記載欄が違います。
なお、相続登記の費用は譲渡費用になりませんが、取得費に含められる場合があります。扱いが分かれるところなので、税理士にご確認ください。
35万円から60万円程度。雪のあいだは測量できないため、春から秋に行います。売却のために行ったものなら譲渡費用になります。
札幌の木造戸建てで120万円から250万円程度。土地として売るために取り壊した場合は譲渡費用です。金額が大きいので、必ず計上してください。
建物の解体に伴うものなら解体費に含まれます。一方、引き渡しのために家財を片づけただけの費用は、維持管理の費用として対象外とされることがあります。区分が難しいところなので、明細を分けてもらってください。
売り出しているあいだの除雪は、維持管理の費用として対象外です。空き家の管理費用も同様です。
解体の見積りをもらうとき、建物の解体、残置物の処分、整地、樹木の伐採を明細で分けてもらってください。あとで何が譲渡費用に入るかを判断しやすくなります。
確定申告は売った年の翌年です。1年以上あいだが空くので、その場で整理しておかないと、どこに何があるか分からなくなります。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
譲渡費用を10万円多く計上できれば、長期でおよそ2万円、短期でおよそ4万円の税額が減ります。小さな積み重ねですが、測量費や解体費のように金額が大きいものを漏らすと、影響は大きくなります。
費用の区分と、譲渡費用に入るかどうかの判断は、税理士または税務署にご確認ください。ここでは実務でよく出る項目を整理しています。
仲介手数料、印紙代、測量費、解体費、立退料、借地権の名義書換料などです。売るために直接かかった費用が対象になります。
差し引けません。売主が納めた分は対象外です。買主から受け取った精算金は、逆に売却代金の一部として譲渡所得に含めます。
入りません。自分の借入を消すための費用で、売るための費用とは扱われません。
入りません。売却のためではなく、自分の転居のための費用だからです。
原則として対象外です。維持管理の費用とされます。ただし増改築のような資本的支出は、取得費に含められることがあります。
譲渡費用にはなりませんが、取得費に含められる場合があります。扱いが分かれるところなので税理士にご確認ください。
土地として売るために取り壊したのなら入ります。札幌の木造戸建てで120万円から250万円程度と金額が大きいので、必ず計上してください。
申告が終わっても5年から7年は残してください。確定申告は売った年の翌年なので、その場で1か所にまとめておかないと分からなくなります。
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