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2023/04/28
市街化調整区域の土地を相続したら|建築の可否で価格が変わる
相続した土地の登記を見たら「市街化調整区域」と書かれていた。用途地域の欄は「定めなし」。何ができる土地なのか分からない、というご相談は少なくありません。
結論から言うと、市街化調整区域の土地は売れます。ただし価格の考え方も買い手の層も、市街化区域とはまったく別物です。いちばん大事なのは「その土地に建物を建てられるかどうか」。ここで価格が数倍変わります。
市街化調整区域とは
市街化を抑える区域
都市計画法で、市街化を抑制すると決められた区域です。原則として、新しく建物を建てることができません。用途地域も定められていないため、登記や評価証明の用途欄が空欄か「定めなし」になります。
まったく建てられないわけではない
例外として建築が認められる場合があります。代表的なものは次のとおりです。
- 都市計画法の線引き前から宅地だった土地(既存宅地といわれるもの)
- 農業を営む方の住宅や農業用の建物
- 分家住宅として許可を受ける場合
- 地区計画が定められている区域内
- そのほか、都市計画法第34条の各号に当てはまる場合
どれに当てはまるか、また当てはまらないかは、市の窓口で確認しないと分かりません。「前に家が建っていたから建て替えられるはず」という思い込みが、いちばん危ないところです。
建て替えができる土地と、できない土地では、値段の付き方がまったく違います。同じ町名の中でも、丁目のある区域(市街化区域)と丁目のない区域(調整区域)で、1平方メートルあたりの単価が数倍違うことがあります。まずここを確かめてください。
相続したら最初に調べる5つのこと
1. 登記の地目
宅地か、田・畑か、山林か、雑種地か。田・畑であれば農地法の手続きが必要になり、話が一段複雑になります。
2. 建築の可否
市の都市計画やまちづくりの担当窓口で、その土地に建物を建てられるか、建て替えられるかを確認します。ここが価格を決める最大の要素です。
3. 接道
どの道路に何メートル接しているか。公道か私道か。幅員が足りない、私道の持分がない、といった条件は買い手を大きく減らします。
4. 上下水道と電気
上水道が引けるか、井戸か。下水道が来ているか、浄化槽か。引き込みに数百万円かかる場合があり、そのまま価格から引かれます。
5. 現況
古家が残っているか、農地として使われているか、境界の杭があるか。境界が確定していない土地は、測量に時間がかかります。
相続の手続きと、売るまでの段取り
まず名義を変える
相続登記を済ませないと売れません。相続登記は義務化されており、期限内に手続きをしないと過料の対象になります。遺産分割の話し合いがまとまらない場合でも、先に手続きだけ進められる制度があります。司法書士にご相談ください。
農地なら農地法の手続きが必要
地目が田・畑の場合、農地のまま売るなら農地法第3条、宅地などに変えて売るなら第5条の許可が必要です。市街化調整区域では転用の許可が下りないことも多く、その場合は農地として農業を営む方に売ることになります。買い手の層がかなり限られます。
相続税の申告期限は10か月
相続税がかかる場合、申告と納付の期限は相続開始から10か月です。納税資金のために売るなら、そこから逆算した日程が必要です。調整区域の土地は買い手を探すのに時間がかかるため、早めに動き出してください。
いくらで売れるのか
市街化区域の相場をあてにしない
調整区域の土地を、近くの市街化区域の取引価格から計算すると、実際より何倍も高い金額が出てしまいます。インターネットの一括査定などで高い金額が出た場合は、調整区域として計算されているかを疑ってください。当社の査定は、用途地域の有無で成約データを分けて計算しています。
建てられる土地なら値段が付く
既存宅地として建て替えが認められる、あるいは地区計画の区域内で住宅が建てられる。こうした土地は、市街化区域ほどではないにしても、住宅用地としての価格が付きます。
建てられない土地の買い手
建築ができない土地でも、使い道はあります。
- 隣地の所有者(自分の土地と一体で使いたい)
- 資材置き場、駐車場、車両の保管場所として使いたい事業者
- 農業を営む方(農地の場合)
- 山林や原野として、そのまま所有したい方
隣の土地の所有者に声をかけるのが、いちばん決まりやすい方法であることも珍しくありません。当社ではこうした売り方もお受けしています。
札幌の調整区域で気をつけること
冬は現地を見られない
積雪期は、境界の杭も、土地の高低差も、道路との接し方も雪の下です。買い手は判断できず、検討が春まで止まります。売却を考えているなら、雪解け後から11月までのあいだに動くのが現実的です。雪のない時期に撮った写真を残しておくと、冬でも話を進められます。
冬に入れない土地がある
市街化調整区域では、冬季に除雪が入らない道路に面した土地があります。冬のあいだ車で近づけない土地は、住宅用地としての価値が大きく下がります。前面道路の除雪がどうなっているかは、必ず確認してください。
固定資産税は安いが、ゼロではない
調整区域の土地は評価額が低く、税額も小さくなります。ただし持っているかぎり毎年かかり、草刈りや管理の手間も続きます。使う予定がないなら、早めに手放すほうが負担は減ります。
売るまでの流れ
- 相続登記/名義を相続人に変えます
- 調査/地目、建築の可否、接道、上下水道、境界を確認します
- 価格を決める/調整区域の成約データをもとに計算します
- 買い手を探す/隣地の所有者、事業者、農業を営む方など、その土地に合う相手に当たります
- 契約・引き渡し/農地の場合は農地法の許可が条件になります
2の調査に、いちばん時間がかかります。ここを飛ばして価格だけ決めると、あとで話がひっくり返ります。
よくあるご質問
市街化調整区域の土地は売れないと聞きました。
売れます。ただし建物を建てられるかどうかで価格も買い手の層も変わります。建築できない土地でも、隣地の所有者、資材置き場や駐車場を探している事業者など、買い手はいます。
建て替えができるかどうかは、どこで確認できますか。
物件のある市の都市計画やまちづくりの担当窓口で確認できます。過去に家が建っていたことは、建て替えできる根拠にはなりません。必ず窓口で確かめてください。
一括査定で高い金額が出ました。信じてよいですか。
市街化区域の取引データを使って計算されている可能性があります。調整区域の土地を市街化区域の相場で計算すると、実際より何倍も高い金額が出ます。用途地域の有無で分けて計算した金額かをご確認ください。
地目が畑です。そのまま売れますか。
農地法の許可が必要です。農地のまま売る場合は第3条、宅地などに転用して売る場合は第5条の許可になります。市街化調整区域では転用の許可が下りないこともあり、その場合は農業を営む方へ売ることになります。
相続登記をしていませんが、売れますか。
売れません。まず相続登記で名義を相続人に変える必要があります。相続登記は義務化されており、期限内に手続きをしないと過料の対象になります。
持っているだけなら費用はかかりませんか。
固定資産税は毎年かかります。金額は小さくても、草刈りや管理の手間は続きます。使う予定がないなら、早めに手放すほうが負担は減ります。
冬でも売却を進められますか。
進められますが、積雪期は境界も高低差も雪の下で、買い手が判断できません。雪のない時期に撮った写真があると話を進めやすくなります。前面道路の冬季除雪の有無も、あらかじめ確認しておいてください。
調整区域の成約データで計算した金額を確かめる
名前も電話番号も入力せずに、実際の成約データから相場が60秒でわかります。
詳しくは 市街化調整区域の売却 と 相続した不動産の売却 をご覧ください。お電話は 0120-193-933(10:00〜18:00・日曜定休)。
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