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2023/04/27
不動産と相続税|評価が下がる仕組みと、いちばん多い失敗
「不動産は相続税の対策になる」とよく言われます。なぜそう言われるのか、どこまで本当なのかを整理します。
結論から言うと、不動産は現金より評価額が低くなるため、相続税の計算上は有利です。ただし分けにくく、納税資金にもなりません。評価を下げることばかり考えて、いざ相続が起きたときに納税で困る、というのがいちばん多い失敗です。
以下は制度の考え方の説明です。実際にどうするかの判断は、必ず税理士か税務署にご確認ください。当社は不動産の価格と売却の段取りの部分をお手伝いします。
まず、相続税がかかるかどうか
基礎控除
相続財産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えなければ、相続税はかかりません。相続人が3人なら4,800万円です。
この範囲に収まるなら、評価を下げる工夫は不要です。対策より先に、そもそもかかるのかを確かめてください。
配偶者には大きな軽減がある
配偶者が相続する分については、1億6,000万円か、法定相続分のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。ただし、その配偶者が亡くなるときの二次相続では使えないため、一次相続で配偶者にすべて寄せると、次でまとめて課税されることがあります。
不動産の評価は現金より低い
土地は路線価で評価する
相続税の計算では、土地は路線価で評価します。路線価は公示地価のおおむね8割が目安です。現金1億円はそのまま1億円ですが、1億円で買った土地は8,000万円程度で評価されるということになります。
建物は固定資産税評価額
建物は固定資産税評価額で評価します。これは建築費よりかなり低い金額になるのが通常です。築年数が経つほど、さらに下がります。
人に貸すとさらに下がる
賃貸に出している建物と、その敷地は、借りている人の権利がある分だけ評価が下がります。アパートが相続税対策と言われるのはこのためです。ただし空室が多いと、この評価減が十分に効かないことがあります。
小規模宅地等の特例
効果がもっとも大きい制度です。亡くなった方が住んでいた、あるいは事業に使っていた土地の評価を、大きく減らせます。
- 住んでいた土地/330平方メートルまで、評価額を80%減らせます
- 事業に使っていた土地/400平方メートルまで、80%減
- 貸していた土地/200平方メートルまで、50%減
誰が相続するかで使えるかが変わる
住んでいた土地の場合、配偶者なら無条件で使えます。同居していた親族は、申告期限までその家に住み、所有し続けることが条件です。同居していない親族でも、一定の要件を満たせば使える場合があります。
売るタイミングに注意
この特例を使う場合、相続税の申告期限まで所有し続けることが条件になるものがあります。早く売りたいからと期限前に手放すと、特例が使えなくなることがあります。売る時期は、税理士に確認してから決めてください。
生前の贈与
暦年贈与
1年間に受け取った額が110万円までなら贈与税はかかりません。ただし相続開始前の一定期間内の贈与は、相続財産に加算されます。この期間は3年から7年へと段階的に延びることになっており、早く始めるほど効果があります。
相続時精算課税
まとまった額を早めに渡せる制度です。年110万円の基礎控除が設けられており、その範囲は相続財産に加算されません。一度選ぶと暦年贈与には戻せません。
不動産を贈与するときの注意
不動産を生前に贈与すると、登録免許税と不動産取得税がかかります。相続で取得する場合よりも税率が高くなります。金額を計算してから判断してください。
いちばん多い失敗
納税資金がない
相続税は相続開始から10か月以内に現金で納めるのが原則です。財産のほとんどが不動産だと、納税資金が足りなくなります。
そこから不動産を売ろうとしても、名義変更、片付け、買主探し、決済まで含めて10か月では余裕がありません。結果として、急いで安く手放すことになります。
分けられない
不動産は現金のように割れません。相続人が複数いると、誰が取るか、他の人にどう清算するかでもめます。共有名義にして先送りすると、次の相続でさらに持分が細かく分かれます。
評価は下がるが、売れるとは限らない
市街化調整区域の土地、古い空き家、再建築できない土地。相続税の評価は低くなりますが、いざ売ろうとすると買い手が限られます。「評価が低い=得」ではありません。
行き過ぎた節税は否認されることがある
借入をして不動産を買い、評価額との差で相続税を圧縮する。節税だけを目的とした極端な方法は、税務上認められないことがあります。必ず税理士に相談してください。
不動産を持っている方が、いまできること
- 相続税がかかるかを確かめる/基礎控除を超えるかどうか
- 不動産の実勢価格を知る/評価額ではなく、売ったらいくらかです
- 納税資金を計算する/現金でいくら必要か、いくら用意できるか
- 売るなら、いつ売るかを決める/生前か、相続後か。小規模宅地等の特例との兼ね合いを税理士に確認します
- 分け方を話しておく/遺言があるかないかで、相続後の手間がまったく変わります
札幌で持っている不動産の見方
市街化調整区域の土地、郊外の空き家、古いアパート。これらは評価が低くなる一方で、売るのに時間がかかります。納税資金に充てるつもりなら、10か月で売れるかどうかを先に確かめておいてください。
また、測量や境界の立会いは積雪期にできません。相続が冬に起きた場合、春まで動けない期間が出ることを日程に入れておく必要があります。
よくあるご質問
そもそも相続税はかかりますか。
相続財産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えなければかかりません。相続人が3人なら4,800万円です。まずここを確かめてください。
なぜ不動産は相続税対策になると言われるのですか。
相続税の計算では、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価します。いずれも実際の取引価格より低くなるため、同じ金額の現金を持っているより評価額が下がります。
アパートを建てると相続税が減るのは本当ですか。
賃貸に出している建物と敷地は、借りている人の権利がある分だけ評価が下がります。ただし空室が多いとこの評価減が十分に効きません。また建てたあとの運営と修繕が続きます。
小規模宅地等の特例とは何ですか。
亡くなった方が住んでいた土地なら330平方メートルまで評価額を80%減らせる制度です。誰が相続するかで使えるかが変わり、申告期限まで所有し続けることが条件になる場合があります。
特例を使う場合、いつ売ればよいですか。
相続税の申告期限まで所有し続けることが条件になるものがあります。期限前に売ると特例が使えなくなることがあるため、売る時期は税理士に確認してから決めてください。
生前に子どもへ不動産を贈与したほうがよいですか。
登録免許税と不動産取得税がかかり、相続で取得する場合より税率が高くなります。金額を計算してから判断してください。
納税資金が足りません。どうすればよいですか。
相続税は相続開始から10か月以内に現金で納めるのが原則です。不動産を売って充てるなら、名義変更、片付け、買主探し、決済まで含めて10か月では余裕がありません。早めに動き出してください。
評価が低い土地なら得ですか。
相続税の計算上は有利ですが、市街化調整区域の土地や再建築できない土地は、いざ売ろうとすると買い手が限られます。評価が低いことと、換金しやすいことは別です。
評価額ではなく、売ったらいくらかを知っておく
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詳しくは 相続した不動産の売却 と 収益物件の売却 をご覧ください。お電話は 0120-193-933(10:00〜18:00・日曜定休)。
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